死ぬまでにしたいドミナの話#1 自己紹介
セックスドラッグロックンロールに殉じる私が、死ぬまでに残しておきたいBDSMとFETISHとドミナ業の話。
自己紹介
及川貴和子(おいかわきわこ)と申します。
2008年、大学入学とともに京都の「傀儡堂」というSM専門店に入店し、約1年のM嬢経験を経て女王様デビューをし、現在も同店舗にSMの女王様として所属しています。
心理学系大学院を修了した後は専業女王様となり、日々密室で実地のプレイを重ねていました。
2020年頃からは仕事の幅を大きく広げ、傀儡堂でのプレイだけでなく、SMやスカトロ系のビデオ出演、一般向けAV女優、パフォーマーとしてイベント出演、個人AV制作、フェチコンテンツのサブスク配信などの活動も行っております。
様々な嗜好/思考/試行を日々楽しみ深めながら、現役SMプレイヤーを続けております。
活動拠点は主にお店がある京都と、現住所がある大阪。東京と他の主要都市には時々出張しています。
企画意図
この企画は、私が個人的なナラティブ(語り)を残したいと思って、記録のために考えました。現時点(2022年6月)では、記事と音声放送の2軸で相互補完的に記録を残せればと思っています。
女王様でない日常の私は、毎夜酒を飲み、四季折々にメンタルを壊し、加齢なりに身体も壊し、気ままに男を抱いて放蕩無頼に暮らしております。
セックスドラッグロックンロールを地で行く生活ですので、三十路を超えてからは、いつ死ぬのかと思う頻度が増えてまいりました。
死んでしまえば、女王様としての私はおしまいです。きっとすぐに消えてなくなってしまいます。DVDや雑誌には残るでしょうが、そんなものは廃盤になればそれまで。
プライベート奴隷を飼ったり、コミュニティを築くなどしてこなかった及川貴和子は、語られ残るということもないでしょう。
また、私は摂食障害サバイバーでもあります。14歳頃から数々の自傷行為、自殺未遂を経て拒食に至り、18歳頃は体重が30kg以下、20歳頃には60kg近くになるなどしてきました。いまも過食嘔吐を抱えながら、あらゆる方向性の自傷行為と折り合いをつけて暮らしています。
私が摂食障害と生活の折り合いをつけ自尊心を保って生きるうえで、SMで生計を立てることは無くてはならない要素です。
現時点では結婚も妊娠も人生設計にないため、家族や子供を育むことはなさそうです。行き所のない母性本能は、推しのバンドマンやクリエイター、若いマゾ、若い女王様に向かっています。
女王様として短くない時間を過ごし、ほどほどの経験を重ね、多少一般的でない知見を重ねてきました。密室でしか語られない女王様の実践知の記述には、大学で学んだことが生かせるように思いました。
とはいえまだ死ぬわけではなく、これからもSM業界で生きていくであろう私が願うことは、これからも若い世代の方たちがSMに触れ、愛好し、ひいては女王様なるものが存続することです。
若者だけでなく、今後SMの道を志すすべての皆さんに、ひとつの参考事例として残せるものは残しておこう、という墓標のような企画が『死ぬまでにしたいドミナの話』です。
参考
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