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初めての1/11東京Zineフェスを振り返って

初めてZineフェスティバルで出店しました。朝早く会場に行き、机を運ぶお手伝いからスタート。そこにはとても特別な雰囲気が漂っていました。お互い初対面の人ばかりでしたが、説明を聞いた後は自然と息が合い、スムーズに準備が整いました。

私と小さなアシスタント(夫のテッド)は、前夜にどこに何を置くか簡単に話し合っていたものの、実際に準備を始めると初めての共同出店ということもあり、あちこちでお互いの動きを邪魔してしまう場面もありました。英語で言うところの「in each other’s way」ですね。でも、話し合いを重ねるうちに次第にスムーズに進むようになりました。

とても心温まる出来事の一つは、他の出店者の方々が挨拶や会話をしに来てくれたことです。私自身、海外で育ちつつも、家族にはアジア的な控えめな部分があるので、つい積極的に声をかけてしまい、「あ、ちょっと外国人っぽすぎたかな」と反省する場面もありました。

今回の作品は日英のバイリンガルが中心でしたが、デザイン時に日本語フォントの選択肢が少なかったため、表紙のデザインは英語フォントが目立ち、日本語は少し小さめになってしまいました。しばらくして、通り過ぎる人が多いことに気づき、テッドが笑いながら「英語を入れたせいで人を驚かせちゃったんじゃない?」と言ってきました。その後、別の見せ方を試してみたら、少し(ほんの少しだけ)反応が良くなった気がします。

全体として、多くの人が作品を手に取るわけではありませんでしたが、絵本というジャンルが特定の層に向けたものなのかもしれません。それでも、いくつかの対話がとても印象的でした。

あるおじさんは、私の本を手に取って開放的な結末や寓意のない物語について質問してくださいました。物語の表現方法は気に入ってくださったようで、その後、友人にも楽しそうに紹介している姿を見て感動しました。英語で考える癖があるため日本語での表現に苦労する場面もありましたが、最後に名刺をお渡しすると、彼は「日本語で書いてもいいですか?」と優しく尋ねてくださり、とても嬉しかったです。

別の方は、種の物語に登場する小さな男の子のリンゴ刺繍バッジを手に取ってくれました。「この男の子には名前がありますか?」と尋ねられ、その質問にとても感動しました。名前を与えられることで、そのキャラクターがただの「男の子」ではなく、一人の立体的な存在として記憶されるのだと感じたからです。

また、あるお母さんは作品の立体感を感じ取ってくださり、その話題で少しお話ししました。最終的にミニブックと限定のリソグラフミニ版画をお持ち帰りくださいました。彼女が作品を見つめる目の輝きがとても印象的で、私にとって大切な思い出となりました。

終了後はまた慌ただしく片付けをして撤収。その後、宿に戻って横になり、少し眠りました。でも、夕方には銭湯に行き、湯船に浸かりながら今日の出来事を振り返ってリフレッシュしました。

売れたものは多くありませんでしたし、改善すべき点もたくさんあります。それでも、今日出会った人々や出来事、会話の一つひとつが、まさに「once in a blue moon(一生に一度の貴重な出会い)」のような大切なものだと感じています。とても満たされた一日でした。

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