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RRRを観た

インド映画のRRRをやっと観ました。
3時間あります。
めっちゃ面白いのでその3時間が体感1時間になる!ということは特になくしっかり体感も3時間です。
でも超ド級に面白かったです。
感想が「超おもしれえ」以外要らない。

そのRRRの感想をネタバレ込みでつらつらと書いてみます。

本来は敵対する立場の2人がお互いの素性を知らないまま親友になり仲を深めていくも、目的を果たそうとする過程で素性を知ることになり…みたいな、まあまあありがちな設定で進んでいきます。

1920年イギリス統治下のインド帝国が舞台で、誘拐同然に買われてしまった部族の娘を取り戻すためデリーに来た部族の守護者ビームと、故郷の人たちとの約束を果たし祖国解放のために動く警察官ラーマの2人が主人公です。

当然実際にあった時代を舞台にしており時代背景を知っていたほうが面白いし、どうやらインドの神話が元になっている部分もあるようなので、やはり教養というものは物事の見え方を何十倍にも豊かにしてくれるものなんだなと思います。
というか私たちが現代に生きる以上歴史は知っておかねばならないものだとは思うのですが、いかんせん私自身無知なもので、少しずつでも勉強していかなければと思っております…

RRRという題名は「Rise(蜂起)」「Roar(咆哮)」「Revolt(反乱)」の頭文字を取っています。
映画は2人が出会う前の「STORY(物語の始まり)」「FIRE(ラーマ編)」「WATER(ビーム編)」の3つのパートに分かれたイントロダクション(?)から始まります。
もうこの時点で面白い!私が好んで観る映画は最初からずっと湿った暗い空気感の中で話が進んでいき、終盤でパズルがはまり始めてから面白くなるみたいなものが多いのですが、RRRは最初からノンストップで面白いです。
警察署の前に集まった大量のデモ隊の中に1人で突撃し、もみくちゃにされ首を絞められ殴られ掴まれながら全員振り払って目標(投石で偉い人の写真を打ち落としたデモ隊の1人)目掛けてズンズン進んでいく鬼神の如きラーマが本編中でも私がとても好きなシーンです。めちゃめちゃ格好いい。
不死身の杉元(ゴールデンカムイ)みてえだなと思いながら眺めてました。

ここでのラーマは炎、ビームは水という役割が本編を通してずっと一貫されているのもよかったです。総督公邸での2人のバトルシーンでもラーマは火の付いた棒、ビームは壊れた噴水のホースを持っていたし、ラストの森の中での大立ち回りでもラーマは炎の中、ビームは水(池)の中にいた気がする。

え、分かるか?みたいなジェスチャーを一瞬で理解して少年の命を救ったり、薬草が都合よく生えていたり、薬草の効きが意味わからないくらい速かったり、すごい高さから肩車で着地したり、そんなわけねえだろ!となる部分も雑!!!となる部分もたくさんあるのですが、そんなことはどうでもよくなるようなテンポとダイナミックさで、なにより面白すぎて全然気にならない。
むしろインド映画はそれくらいがちょうどいいんじゃないかと思います。

インド映画にしては少ないのなかと思いましたが、期待を裏切らず唐突に歌が始まったり、ダンスバトルが始まったりします。
よくネットでも目にしていたナートゥダンスもやっと観れました。筋骨隆々の男がキレキレで踊る様が本当に格好いいしとにかく楽しくて胸が躍ります。
シティボーイに突き飛ばされて狼狽えるビームの不安そうな顔が、ドラムを叩くラーマを見つけて安心したような嬉しそうな表情に変わっていく様子もすごくよかったです。
ダンスバトルにわざと負けてあげるラーマとそれに全然気付かないビームが、一瞬でこの映画での2人の関係性や人柄を表現できているんじゃないかと思います。2人のキャラクターの違いが見えるのもすごく楽しいです。
それがファイトスタイルでもしっかり表現されていて、ラーマは警察学校などで訓練を重ねたであろう綺麗で無駄のない動きをするのに対して、ビームは大味で一発が重い、森の中の実戦で体得したのであろう動きをしていて、それぞれの性格っぽくもあるし、こんな勢いのいい映画なのにちゃんと細かいところまで設定があってすごい。
それにしてもインドの俳優さんはみんな演技に加え歌もダンスもできないといけないんだろうか。大変だなあ。

これ以降も絶え間なくすったもんだあり、親友を裏切る葛藤、親友に裏切られた怒り、故郷や父への想い、色んなものを抱えながら物語がどんどん進んでいきます。

終盤でラーマの抱えている使命をシータ(ラーマの彼女)から聞いたビームは、今度が俺が親友を助けるぞ!と囚われながらも懸垂に明け暮れるラーマを助け出しに行きます。
ここからのクライマックスの共闘シーンがまた熱い。
ラーマは脚をボッキボキに折られているのでビームの肩車で闘います。
ここで2人が素性を知らずに仲良くしていた頃、丘で懸垂をするラーマ、肩車でスクワットするビームの伏線が回収されます。(伏線か?)

これ以降はもうそうはならんやろのオンパレードでボルテージも高まりまくりです。誰もリアリティなんか求めちゃいねえ。ボキボキの脚だって瞬で治ります。

とうとう敵の根城をピタゴラスイッチ的大爆破で崩壊させ、憎き総督を撃つシーンでなぜラーマはあえてビームに撃たせたんだろうと考えているのですが、そこはまだしっくり来る考察が見つかってないです。

最後お礼にほしいものを尋ねられたビームが「読み書きを」と言うのもグッときました。

最後のエンドロールもずっと踊ってて、インド映画でした。
その横で細ーくスタッフロールが流れてたみたいですが、踊りを見てたので気付かなかったです。いつもの真っ黒の画面にスタッフロールが流れてるタイプのときは、あんまり長いこと余韻に浸れるタイプではないので余韻もほどほどに珍しい名前探し(完全なる暇つぶし)に移行してしまいます。私みたいな人間にとってキャストが躍ってくれるインドシステムはすごく有難いです。

エンドロールの最後、ラーマ・ビーム・シータのメイン3名と一緒に知らないおじさんが並んでて、え?誰?こんなにちゃんと見てたのに…最後メイン級の扱いされてるのに覚えてない人がいる…と軽くパニックになっていたのですが、どうやら監督みたいです。監督のグッズもありました。

映画の感想というものを書いたことがなかったので、各シーンごとにいちいち感想を挟んでしまいそうで、それなりにまとめるのって難しいんだなと思いました。そのスタイルで行くと何文字あっても足りないです。3時間あるし。
たまに映画のレビューで見かけるめちゃめちゃまとめるのうまいし言葉選びもうまい人になりたい。

こんな不慣れなことをしてみようと思ったのもRRRがバカ面白かったせいに他ならず、体感もちゃんと3時間なので最初はリピートするにも覚悟がいるだろと怖気づいてたのですが、最近はちょっともう3時間でもいいからもう1回観たいかも…となってきました。

マジ超面白かったな~











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