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八神マキノ無料配布小雑誌「八神マキノと光の中の幻」感想

八神マキノと光の中の幻/Eight thousand House(ハッセンさん、https://x.com/hassen8888)
読了。
仕事納めもして落ち着いたこのタイミングで読ませていただきました。
あの日見た星の光についてと同様の、リアルライブを題材にした小説です。
自分は燿城夜祭現地にいたのですごくこの小説では感じるものがありました。
 
 ここを見ておられる方の中にはあの場にいた方もいると思いますが燿城夜祭は新型コロナウイルスの関係で演者に複数の欠席者が出ました。
私はリアルライブを題材にした小説や他のデレマス、学マス小説を書くにあたってリアルの情勢は基本的に入れません。
ウクライナ・ロシア戦争が始まった直後に少しだけ社会派な武美嘉は書きましたが基本フィクションはフィクションの世界で新型コロナウイルスや感染対策についても今まで描かなかったです。
中止になった10th沖縄公演(トロピカル公演)も実際に沖縄公演が開催された世界線として小説を書いたくらいでした。
だから、そんな自分だからこそ、藤原肇と大槻唯が実際に欠員となったライブの小説を舞台裏から描いた小説としてもとても刺さりました。

 あの日見た星の光についての収録作、砂塚あきらと星の光などでもコロナや発声禁止についても言及されていましたがこれはダイレクトに欠員でしたからね。
演者さんたちの気持ちは察するにあまりありましたがこうしてデレマスのアイドル達としての舞台裏や彼女たちの気持ち、影の努力・苦労として小説に描かれるとまたあの日を思い出しますね。
緻密な描写と丁寧なキャラ造形で、マキノの小説でもあるけどつかさ、唯、美穂についても思わず思いを馳せる内容になっています。
 あの日、確かにIsoscelesの美穂ちゃんの向かいに肇ちゃんが見えたのを思い出しました。
もちろん、これは私があのライブの会場にいて、ライブを観たことも大きく影響しています。
ですがそのライブを想起させ、鳥肌が立つくらいのあの思いをこうして思い出すように感じられるのは間違いなく一つの文章力だと思います。

 あの日見た星の光と同様にとてもよきアイマスの二次創作小説でした。
私であれば、ノーチラスソナー -Nautilus Sonar-歌唱場面や歌唱後の場面まで描いていたかもしれません。
でもおそらく、この小説にそこまで望むのは蛇足というものかもしれません。
 読後感もとてもよい小説でした。
短編集に収録してほしかった気もしますが、独立したフリーペーパーだからこそのこの読後感や良さかもしれません。
良い作品をありがとうございました。

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