M45すばる周辺
MiniCat51 + ASI2600MC Duo(-10C Gain100)3min x 48frames
on ZWO AM3 mount
(Total 144min)Nov. 2024
Pixinsight, Photoshop21
Locations: Kibichuocho, Okayama, Japan
https://www.flickr.com/photos/kiyoshi_imai/54122608854/
先日アップした「リゲルと魔女の横顔星雲」を撮った日に、リゲルがまだ地上から上がってくる前に暇つぶしに撮ったM45プレアデス星団周辺です。
すばる(M45)周辺に漂う青っぽく色づいた分子雲を表現してみました。
「リゲルと魔女の横顔星雲」をアップしたときにMiniCat51のファーストライトと書いたのですが、本当のファーストライトはこちらですね。
撮影
11/3の夜。本命はオリオン座方面で、RedCat51+フルサイズモノクロとMiniCat51+APS-Cワンショットカラーの組み合わせで撮ろうと思っていたので、2セットの赤道儀・望遠鏡・カメラをセットアップしました。
いつもほかの人よりセットアップに時間がかかるワタクシはだいたい1つの機材セットを行うのに1時間程度を要しますが、この時も 19時ごろからAM3 + MiniCat51 + ASI2600MC Duoのセットアップを行いやっと、20時頃に1つ目の機材が準備完了。
2つ目の赤道儀（RedCat51+ASI6200MM Pro)をセットアップしているあいだ、何か暇つぶしに撮るものは無いかと空を見上げて、ある程度高くなってきたM45すばるを撮影して放置しておくことにしました。
東の空からやっと今日の本命オリオン座が登ってきました
— キヨシ ɥs0ʎıʞ (@kiy0sh) November 3, 2024
すばるなど撮りつつもう少し高くなるまで待機#天文なう pic.twitter.com/7ShTHh7yfp
その後ちょっとトラブりつつも22時ごろに2つ目の赤道儀のセットアップが完了し、22時半頃に本命のオリオンが上がってきたところでM45の撮影を止めて両方の鏡筒でオリオンを撮り始めたので、M45は約2.5時間の露出を行うことができました。
画像処理
撮影できた48枚のフレームをざっと見たところで特に大きなエラーもなさそうなので全部使って処理しました。細かく見ればフレームごとの優劣はあるのでしょうが、とりあえずPixinsightのWeighted Batch Preprocessing (WBPP)に全部突っこめば、各フレームのクオリティを測って重みづけ合成をしてくれるので、目をつぶって全部放り込みました。
ログを見たところPixinsightさんの判断でもBAD FRAMES REJECTION はゼロなので、歩留まりは100%。
ダーク・フラット処理・位置合わせ・コンポジットまで終わったところで、SPCCでカラーバランスを整えたらこんな感じ。
撮影開始時の高度は約30度。時間は20時という事もあってまだ低空の光害かぶりがあり、バックグラウンドが均一ではないですね。（画像右下が高度低い側）
いつもどおりABEを使ってパラメータ(Function degree)を1次元にして傾斜かぶりを補正します。
かなり良くなりましたね。
ここから先は基本的にはPhotoshopでの処理です。
もちろんPixinsightだけでも出来るのでしょうが、慣れの問題で圧倒的に早いのでPhotoshopでチャチャっとやってしまいます。
彩度を上げて、コントラストと明るさを上げて、最後にレベル補正で各色のヒストグラムを見ながらカラーバランスを調整しました。
このあたりでほぼ完成ですが、あとは何度も何度も時間をおいて確認して細かく調整を繰り返します。
処理しながらずっと見ているとだんだんと色に対する感覚が麻痺してくるので、1晩置いて寝起きで再度見てみたり、朝と夕方で見なおしてみたり、PCのモニタだけでなくiPhoneに転送してiPhoneの画面で見たりして、気になるところを調整していきます。
青い星雲部分の輝度を上げすぎると青い部分の彩度が出なくなってきますので、そのあたりをあまり上げすぎず、かつ周囲の分子雲も主張できる程度の塩梅を探して冒頭の完成画像です。
名前について
M45（プレアデス星団）は和名では「すばる」。細かな星が集まった美しい散開星団です。「すばる」は古語で「集まる」とか「寄り集まる」という意味の動詞で、肉眼でも見える5～7つの星がぎゅっと集まった状態から名付けられた名前だそうです。でも、動詞を名前にするって変わってますね。
さて、今回のタイトルは「M45星雲」としました。本当は「星雲」じゃなくて「星団」なので、M45プレアデス星団が正しいのでしょうが、星の集まり（星団）部分よりもその周りにあるガスの部分（星雲）を主題にして調整しましたので、あえて「M45星雲」としてみました。
アンドロメダ銀河をアンドロメダ星雲って呼ぶこともあるように、M45を星雲と呼んでも良いじゃないか。
やっぱりM45は星雲じゃないよな、ということで、タイトルは無難に「M45すばる周辺」にしました（汗）。