ありふみ小説「輝ける二つの光<シンデレラ>」感想
輝ける二つの光<シンデレラ>/栞代わりの物書き屋(アイアンPさん、https://x.com/Iron_Uncle_2323)
読了。
文香さんとありすちゃん、BRIGHT:LIGHTSの同人誌であり、プロジェクトクローネの二次創作であり、デレアニの二次創作。
すごく、いいですね……。
あとがきを読んだのでそれを踏まえて書くのですが2024年、今年は美城常務あるいは専務役の田中敦子さんの訃報がありました。
その経緯もあってありふみの小説を書く上でデレアニの舞台設定にされたとのこと。
……ほんまにありがとう……。
確かに自分もエキスポそうする手もあったな……思いつかなかった……。
それはそうとして、デレアニ世界観としてのありふみ小説として実に素敵な内容です。
ありすと文香のユニット結成、目標設定をしたうえで、そこに至るまでの二人を待ち受ける困難。
それを一人で、あるいは二人で乗り越えて、ただのありふみではなく、本当の意味でユニットの「BRIGHT:LIGHTS」になっていく過程と言いますか。
とても尊い……。
シナリオの内容もデレアニでもし二人がプロデューサー(いわゆる武内P)に担当されていたらこのお話のように対話して、壁に臨んで、乗り越えていたかもしれませんね。
それくらい自然で、とてもいい課題設定と成長の場面でした。
また、武内Pもとても自然に描写されていました。
ここまで述べたようにデレアニの二次創作として優れているところにプロジェクトクローネの面々の描き方もあります。
地の文が少なめで台詞中心の本作はキャラクターの掛け合いがとても生き生きしていて各アイドルが発する台詞もとても自然です。
ありふみ以外もとても公式との言動一致な感じで違和感なく描写されています。
それがまたBRIGHT:LIGHTSの小説として二人以外のキャラクターもきちんと描かれていることでクオリティを高めています(今西部長まで!)。
BRIGHT:LIGHTSに話を戻します。
二人が単なる「ありふみ」から「BRIGHT:LIGHTS」になる過程を描いたお話ともいえるかもしれません。
文香さんとありすちゃんがお姉さんと年の離れた妹のような存在から、ユニットの「アイドルとして対等な存在」になるまで。
この過程とやりとりが実にいいですね。
ユニットとしての関係性、解釈は人それぞれかもしれませんが自分はこの二人の成長とユニットとしてまとまったこの流れ、とても好きです。
それぞれに課せられた試練を乗り越え、また単なるアイドル仲間からユニットとして再出発する描写。
秀逸だと思います。
一方でフォントが太文字なのは珍しかったです。
あまり読み慣れていない文字サイズなので少々目が疲れる感じがしました。
が、逆に普段小説を読み慣れていない人にはこちらが読みやすいのかもしれません。
そういう意味ではエキスポの客層相手のマーケティングなら全く問題ないと思います。
先ほども述べたように、台詞中心で地の文が少なめでした。
地の文の描写は個人的には好きなので、そこは少々物足りなかったです。
ですが二次創作小説なのでこちらの想像力で補える範囲ではあったので大きな問題はないと思います。
文章量としては決して長くはない小説ですが物語をとても楽しめるし、作者のありふみへの愛もとても感じる作品でした。
面白かったです。
ありがとうございました。