事業における採用は「世界で一番優秀な人を採用する選手権」ではない
優秀な人を採用したいといった相談をよく受けるのですが、事業における採用の目的は本当にそれで正しいのでしょうか。
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ところで、広島県安芸高田市の副市長の公募に、1000人の人が集まったそうです。月70万円という報酬もそうですが、副市長の公募という珍しさが応募を集めたのかもしれません。
このような募集の場合、1000人の中からたった1人の優秀な人を選ぶことのメリットは大きいと感じています。
他方、企業の採用活動において、1つのポジションに1000人の応募があることなんてめったにありませんし、1000人に1人の優秀な人しか出来ないような仕事は殆どありません。
としたときに、「優秀な人」という概念に振り回されて採用活動を繰り広げることに、何かの意味があるのでしょうか?
採用の目的は、事業の成長でしかない
極端にいえば、採用なんてただの手段のひとつに過ぎません。
毎月何十万円もの費用をかけて人を採用するよりも、その金額分広告に投下するほうが良いケースもたくさんありますし、外注するというのもひとつの手段です。
沢山の手段があるなかで、何故何ヶ月もかけて、存在するはずもない「優秀な人」を探し求めるのでしょうか?
採用にかかる金銭的コストだけでなく、その期間に事業の成長が止まってしまうリスク、数多くの候補者を不採用にするために支払う多大な人的リソースなど、これらを負担してまで「優秀な人」という青い鳥を探す必要はどこにあるのでしょうか?
[補足]
プロダクトマネージャーや事業責任者など、ふわっとした役割の採用活動において、特に青い鳥を探しがちです。下記のnoteもご参考に。
優秀な人ではなく、「今の自社にとって合う人材」を探す
とはいえ、「優秀な人」に来て欲しいと思うのは当然のことですし、わざとレベルを下げた採用を行う意義は全くありません。
他方、「優秀な人」を正しく定義し直す意義は大きいと思っています。
ひとことでいえば、「今の自社にとって合う人材」という定義になると考えています。
あなたの会社に「世界一のエンジニア」が本当に必要ですか?
「一人で年間数十億売り上げるセールス」が本当に必要ですか?
彼らにそもそもフィーを払えますか?彼らが満足する仕事を提供できますか?フィーを払えないとして、彼らが働く意義を提供できますか?
これらの問いに対して明確にYesと答えられるなら、それが今の自社に合う人材だとは思います。
他方で、多くの企業においては「目先のプロダクト改善ができるレベルのエンジニアで十分」であったり、「ソリューション営業の経験があればOK」といったレベルであったりすることが、実情だと思います。
としたときには、存在するはずもない「優秀な人」ではなく、「今の自社に合う人」を探す方が圧倒的に合理的であり、事業成長にも繋がっていくのではないでしょうか。
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P.S. 個人的にはまあこんな気持ち