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【恥ずかしい失敗談】8

このシリーズの中で「ヤマハのリードギター」って言葉が何度か出てくるのだが、「何のこと?」と思う人がいるかも知れないので説明しておこう。

中学生だった私は、今風に言うと「情弱」だった。

いや、私だけじゃなく全員が情弱。

今から40年以上前の田舎の中学生ですから、ロックに関する情報なんか雑誌しか無い。

しかも、その雑誌もロックファンに向けた雑誌なので、プレーヤー志向の人に向けた雑誌じゃないから、外タレのゴシップとか、新譜紹介とかは載ってるが、機材や演奏に関する話は全く出てこない。

後年発売された「Player」誌でさえ、演奏に関する話は本当に稀だった位情報がない。

そんな中で、皆ロックに目覚めてエレキギターが欲しくなる訳だ。

その昔流行ってたはずの、GSブームはすっかり影を潜め、ジュリーは沢田研二として一歌手として活動してたので、もう「ザ・タイガース」の事など知る由もなかったくらい情報が無いのだ。

で、我々の話題は、概ねRitchie BlackmoreJimmy Page、そしてその頃頭角を表し初めたばかりの、SCORPIONSだった。

その中で、SCORPIONSには、リードギターサイドギターに分かれてれいると言う話が雑誌に書いてあった。

詰まり、ウルリッヒ・ロート(当時ウリ・ロートはこう書かれていた)がリードギターで、ルドルフ・シェンカーがサイドギターだったのだ。

更に、オレの大好きなKISSもツインギターで、Vを使ってたポール・スタンレーは自らをサイドギターと定義して、「良きサイドプレーヤーはよきリードプレーヤーでも有る」と何かの雑誌のインタビューで答えていた。

コレが我々の勘違いの始まりだった。

リードギター = ストラトキャスター又はレス・ポール
サイドギター = フライングV

と言う図式が成り立った。

サイドギターである、ルドルフ・シェンカーも、ポール・スタンレーも、使っているギターはVだった。

つまり、フライングV = サイドギター と言う図式が成り立った。

そして、ウリ・ロートもリッチーもストラトだ。

彼らはリードギターだったので、ストラト = リードギター であると思い込んだ。

Jimmy Pageはレス・ポールだが、彼もリードギターと言われてたので、レス・ポールもリードギターなんだと思ってた。

エレキギターには「リードギター」と「サイドギター」があって、それぞれ指定された形式のギターを使わなきゃダメなんだと、勝手に思い込んだ。w

それから暫く、我々田舎少年の間では、ストラトタイプを「リードギター」と呼び、フライングVをサイドギターと呼んで、バンドごっこするときも、リード・ギターを弾きたい!って時は、自分のVじゃなくてストラトを借りて弾く感じだった。

なので、ヤマハのストラトを買ってきたっ友達は、「リードギター」を買ってきた訳だ。w
グレコのフライングVを買った自分は、「サイドギター」を買ってきたことに成る。

まぁ、絵面的にはSCORPIONSっぽいが、プレイとしてはリードプレイをしたかったのだが、使ってるギターが「サイドギター」だったので、それは叶わぬ夢だった。www

同時に他の形のギターはどっちなんだろう?って疑問が湧いた。
例えば、ビートルズが使ってたリッケンバッカーはどっちなんだろうか?
リードなのか、サイドなのか…。
結論は早かった。
リッケンバッカーは昔のギターなので、まだそう言う分類になってなかったんだ!と思い込んだ。w
年代的には、GibsonもFenderもRickenbackerも、同時代なのだが、ビートルズは既に解散してたので、昔の印象があったからだ。

で、Explorer等の変形ギターが「サイドギター」で、ストラトやレス・ポール等のトラディッショナルなスタイルのものが「リードギター」なんだろうと、高校に行くくらいまで信じてたなぁ…。w

ある日、別な友達がフレッシャーのレスポールカスタムを買ってきた。

ボルトオンネックのデッドコピーだが、当時はそれで十分満足だった。

レス・ポールを買ってきた友達(以下Lとする)

L:「最近、アイアン・メイデンが気になっててさ…。」
オレ:「ほー。」

L:「でさ、ハモリの片方のギター弾かない?」
オレ:「オレ、サイドギターだよ?」

L:「いや、ツインリードだから、どっちもリードだよ?」
オレ:「でも、オレのギター、サイドギターだよ?」

実はこのL少年、頭が良くてクラスでもどちらかと言うと秀才クンだったので、リードーギターとサイドギターはパートの事だとはじめから理解していた。w
なので、オレと話が噛み合わない。www

L:「いや、だからさ、ギターは何でも良いから、ツインリードやろうよ!」
オレ:「でもどっちかはサイドギターだろ?オレはサイドギターやるよ…。」

L:「それじゃ、ツインリードに成らないじゃんか!ちゃんとやってよ!」
オレ:「けど、オレのはサイドギ…」

L:「だから、それはパートのことで、ギターの形のことじゃないよ!Vでもリードは弾けるんだよ!」

なーんと!!!!
初めて知る、新事実!
リードとかサイドって、ギターの形式の事じゃ無かった!

L:「じゃ、リズムギターはどれだよ!!!!!!??????」

このL少年の質問に即答できなかったオレの完璧な負けだった。


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