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皆既日食を見に行ってきました
2024年4月8日、アメリカに行って皆既日食を見てきました。
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場所はミズーリ州、デクスターという小さな町でした。天気は上々。第一接触から第四接触まで多少の薄雲があるタイミングがあったものの、ほぼパーフェクトに見ることができました。
計画
今回は(今回も)ツアーではなく、航空チケットや宿などセルフ手配で行くことにしていましたので、まずは場所選び。
1年半くらいだったかな、所属している天文同好会(岡山アストロクラブ)のメンバーを中心に同行者を募ったところ、当初は11名の参加表明。その後、日程の相談後、各自ご自身の都合なども考慮して最終的には6名での渡米となりました。今回は新年度・新学期の時期だったのも日程が難しかったようです。
当初は4月の晴天率を考慮してテキサス州、それもできるだけメキシコ国境近くの町を選んで、そこまでの航空券を検索。
価格などを考慮して地元岡山から羽田乗り換えでヒューストン経由でダラスへ行くことにして、ダラス周辺のテレルという町と、メキシコ国境近くのブラケットビルという町と、ダラスから車で3時間ほどのコーペラスコーブという町の3か所に宿を予約しました。
予約は約1年前。3か所とも直前までキャンセル可能なプランで予約しました。
最終的に、日食以外の行きたい観光地を相談し、移動距離なども考慮してダラス周辺のテレルのホテル(モーテル)に決定。お値段は13%の税を含めて1泊1部屋$180。4/6チェックイン、4/9チェックアウトの3泊($540)です。
普段だと1泊$90程度の宿なので、多少プレミア価格だとは思いますが、皆既帯中央のホテルという事でこの程度の価格だとまだ安い部類でした。(皆既時間は4分30秒ほど)
というわけで、当初の予定では4/6にアメリカ、ダラスに到着して皆既日食当日の4/8まで余裕をもって準備するつもりでした。
その他の観光地
日食ツアーにはつきものの、いわゆる「残念ツアー」。
日食がうまく見られなかったときにがっかりせずに済むように組んでおく前後の観光プランですが、今回はテネシー州メンフィスに行くことにしました。ダラスからは飛行機で1.5時間ほど。個人的に大好きなエルビスプレスリーの住んでいた聖地です。
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観光ツアーの詳細は今回のお話とは関係ないので割愛しますが、後にこのメンフィスが大きな意味を持ってきます。
直前の天気予報
皆既日食まで10日を切ったころから徐々に天気予報が見えてきます。
何種類かの予報サイトを見たり、アメリカ海洋大気庁(NOAA)やWindyなどを見ながら皆で相談を続けていましたが、どうも当日の天気があまりよろしくなさそうです。
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皆既帯にそって前線が居座っていて、ダラス周辺の天気は下手すると雨。
ミズーリ州のあたりがよさそうという予報を見ながら、場所を確認すると4/9から行く予定だったメンフィスの近く(車で3時間ほど)のようです。
急遽航空券を確認すると、4/9にダラスからメンフィスに移動する予定だった航空券を4/7に変更することもできそうです。(要追加料金)
観測場所(と宿泊場所)をミズーリ州に変更できるかどうか、4/1ごろから毎日毎日、宿の空室情報を探し続けて、4/3にやっと一部屋(最大4名)の空き部屋をデクスターという小さな町に確保しました。お値段は目玉が飛び出るほどの価格で1泊1部屋$498!
普段は$100程度の安モーテルなので完全にぼったくり価格です。
最終的に4/7チェックイン、4/9チェックアウトの2泊($997)を確保してそこに泊まれる4人だけは相部屋で泊まり、残りの2名は皆既帯外のホテルに泊まって朝こちらのホテルに合流して観測することにしました。(車移動2時間)
皆既時間は3分53秒。十分でしょう。
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航空券の変更手配、メンフィスでのレンタカー手配、ダラスのホテルのキャンセルなどを行う最終決断をしたのが出発2日前の4/4でした。
ホテル差額、航空券差額、レンタカー追加手配などでかかった増額分はひとりあたり8万円程度。この価格をどうとらえるかですが、ダラス周辺の天気予報を伝え聞く感じだと意味があったコストかなと思います。
観測地
今回も観測地はホテル(モーテル)の駐車場で行いました。
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今回の場所は駐車場も広大で、南も開けているので機材を立ててもかなりゆったりとした様子です。
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機材を組み立てていると、ホテルのマネージャーがやってきて、「椅子いるかい?あの椅子使ってもいいよ」とプールからたくさんの椅子を持ってきてくれました。
さすがに「ぼったくり価格」に気が引けたのか、サービス満点です。
おかげでゆっくりと椅子に座って欠けゆく太陽を鑑賞することができました。
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日食当日の天気
前日にレンタカーでメンフィスからデクスターへ移動している途中、激しい雨が降っていましたので、少し場所がずれるだけで天気が大きく変わっていたとは思いますし、午前中くらいはまだ雲もあったので、タイミングが少し変わってもダメだったともいますが、奇跡的にすべてが整って前述のとおり全行程晴れで観測することができました。
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皆既日食当日の気象衛星の画像をNOAAサイトから取得して動画にしてみました。赤い線(ちょっと適当に書きました)が皆既帯、二つの四角がテキサス州ダラス(左)とミズーリ州デクスター(右)です。
天気予報の答え合わせとしてはミズーリ州で大正解でした。
撮影の成果
結論から言うと、実は今回はあまり満足に撮影ができませんでした。
かなり前から自動撮影の設定を行ってテストを行い、皆既中にしっかりと目で見ることをやろうと思っていたのに、当日朝、機材のセッティングをするとなぜだかカメラが急にご機嫌ナナメになってしまいました。
カメラの電源を入れて、ほどなくするとErr20が出て何もできなくなるという悪夢のようなエラーです。
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電池の入れ直しをして、しばらく動いてもまたエラー。
何もわからないまま、とにかくいろいろ試した結果、(関係あるかどうかわからないけど)電子シャッターモードをやめてメカニカルシャッターでの撮影にしてみたら、撮影を続けることができたので、そのまま第一接触に突入しました。その後1時間半ほど機嫌よく動いてくれたのに、肝心の第二接触直前の露出変更タイミングでまたエラー。
結局手動で数セット撮影しただけで、皆既中もバタバタと機材をいじっていて落ち着いて目視することもできず、惨敗でした。
帰国後、動作確認してみると問題なく動作。何だったんだよぉ!
とりあえず手動で撮影できた1/1000, 1/320, 1/100, 1/30, 1/10, 1/3, 1秒の2セットで処理してみた画像がこちらです。
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皆既中アクションカムを放置して撮影しておこうと思ったのも忘れていたし、動画撮影も途中でピントを合わせたのち録画ボタンを押し忘れていたし、突然のカメラエラーで正常心を失い多くの失敗をしてしまいましたが、今回の唯一の成果は現地からYoutube Live配信で日本のメンバーに向けて行った配信でした。こちらは現地の歓声含めてライブ感をお伝え出来たかと思います。
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皆既の全行程2時間50分をお伝えしたYoutubeライブはいろんな会話なども入っているので限定公開にさせてもらいましたが、いつかゆっくり確認して使えそうな所だけでもどこかで使ってみようかと思います。
手持ちアクションカムでの動画
こちらは手持ちの4Kアクションカムで撮った第2接触の瞬間の動画です。歓声をお聞きください。
右下に金星も確認できますね。(Youtubeサイトで4K高画質でご覧ください)
反省と次回に向けて
手持ちのカメラ(EOS R3 / EOS RP / EOS 6D)のどれを持っていくか直前まで悩んで、少しでも荷物を軽くしたくてEOS R3一つだけにしたのですが、もう一つくらい持って行ってもよかったですね。機材トラブルはつきものですので、何とかバックアップできるようにしておくべきでした。
そのほか、輸送中にバーダーのアストロソーラーフィルムで作ったフィルターに傷みがあったので、テープやハサミのほか、フィルム自体の予備も持っていけばよかったです。(薄くて軽いものですし)
すでに次回は4年後のオーストラリアかなと勝手に思っていますが、次回があれば反省点を生かして再チャレンジしたいと思います。