30歳男性エンジニアの結婚式
2023年9月16日に結婚式を挙げました。
新郎・新婦ともに想いが強く、式場のプランナーさんとそれを具体に落とし込み、コツコツと準備を重ね、当日は最高の結婚式になりました。
事前準備では、一つの作品の脚本や構成をしているような、当日はその作品を主演として演じているような、そんな気分でした。
これから結婚式を挙げられるプレ花嫁・プレ花婿さまのために少しでも参考になればと思い、私たちの結婚式のこだわりポイントを紹介します。
【はじめに】
30歳男性エンジニアの結婚式準備
こだわりポイントの紹介の前に少しだけ、結婚式準備に対する考え方が大きく覆った話をさせてください。
私は結婚式の中身を具体的に考えるまでは、「結婚式は新婦のためにやるものだし、新郎がやることはその手伝いと相談に乗ることくらいかな」と思っていました。
しかし、中身を考えていくにつれて、妻の協力もあって「やりたい」と思うアイデアがたくさん湧き、しかも私の好きなことや得意なことを生かせる形で実現できました。
「結婚式準備=衣装や装花を悩んで決めること」だと思っていた私は、それ以外にもたくさんのこだわりを追求できると知り、結婚式準備に対してワクワクが止まらなくなりました。
私の周りでも「夫が結婚式準備に協力的でなくて悲しかった」という話を聞いたことがあります。
しかし、男性は男性なりのこだわりポイントを追求すれば、きっと新郎新婦どちらもがワクワクしながら楽しく一緒に準備を進めることができると思います。
この記事がぜひその参考になれば幸いです。
少し前置きが長くなってしまいましたが、ここからは結婚式準備および当日のこだわりポイントを紹介していきます。
【準備編】
ゲストとの事前顔合わせ
結婚式の約半年前~1ヶ月前にかけて、新郎新婦それぞれの友人と、夫婦揃ってご飯を食べにいきました。
これまで友人の結婚式に参加した際に、「友人である新郎のことはよく知っているけど、新婦のことはよくわからず、結婚式当日もほとんど話す機会がなく、新郎新婦”ふたり”を祝う気持ちがあまり芽生えないな」と思っていました。
事前に新婦の友人と会ったことで、結婚式当日に新婦側のゲストからも手を振って貰ったり声をかけてもらったりできました。
それだけでなく、私がゲストを思い浮かべながら結婚式を迎えるにあたり、その”ゲスト”の中にしっかりと新婦側のゲストも加わりました。
また、あとで紹介するプロフィールムービーでその時に撮った写真を使用し、それを見たゲストから「これだけゲストのことも考えながら丁寧に準備していて素晴らしい」と褒めてもらいました。
Notionとスプレッドシートでタスク管理
結婚式は想像以上に大きなプロジェクトです。
式場との打ち合わせでは締め切り付きの宿題が毎回出ます。引き出物やペーパーアイテムを外注すると複数の相手と並列でやり取りしなければなりません。
そのため、①情報共有 ②タスク管理 を目的としてNotionとスプレッドシートを使いました。
特にタスク管理では、役割分担しているタスクが「今どこまで進んでいるか?」「ヘルプする必要があるか?」を確認するのにNotionが大活躍しました。
私たちがNotionとスプレッドシートを使った理由は、妻も仕事でそれらのツールを使っていたからです。なるべくわかりやすく、手間をかけずに管理できるのが理想だと思い、導入しやすいツールを話し合って決めました。
結婚式のコンセプト決め
結婚式準備を”ふたり”で進めていくために、先ほどのタスク管理に加えて、結婚式のコンセプトを決めたことが非常にやってよかったと感じました。
私たちは以下のようなコンセプトを決め、これらをしっかりと実現できるような演目・構成・アイテムを考えようと話し合いました。
コンセプトを決めたことで、結婚式に向けてのふたりの共通の軸を作ることができました。
また、コンセプトのアイデア出し~話し合い~深堀り~決定をしていく中で、ふたりの結婚式に対する想いが広がり、深まり、そしてピッタリな言葉で言語化でき、過程も含めてとても有意義でした。
席次表にゲストを表す「漢字一字」
コンセプトの一つにもある「ゲストへの感謝」を伝える方法の一つとして、席次表の肩書き欄にゲストを表す漢字一字を書きました。
それぞれのゲストとの思い出、尊敬しているところ、私にとってどんな存在かなどを改めて振り返り、渾身の一字を決めました。
また、席札裏のメッセージにその漢字を選んだ理由も書きました。(それを書いたこともあり、席札メッセージはものすごく長い文章になってしまいました)
結婚式後にゲストに聞いたところ、その漢字の話題で卓の会話が盛り上がったり、久しぶりに会ったゲスト同士の会話の取っ掛かりにできたり、式中の演目で知らないゲストが出てきた際にも漢字を確認して人となりを予想したりなどができたそうです。
ゲスト全体の一体感を作る意味でもやってよかったです。
結婚式公式LINE
ゲストに結婚式を全力で楽しんでもらうためには、食事や装花や演目を工夫するだけでなく、不安や不自由などのマイナスな要素をなるべく減らすことも大切です。
「挙式中に赤ちゃんが泣きだしたらどうしたらいいか不安」「挙式終了後の待ち時間がどれくらいあるのかわからない」「〇〇は借りられるのかわからない」といったマイナスな要素を抱えたまま過ごすと、結婚式を全力で楽しむことができなくなってしまいます。
そのため、結婚式公式LINEを作成し、事前に情報を共有しました。
公式LINEでは、日時・アクセス・館内情報などの基本的な情報をいつでも見れるようにし、加えて、赤ちゃんがいたり途中参加だったりといった配慮が必要な方に個別で対応しました。
また、新郎新婦の自己紹介や、コンセプトを記載したりといったエンタメ要素も入れて、楽しんでもらえるようにしました。
招待状送付のタイミングで公式LINEの案内をしたところ、すぐにゲストの方々から「公式LINEで案内なんて新しくて面白い!」「情報がまとまっていてわかりやすい!」といったコメントを貰うことができました。
PayPayご祝儀
当日手渡し以外のご祝儀の受け取り方法を設けたのも、マイナスの要素を減らすアイデアの一つです。
ご祝儀は通常、ご祝儀袋とピン札を用意する必要があります。特にピン札は、平日日中に銀行に行く必要があり、会社員にとっては大変です。
そのため、事前に新郎新婦のPayPay送金リンクを共有し、PayPayでもご祝儀をいただけるようにしました。
ただ、ご祝儀の管理や式後の銀行への出金の観点から、いくつか事前確認をいただく必要がどうしても出てきてしまいました。
(直前の送金を避けるために締め切りを設ける。銀行へ出金するために本人確認済みアカウントで送金してもらう。など)
それに関しても、誰でも簡単に準備ができるよう、公式LINEでPayPay送金フローを作り、フロー通りに行えば誰でも事前準備ができるように工夫しました。
結果として、友人の半分以上の方にPayPayを使ってもらうことができました。
進行表作成と両親への共有
結婚式では両親に多くの負担をかけてしまいます。
お礼・お車代を当日渡すことや、披露宴の合間を縫って各卓に挨拶にまわることなど、当日の状況に応じて対応してもらうことがたくさんあるからです。
それらの不安をなるべく払拭してもらおうと、披露宴の進行表を両親用に簡潔に作成し、それを事前に両親に共有しました。
「どのタイミングなら各卓に挨拶にいけそうか」「どの卓にどんなゲストが座っているのか」などを口頭で説明したことで、両親もある程度安心して当日を迎えることができたようです。
また、その説明の場は両家揃って結婚式の約2週間前に行ったのですが、副次的な効果として、その場が結婚式の事前決起集会のような形になり、盛り上がりました。
2週間前という丁度良いタイミングで両家が会ったことで、結婚式当日も両家仲良く盛り上がれました。
事前エッセイの公開
結婚式当日の朝に、結婚や結婚式について私の思うことをエッセイにして、公式LINEでゲストに共有しました。
結婚式準備では、「ゲストのみんなに喜んでもらおう」「最高の結婚式にしよう」と、新郎新婦ふたりが”結婚式の成功”という共通の目的に向かって進みます。
ふたりが同じ方向を向いて進むことはとても大事なことですが、一方で、結婚式という一生に一度の機会に改めて妻の方をきちんと向いて、「妻と結婚することが自分にとってどういうことか?」「これからふたりの結婚生活をどうしたいか?」について考えることも大事なことだと思いました。
そこで、その想いをエッセイとして、妻へのラブレターのような形で書き、式中の新婦への手紙の代わりに公式LINEにて共有しました。
ゲストの方々には行きの移動中や、ヘアセット中、早く着いて時間がある時などに読んでもらい、「新郎のアツい想いが伝わった」と新郎新婦どちらのゲストからも好評でした。
内容が気になった方は下記のリンクから読んでいただけると嬉しいです。
自作プロフィールムービー
私たちはプロフィールムービーを自作で作りました。
これを機にPowerDirectorという有料の動画編集ソフトを購入し、一からオリジナルのムービーを作成しました。
ムービーは完成すると一つの作品になるので、自分たちで作ることで大きな達成感を得られました。少しずつ作っていったので約半年とそれなりに時間がかかりましたが、素人ながら「業者が作ってるみたいに綺麗だった」とゲストに言ってもらえて嬉しかったです。
【当日編】
オリジナルの誓いの言葉
誓いの言葉は式場のテンプレートを使うことが主ですが、せっかくなら自分たちの言葉で誓いを立てたいと思い、オリジナルの誓いの言葉を準備しました。
私たちの誓いの言葉は、付き合っていたときにふたりで話し合って決めた「ふたりが大切にしたい3つのこと」をベースにしています。
付き合っていたときに考えていたことを、改めてふたりで思い返し、再び誓うことができ、初心に返った気持ちになりました。
また、用紙はキンコーズで少し高級感のある紙に印刷しました。用紙にもたくさん種類があるので、それを決めるのも楽しかったです。
ウェルカムスペースにゲストとの思い出の品を展示
ウェルカムスペースは新郎新婦ふたりの思い出の品を飾るのが一般的です。
しかし私たちは、ゲストとのこれまでのこともみんなに知ってほしいという想いから、新郎新婦とゲストとの思い出の品も展示しました。
大学のサークルで着ていたチームTシャツ、塾講師のアルバイトで自ら作成した研修資料など、思い出深くもあり、特徴的でもある品々を飾り、楽しみながら見てもらうことができました。
また、思い出のメッセージをそれぞれの品に添え、知らない人が見てもわかるよう心掛けました。
披露宴中に流すBGM
BGMは地味ですがかなり悩んだポイントです。
本当に大事な場面では誰もが知っている定番曲を使用し、ところどころで個人的に思い入れのある曲を使用しました。
私が一番思い入れを込めて流したのは、新婦中座後の新郎しかいないタイミングで流した、Galileo Galileiの『青い栞』です。
大学時代に友人たちとこの曲を何度も聴き、この曲が主題歌の『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』を何度も見て、何度もセリフを真似したという思い出があります。
後日友人に聞いたところ、「この曲が流れてきたときに学生時代を思い出した」と言ってくれたので、こだわった甲斐がありました。
新郎新婦を表す「漢字一字」選手権
披露宴中の余興として、新郎新婦主催でこのイベントを実施しました。
「ゲストのみんなが私たちをどんな風に見てくれているのかを知りたい」という想いから考えたこの余興ですが、みんなに考えてもらったり発表してもらう必要があるため、不安に思っていました。
しかし当日はみんなノリノリでアピールしてくれたり、テーブルごとにこのイベントの話で盛り上がってくれたりと、想像以上に盛り上がりました。
私たちが席次表にゲストを表す「漢字一字」を書いたのと対になっているこのイベントですが、席次表の漢字はゲストにとって、色紙の漢字は私たちにとって、本当に大切なお土産になりました。
ふたりが初めて出会った時の映像を公開
私たちは婚活サービスで知り合ったのですが、初回の顔合わせはオンラインでした。そのため、当時の初回顔合わせの映像をサービス運営の方々が残してくれていました。
私たちが結婚式を挙げるということでサービス運営の皆さまも喜んでくれ、初回顔合わせの映像をもとに祝いのムービーを作っていただき、披露宴中に流してもらいました。
新郎新婦の初対面の様子を見る機会はまずないので、ゲストは驚いていましたが、同時に爆笑の嵐でした。
私たちふたりも当日そのムービーを始めて見てとても恥ずかしかったです。とはいえ懐かしい気持ちにもなり結果的には良い余興になりました。
ふたりが出会った婚活サービスのプランナーにインタビュー
上記のムービー上映に加えて、婚活サービスでお世話になったプランナーさんと社長さんに結婚式に出席いただきました。
おふたりには余興として当時を振り返ったインタビューをさせていただき、当時の印象や思い出深いエピソード、これから私たちがどんな家庭を築きそうかなどを聞きました。
出会い~お付き合いまで一番近くでふたりを見てくれていたふたりに、改めて当時のことを話していただき、私たちふたりの関係性を客観的にゲストに伝えられたと思います。
新郎からの両親への手紙
新婦から両親への手紙は披露宴の鉄板ですが、新郎である私からも両親へ手紙を書きました。
ゲストのことをたくさん考えて披露宴を作ってきましたが、最も感謝の気持ちを伝えたいのは、生まれてからずっと私を支えてくれた両親です。
普段はほとんど感謝の気持ちを両親に伝えることはないので、恥ずかしい気持ちもありましたが、気持ちを伝えることができて本当によかったです。
中盤に自然と涙が溢れ、涙でボロボロになりながらも、なんとか手紙を読むことができました。
【おわりに】
誰もが自分たちらしい結婚式を作れる
結婚式は、これまでの人生の一旦のゴールであり、これからの人生のスタートです。
つまり、これまで自分たちがどのように生きてきたか、そしてこれから自分たちがどのように生きていきたいか、それを表現するのが結婚式という場だと思います。
私としては、これまで趣味で一人でやっていたプログラミングやエッセイ執筆、ムービー作成などを、結婚式の場でふたりのために生かすことができ、人生の一旦の集大成となった気がしています。
ただ、最初はまさかこれらを結婚式で生かせるとは思っておらず、そこには妻や式場のプランナーさんの協力がありました。
アイデアを出し、具体化するための検討を重ねた結果、様々な場面で自分がこれまで培ってきたことを生かすことができました。
好きなこと、得意なこと、意識していること、こだわっていること、そのどれもが、結婚式の場できっと生かせるはずです。
この記事がその助けになり、「こんな結婚式をやってみたい!」が一つでも多く形になることに繋がると幸いです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。