フリー台本「ナイチンゲール 2 次の明日」 (女性2:性別不問1)

昨日載せた声劇台本の、思いつくままリハビリに書いた続きです。
ここから3人劇になります。
アドリブ・改変など含めて、よろしければご自由にお使いください。


■キャラクター
◆アイリ
偶然、戦争を生き延びた女の子。相棒のロボットを失って以来、生きるために旅をしている。
 
◆ユキジ
日系アメリカ人の女性。無感情であまり喋らない、特殊部隊のメンバー。
 
◆ウィップラッシュ
性別なし。ユキジと行動しているロボット兵士。アイリが一緒に暮らしていた機体のほぼ同型。感情表現が豊富。
 
 
■本文 「ナイチンゲール 2 次の明日」
◆アイリ独白
ほんの少し前、家族がいた。
親でも姉妹でも兄弟でもない、それどころか人間でもない家族が、あたしにはいた。
飛びなさい、と。
その人はあたしに言った。
動ければどうなるか、わかっていたのに。
次の朝まであたしに寄り添い…。
そうして、あたしが目を覚ました頃、その人はもう飛び去っていた。
君でよかった。
夢と現実の狭間で、あの人は最後に囁いていた。
廃墟の街の、粗末な土の下で体を眠らせる、あの人は…。
飛びなさい。
あたしはただ、その遺言だけを守りたくて歩いていた。
あてもない、術も知らない…廃品同然のライフルに、ほんの少しの食料と水だけをバッグへ詰めて。
…その食料の最後の一口は5日前に尽き、水筒に入った最後の一滴は、4日前に飲み干していた。
 
◆荒野で倒れるアイリ。
◆アイリ
ぐっ…。
 
◆アイリ独白
どことも知れない荒地の中に、あたしは足がもつれて転ぶ。
起き上がろうとしても、体が言うことを聞いてくれない。
渇いた口を砂におかされたまま、あたしは自然と呟いていた。
 
◆アイリ
ホー、ク…。
 
◆アイリ独白
飛んでいってしまった、あの人の名前。
掠れた声で囁いた途端、強烈な自己嫌悪に涙がにじむ。
求めるな。
すがるな。
ホークはもういない。
ここで求めたら約束も…ホークの生きた証まで消えてしまう。
まだ、ダメだ…飛ばないと…。
あたしは、まだ飛ばないと…。
幾度となく頭の中で繰り返しながら、あたしの意識はどこか遠くに薄れていった。
その時だ。
 
◆ウィップラッシュ
…生きているな、まだ。
 
◆アイリ独白
重くなるまぶた、白濁する意識の底で。
ホークの声が、聞こえた気がした。
 
◆ウィップラッシュ
…私だ、ああ…保護対象を一名見つけた。
おそらく民間人。
そちらに連れて行く。
 
 
 
◆場面転換。セーフハウスで目覚めるアイリ。気を張って大人びた口調になってる。
◆アイリ
ん…うぅ…? 生きて、る…?
ここ、は…。
 
◆ユキジ
動かない方がいい。
 
◆アイリ
…!? 痛…っ!
 
◆ユキジ
だから言った。忠告は聞くべき。
急に動いて傷が開いても、私は知らない。
 
◆アイリ
傷…?
 
◆ユキジ
寝てる間に、処置した。
あなたの銃創…応急手当てだけだったから。
 
◆アイリ
…お医者さん、ですか?
 
◆ユキジ
医者に見える?
 
◆アイリ
…いえ。軍の人ですか?
 
◆ユキジ
なぜ?
 
◆アイリ
だって…ライフル持ってるし、迷彩服だし…。
 
◆ユキジ
銃なら、あなたも持ってる。
 
◆アイリ
あたしのは…護身用です。
あなたは、見るからに…。
 
◆ユキジ
扱い慣れてる?
 
◆アイリ
…はい。
 
◆ユキジ
…ユキジ。
 
◆アイリ
え?
 
◆ユキジ
私の名前。アメリカ陸軍、二等軍曹。
所属は特殊作戦軍、ISAシーカー・スネーク。
 
◆アイリ
あ、ええと…。
 
◆ユキジ
あなたは?
 
◆アイリ
アイリ…です。所属とかは、別に…。
 
◆ユキジ
民間人なのは、見ればわかる。
 
◆アイリ
…あの、ここは…。
 
◆ユキジ
セーフハウス。私のチームが、私的に用意していた。
じゃあ、アイリ、あなたの状況を伝える。
私の仲間が、倒れているあなたを見つけ、連れて来た。
昨日のこと。
怪我の処置は話した通り。
今は点滴をして、休ませてる。
いい?
 
◆アイリ
…は、い。
 
◆ユキジ
不満?
 
◆アイリ
い、いや…! 不満ってわけじゃ…。
 
◆ユキジ
そう。
あなた、運がいい。
 
◆アイリ
運…皮肉…じゃ、ないんですよね?
 
◆ユキジ
ただの事実。
仲間が、あなたを見つけた。これは幸運。
私が、医療訓練を受けていた。これも幸運。
ここに、治療のための設備と物資があった。
 
◆アイリ
それも幸運…ですか?
 
◆ユキジ
そう。一つでも欠けていたら、今、あなたは生きていない。
 
◆アイリ
…ありがとう、ございます。
その、いろいろと…。
 
◆ユキジ
どういたしまして。
 
◆アイリ
あの、ユキジ…さん?
 
◆ユキジ
なに?
 
◆アイリ
あたしを見つけてくれた人って、どこに…?
 
◆ユキジ
パトロール中。そろそろ戻る。だけど、勘違いしてる。
 
◆アイリ
え…?
 
◆途中でウィップラッシュが戻って来る。
◆ユキジ
人じゃない。私の仲間は…ん?
 
◆ウィップラッシュ
戻ったぞ。
 
◆アイリ
…っ!
 
◆ユキジ
お疲れ様。状況は?
 
◆ウィップラッシュ
しばらく偵察したが、敵影はない。
友軍には現れてほしいところだが…仕方ないな。
 
◆ユキジ
移動できる?
 
◆ウィップラッシュ
問題なさそうだ。
あの子の体力は不安だが…ああ、よかった。
目が覚めたか。
 
◆ユキジ
ついさっき。
アイリ、紹介する。
これが仲間の…アイリ?
 
◆アイリ
ホーク…?
 
◆ウィップラッシュ
うん?
 
◆家族と勘違いして泣き出すアイリ。
◆アイリ
ホークだよね…?
生きてた…生きてたんだ…!
 
◆ウィップラッシュ
お、おいおい…。
 
◆アイリ
生きてた…生きてた…!
ごめん、ホーク…ごめん…っ、ごめんね…!
 
◆ウィップラッシュ
…どうなってる?
 
◆ユキジ
…さあ?
 
 
 
◆場面転換。しばらく後のセーフハウス。家族を思い出して、口調がやや砕けるアイリ。
◆ウィップラッシュ
アイリ…だったね?
どうだろう。少しは落ち着いたか?
 
◆アイリ
うん、少し…ごめんなさい。
 
◆ウィップラッシュ
いや、いいんだ。
私たちも、泣かれるくらいの覚悟はしていた。ただ、なんというべきか…。
 
◆ユキジ
予想外。泣く時は怯えて泣き出す、と思っていた。
 
◆ウィップラッシュ
…軍曹、キミという人はもう少しばかり言い方をだな…。
 
◆ユキジ
状況が、それを許してない。
アイリ。バリスティック・ドローン、知ってるの?
 
◆ウィップラッシュ
そうやって、いきなり核心を突かずとも…。
 
◆アイリ
…家族、なんです。
ううん…家族でした。
 
◆ユキジ
それ、どういう意味?
 
◆アイリ
言葉通り…です。
私、空襲が始まった時に逃げ遅れて、家族ともはぐれて…。
ひとりぼっちだったんです。
街も人も、みんな…誰もいなくて。
そしたらホークが…その人と、そっくりのロボットがいたんです。
 
◆ユキジ
ホークというのは、正式なコールサイン?
 
◆アイリ
コール…?
 
◆ウィップラッシュ
機体ごとの名称だ。名前と思ってくれていい。
もっとも、設定されているのは、私のように人間とチームを組む者…特殊部隊所属の機体だが。
無人化された部隊の場合、名前を呼び合う必要はないものだから。
 
◆アイリ
じゃあ、違います…ホークって呼んだの、あたしだけだから。
 
◆ユキジ
その、ホーク…? あなたの家族は、部隊のことを言っていた?
 
◆アイリ
は、い…101、なんとかって…ワシのマークが付いてました。
…だからホークなんです。
それから…ホークはその部隊の、プロトタイプだって…。
 
◆ユキジ
…第101空挺師団。
 
◆ウィップラッシュ
101師団に配備されていた試作機は、XB1かXB2。
私の同型というのなら、おそらくXB2だろう。
しかし…なぜホークと?
エンブレムから名付けるのなら、イーグルとならないか?
 
◆アイリ
あ…。
 
◆ユキジ
なに?
 
◆アイリ
いえ、その…ホークも、同じこと言ってたから…あはは。
名前は、ええと…イーグルよりかっこいいな、って。
 
◆ウィップラッシュ
…そうなのか?
 
◆ユキジ
それは同感。
 
◆ウィップラッシュ
…そういうものなのか。
 
◆ユキジ
そのホークは、今どこに?
 
◆アイリ
…もう、いません。
元々…動けなかったんです。
あたしと会った時には、ホークは…体に、鉄骨が刺さってて…っ。
だから…だから、動いちゃいけなかったんです…!
あたし、部品とか、食べ物とか探してて…。
そしたら戦車みたいな機械に見つかって、それで…それで撃たれて…。
 
◆ウィップラッシュ
…アイリ。
 
◆アイリ
あたし…起きた時には、もうホークは動かなくなってて…!
 
◆ウィップラッシュ
アイリ、もういい。
 
◆アイリ
よくないよっ!
はぁっ…はぁっ…く、うぅ…!
…近くに、ホークを…あたしが、埋葬しました。
あたしが…。
 
◆ウィップラッシュ
ああ…よく、わかった。
病み上がりにすまない…よく話してくれた。
ありがとう、アイリ。
 
◆ユキジ
…101師団の所属機なら、シグナルを出してたはず。
なのに、救援がなかった。
師団は壊滅したか、撤収したか…。
 
◆ウィップラッシュ
可能性としては前者だ。
 
◆ユキジ
つまり、私たちにも時間がない。
 
◆ウィップラッシュ
だが…。
 
◆ユキジ
他に道はない。
…アイリ? 今から私たちの状況を説明する。
大事な話。
だから、泣き止んでもらわないと困る。
 
◆アイリ
でも、ホークが…!
 
◆ユキジ
ホークのことは、私は知らない。
だけど、あなたは生かされた。
ホークにも、私たちにも。
泣いて体力を使えば、それだけ死に近づく。
ホークが大事だったなら、泣き止んで。
 
◆アイリ
…っ!
 
◆ウィップラッシュ
軍曹、少しは言葉を…。
 
◆アイリ
だい、じょうぶ…平気、だから。
はぁー…大丈夫、です。
 
◆ユキジ
…そう。じゃあ、教える。
私たちは、偵察隊として派遣された。
だけど、三週間前から、ほとんどの通信が途絶えてる。
こちらの呼びかけ、送信したデータに対する応答は、全くない。
つまり…本隊や、他の友軍から完全に孤立してるのが、現状。
水、食料、弾薬の備蓄も少ない。
そこで、一番近い基地への移動ルートを確保していたところ。
 
◆アイリ
基地…残ってるんですか?
 
◆ウィップラッシュ
確証はない。
彼女の言った通り、通信は途絶えたままだ。
それでもわかってる範囲の交信と偵察で、ある程度の状況は掴めている。
我々がいるのはラスベガス南方、ゴールデン・バレー。
アイリ、キミはブルヘッド・シティから来たんだろう?
 
◆アイリ
うん…わかるの?
 
◆ウィップラッシュ
キミが教えてくれた。
ホークの所属部隊はブルヘッド・シティに展開していた。
あの街の現状は…いや、それはいい。
 
◆ユキジ
問題は、このゴールデン・バレーから、どこに向かうか。
この辺りの基地は、大半が壊滅した。
これは私たちが確認してる。
唯一、希望を持てるとしたら、ラスベガスの北部…。
 
◆ウィップラッシュ
グレームレイク基地という場所だ。
エリア51と言えば、キミも知っているか?
 
◆アイリ
大昔に、UFOとか宇宙人とか…そういうのが騒がれてたところ、ですか?
 
◆ウィップラッシュ
そうだ。実際に宇宙人はいないんだが…我々はそこへ向かうつもりでいた。
長旅になるし、燃料も少ない。
ラスベガスは壊滅した。
今では危険地帯だ。
フーバーダムに沿って都市部を避け、グレームレイク基地を目指す。
これが現状の計画だ。
ただし、ベガスは言った通り危険地帯で、そこから先の様子はわからない。
この状況では補給を考えられないため、片道切符になる。
そうなった場合、我々は行き倒れることになってしまう。
 
◆ユキジ
だけど、ここでじっとしていたら、私とあなたはどのみち飢える。
飢えて死ぬ。
だから、あなたに聞きたい。
私たちと来るか、ここに残るか。
 
◆アイリ
そんな…だって、そんなの…。
 
◆ユキジ
見殺しにはしない。あなたが残るなら、基地には私一人で行く。
 
◆アイリ
一人で、って…!
そんなの…待ってくださいよ…っ。
 
◆ユキジ
当然の措置。
民間人、それも手当てした相手。
放り出したりはしない。
 
◆アイリ
だって…! だからって、いきなり…!
急にそんな話されて選べなんて…!
 
◆ユキジ
選んで。
悪いけど、時間がない。
あなたが残りたいなら、この人は、あなたの護衛。
私が戻るまで…それか、戻れなかった時。
しばらくは暮らせるし、守ってくれる。
 
◆アイリ
なんで、そんな簡単に…そんなこと言えるんですか…!
 
◆ユキジ
…ホークなら、言わなかった?
 
◆アイリ
だって…! だけど…あたし…!
 
◆ユキジ
…戦争がどうなったのか、私にもわからない。
政府がまだあるのかも。
だけど、私は軍人を選んだ。
命令が届かないなら、部隊の原則で動く。
 
◆アイリ
…なんですか、原則って。
 
◆ユキジ
…国防。
残りの味方と合流し、拠点を確保し、防衛線を築き、敵を食い止める。
一人でも多く、救出する。
…どうするか、5分で決めて。
時間がない。
 
 
 
◆場面転換。ユキジが部屋を出て行って、アイリとウィップラッシュ。
◆ウィップラッシュ
…すまない。
彼女は…あまり言葉を知らない。
目覚めたばかりだというのに、嫌な思いをさせたろう。
 
◆アイリ
ううん…命の恩人だし。
 
◆ウィップラッシュ
恩人を好かなければならない、という法はないぞ?
 
◆アイリ
それは…そうかもね、ふふっ。
…ありがと。
 
◆ウィップラッシュ
単なる偶然だ。キミを見つけたのは、幸運だった。
 
◆アイリ
それもだけど…そうじゃなくて。
 
◆ウィップラッシュ
違うのか?
 
◆アイリ
うん…あなたと話してたら、やっと受け入れられた。
ホークは、もういないんだなって。
…あははっ、おかしいよね。
あたしが…埋葬したのにさ。
 
◆ウィップラッシュ
…私とホークは、そんなに違ったか?
 
◆アイリ
うん。あなたみたいには喋らなかった。
むしろユキジさんに似てるかも。
 
◆ウィップラッシュ
無愛想な兄弟が世話をかけた。
…無愛想な相棒も、か。
 
◆アイリ
ふふっ、そんなことないって。
…だから、ありがと。
 
◆ウィップラッシュ
いいや…ありがとう、は、むしろ私が言うべき言葉だ。
 
◆アイリ
…? あなたが…?
 
◆ウィップラッシュ
ああ。キミの話を聞いて、驚いた。
キミの家族は…ホークは、確かにキミの手で埋葬したんだろう?
 
◆アイリ
…うん。
 
◆ウィップラッシュ
私たちバリスティック・ドローンには、機密情報を守るための機能がある。
特に、私のような培養脳を載せた機体は。
この装甲パネルの奥にある脳みそは、機密の塊だ。
機体が機能停止すると同時に、破壊するようになっている。
 
◆アイリ
それって…でも、あたし…。
 
◆ウィップラッシュ
そうだ。
本来、キミはホークを埋葬するどころか、自爆に巻き込まれてもおかしくなかった。
…だが、そうはなっていない。
運がよかっただけかもしれない。
キミの幸運は、よくわかっている。
しかし私は…私は、ホークの意志だったと思う。
いや、そう思いたい。
 
◆アイリ
ホークの…。
 
◆ウィップラッシュ
我々にも恐怖はある。
むろん、恐怖以外の感情も。
キミの家族は、キミを見守ることを選択した。
アイリにとってそうだったように、ホークにとっても、アイリは唯一の家族だったんだろう。
私にはそれが…嬉しい、というのかな。
戦闘用に作られた我々が、その存在意義より優先できるほど人間を…誰かを…。
愛おしく思えるかもしれない。
こんな状況でも、そんな奇跡のような出来事があったんだと。
それが、たまらなく嬉しい。
もっとも私の相棒は…不器用すぎて、元から放っておけないんだがね。
…どうした?
私がこういうことを言ったら、やはりおかしいだろうか?
 
◆アイリ
そんなことない。
…そんなことないよ。
あなたに言ってもらって、あたしも嬉しい。
ホークは、傍に居てくれるんだって…あたしも思える。
…言ってもらったんだ。
ホークが死んじゃう、前の日に。
私は、外に行けって。
あははっ、ケンカみたいになっちゃったんだけどね。
…でも最期には…最期は、ちゃんと聞こえてた。
夢かもしれないけど。
傍にいる、あたしでよかったって。
ちゃんと言ってくれてた。
 
◆ウィップラッシュ
…答えは出たか?
 
◆アイリ
うん。…ユキジさん。
 
◆ユキジ
…どうするの?
 
◆アイリ
行きます。
行かせてください、一緒に。
 
◆ユキジ
…あなたは、つい24時間前まで、死にかけだった。
楽な旅じゃない。
 
◆アイリ
それでも、ホークは居てくれる。
ちゃんと飛べるようになるって、約束したから。
 
◆ユキジ
…見立ては?
 
◆ウィップラッシュ
キミの存在に気付いた。
カンの良さは、さながらバリスティック・ドローンだ。
加えて…。
 
◆ユキジ
なに?
 
◆ウィップラッシュ
守護天使がついている。
 
◆ユキジ
…出発は十分後。準備して。
 
◆ウィップラッシュ
だそうだ。
では行くとしよう、アイリ。
 
◆アイリ
うん。あ…待って。名前…!
 
◆ウィップラッシュ
名前?
 
◆アイリ
うん…あなたの名前、まだ聞いてないから…。
 
◆ウィップラッシュ
ああ、そうだったか、すまない。失念していた。
ウィップラッシュと呼ばれている。
 
◆アイリ
ウィップラッシュ…?
 
◆ウィップラッシュ
そうだ。
ホークに比べると、味気のない名前だろう?

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