「カナルタ 螺旋状の夢」for amazon prime video
アマゾンのシャーマンに密着取材したドキュメンタリー。シャーマンのセバスチャンがまずイケメンすぎて、そこで既に虜ですね。美しい艶やかなロン毛に、高い鼻とするどい目つき。ビーズの装飾をまとって、常に半裸で颯爽と森を歩く姿。ほかの先住民が短髪でTシャツだから、そことの対比もあるのでしょうが。ロン毛ってところがポイントですよね。
インド映画「RRR」のラーマがイギリス警察を辞めて短髪からロン毛になったことで、セクシーさ倍増しました。平成イケメンもロン毛が多かったのにねぇ、今は絶滅危惧種になっちゃいましたね。だからですかね、推しの俳優は一人もいません。どうしようもない話をしてしまいました…いいんです、書きたいだけですから。
アマゾンはなぜか惹かれるワードで、図書館で5.6回リピートしているのがこの本。
繰り返し読みたくなる本ってありますよね。ほかには、ミヒャエル・エンデの「モモ」とか、AKIRAの「cotton100%」と「アジアに落ちる」がそれです。
わたしは日本の薬草研究やアイヌ、今やってる朝ドラに惹かれるわけではないので、アマゾン…なんなんだろうなぁとまだ頭が追いついていない状態です。
さぁ、もう誰も着いてきてはないでしょうが、ここから本題です。
舞台は南米エクアドル🇪🇨のケンクイム村、シュアール族です。水質が悪く、政府がなかなか手を打ってくれない貧しい地域でありながら、森の恵みに富んでいます。先祖が動物を狩り尽くしてしまったことを除いては…。先住民たちは、マチェーテという長いナイフを使って、藪を切り払い、森に道を作ります。
仕事の合間に必ず飲むのがチチャという白いお酒です。チチャの原料はトウモロコシ。衝撃的なのが、チチャを大鍋でかき混ぜる女性が、チチャを口に含み、噛み、噛み、噛み、ぶぶぶぅぅぅぅぅーと勢いよく、唾を鍋に飛ばすのです。思わず、眉間に皺を寄せてしまいましたが、こうやって発酵させるのです。新海誠監督の「君の名は」でも、主人公の三葉が神社の儀式で同じことをしています。日本最古の酒といわれる「口嚙み酒」です。唾液に含まれるアミラーゼがデンプンを糖化させ、野生酵母が糖を発酵させることでお酒ができるというものです。なかなか先進国の現代人には受け入れがたいものかもしれないですが、これをどれだけ愛を持って行ったかによって、チチャの出来は大きく左右されます。チチャは洗面器くらいの大きな入れ物になみなみに注ぎ入れ、みんなでまわし飲みます。３歳くらいの子どもまでガブガブと飲んでおり、また面を食らいました。調べたところ、度数2%くらいなので、まぁジュースみたいなものでしょうか。いやぁ、それにしても…。
セバスチャンの父も祖父もまたシャーマンです。シャーマンは、アマゾンに生える植物を調合して薬草を作ります。長年住んでいる庭であっても、見たことのない植物が現れます。それを薬か毒か見分ける方法は、よく見ることではなく、噛んで味わって確かめることです。素人は真似しちゃダメです。
セバスチャンは、突如歌い出します。お気楽な性格であることにも異論なさそうですが、それぞれの歌には意味があります。代々受け継がれてきた歌には、知恵が、掟が、生きていく術が、信念が込められています。この歌が、村人を一致団結させ、時には大きな圧力と闘う矛となるのでしょうか。
セバスチャンが、手が痺れると言いました。さて、この森でセバスチャンは何をどうやって処方したでしょーか？
サン、ニ、イチ、ブー！薬草を塗り込んだのでも、飲んだのでもありません。なんと彼は、アリの巣に痺れた手を突っ込みました。何百匹ものアリが巣から這い出し、セバスチャンの腕へ上っていきます。「アリが手の痺れを取ってくれるんだ。アリも薬なんだよ。」さすがに、「そんなわけあるかーい！」と声が出てしまいました。さすがに、それは信じられません。幼少期、花を摘んでいたらアリに噛まれたトラウマが消えない身としては、それだけは受け入れられません。セバスチャンは、シャーマンであるお父さんにからかわれたんだと思います。（冗談です）
ある日、セバスチャンはマチェーテで、自分の背中をざっくり切ってしまいます。奥さんが薬草を調合し、手当てしますが、血は止まりません。町から医者がかけつけ、背中を縫い合わせ、点滴（痛み止め？）を打ちました。なんとか命を取り留めたセバスチャンが言った一言。「事故に感謝している。」「痛みはまったく引かないが、これ以上先進医療は受けない。森の薬草がすごいことを証明する、これはチャンスだ。」セバスチャンの息子も言います。「先進医療は一時的には効果があるかもしれない。しかし、また同じ病気に苦しむことになる。ローサやマイキュア、アヤワスカ、アマゾンの薬草は科学者以上の存在だ。」
最後に、日本人監督NANKIは、神聖な儀式を受けます。「マイキュア」という幻覚作用のある薬草を飲めば、「自分が何者かがわかり、すべての真実がわかる。未来のヴィジョンを見せ、知恵を授けてくれる」といいます。ここから先は、アマゾンを訪れた人にしかわかりません…。
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