
神様のネアリカ
【キャベツシリーズネアリカ11枚目】
『神様のネアリカ』
まず、ネアリカ(Nierika)とは。
簡単に説明すると、ネアリカはメキシコの先住民「ウイチョル族」の伝統的なアートである。蜜蝋を塗った板に、毛糸を並べて貼り付けていく。
ウイチョル族のシャーマンは、巡礼に出て、幻覚剤であるサボテンを取りに行く。断食をして空っぽのおなかに、幻覚サボテンを摂り入れる。(ものすごく不味いらしい)
それによって見えたビジョン(幻覚)を毛糸で表現していく。だからこれは、宗教儀式であり、精霊や神からのメッセージのようなものだ。
本来のネアリカはこういうもので、「この世とあの世をむすぶトンネル」とも言われているらしい。だからネアリカを作るときは、できるだけ計画せずに、うまく作ろうとか、やり直そうとか、そういう自分の自我を捨てて、作ると良い。
このシリーズは、アクリル毛糸とボンドで作っている。
「全盲の旅人お話家近ちゃん」という友だちがいる。文字通り、全盲で、日本中あちこち旅しているばかりか、スリランカ、台湾、インドネシア、イタリアなど、世界も旅する、おしゃべり大好きなおじ、、人。こどもじゃないけど、お兄さんでも、おじさんでもない、、。なんというか、もう近ちゃん(こんちゃん)という生命体。
近ちゃんは、みんながイメージする福の神様に似ている。布袋様、恵比寿様、観音様、ビリケンさん、とにかく福顔なのだ。
旅だけじゃない。本業はマッサージ師で、登山、スキー、作詞、歌手、陶芸、とにかくなんでもチャレンジする。いろんなところでよく歌ってる。下手くそなんだけどね、愛くるしいし、とにかく人が元気になるんだな。
前置きが長くなったけど、福の神様と近ちゃんを、合体してネアリカを作った。近ちゃんは、「きゃべつのものがたり」の中で、すべてを見透すおじいちゃん役をやってくれた。まさに神様の役。
(マツコ・デラックス?!)
私の頭の中の計画では、まず絵を縦に3つに分けて、輪郭を左から青→紫→赤にする。
輪郭以外は、顔にもすべて背景を塗りつぶそうと思った。左から、赤系→黄系→青系。そんなざっくりしたイメージができていた。
神様は姿かたちは見えないからね。透け感。
そうしたら、背景をひたすら縦に貼っていく作業が、つまらなすぎて。挫折。違う。退屈な気持ちで作るわけにはいかない!
けっきょく全部、剥がした😱でもこれが良かったのです。過程も作品の一部。
最終的に動画にして映画で使用するから、良かったの。動画のBGMは、「The Soul in Cage」カゴの中に閉じ込められた神様っぽいでしょ?
それで適当に(まさに神ゴト!)顔に毛糸で左右対称に模様を描いていった。何も考えず、テキトーに。
そしたら、まずは戦士が現れた。ヒゲがヘルメット、唇が目のゴーグルになっている。二重あごが口になっている。「虹の戦士」は光と闇を繋ぐ役割、とたしかアメリカ・インディアンが言うらしい。
左右に横を向く鳥が現れた。青い鳥と赤い鳥。横を向けたらわかりやすいでしょうか?鳥の派手な羽は、目から祝福の涙(雨)を流しているみたい。鳥の目は第三の目の位置にある。
ひっくり返すと、近ちゃんの鼻が花になる。慎ましやかな一輪の花。名もなき花もキレイだね〜みたいな歌があったよね。
袋の中には、たくさんのハート。ハート。ハート。ハートをいっぱい詰め込んで、人々に愛をわたしていくんだね。
このネアリカは、遠くから見ると不気味かも。おでこのピンクと黄緑がぶつかりあって、濁って見えるし、アフリカのお面みたいな雰囲気もある。
怖くて近づけない対象に、勇気を出して近づいたらいい人だったみたいな感じかな?(その逆も然り。。)
無意識のちからって、すごいな。
計画とは全く別物ができあがった。
神様のネアリカのエネルギー
伝われ〜〜〜✨✨✨✨✨✨