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富山で演劇ユニットを結成すること③

劇団フロンティアでの公演、映画『まちむすび』への出演を経て、演劇ムーブメントえみてん2018年公演、最初の公演を迎えます。

えみてんの公演コンセプトには、「私たちがつくれる最大限のクオリティを目指した作品をつくる」ということがありました。作品は既成台本でしたが、それゆえに、作品にきちんとアプローチできる役者が必要でした。

広田淳一さん(アマヤドリ)の『うそつき』という作品を2018年公演で上演させていただきました。わかりやすい台本ではないというのもあり、
・台本を読めて、世界観を共有でき、表現できる役者さんとやりたい
・かつ、演出のイメージに沿った役者
という、県内では割とハードルの高い条件でした。
それまでに観た県内の役者さんや、新たに観に行った公演から、一緒に作品を作って欲しい役者さんに客演として出演して貰いました。

2018年公演『うそつき』チラシ表面

賛否両論あるかもしれませんが、
・力量がある役者さんを選んで出演してもらう
・えみてんの公演なら、どれをみてもハズレはない、役者さんも安心して見ていられて、世界観に入っていける、そんな安心感のある公演をつくる
というコンセプトやブランディングが出来ればと思っています。

前者は、他の劇団さんから見れば、力のある役者を色んな劇団から選んで公演して、美味しいとこどりみたいでずるい、と思う人がいるかもしれないと思っています。ただ、この点については「このコンセプトは守るべき」と言ってくれる方も居ます。

後者は、演劇という、話も役者も面白いかいいかどうかわからないものにお金を出すのは…と思われる方々に対して、えみてんの公演はハズレがないという安心感を持ってもらいたいからあげています。そして、えみてんの公演に出たい、出ることがひとつのステータスになる、というところを目指しています。

こういったコンセプトを持ちつつ、えみてん2018年公演を開催しました。

2018年公演『うそつき』チラシ裏面

演劇ムーブメントえみてんの初公演、また舞台の配置もあり、多くの席数を設けることはできませんでしたが、キャパ40席×4回公演で、150名オーバーのお客様にご来場いただけました。また、劇団フロンティアとは違ったお客様層に来ていただくことができ、これまでの経験とは違うお客様層の動員が出来たのは大きな収穫でした。このお客様がえみてんのファンに繋がっていくのだと感じました。

また、今回はプレビュー公演ということで、ゲネプロを有料で公開するというチケットも設定しました。平日夜の公演需要も知りたかったという側面もあります。20時開演という設定でしたが、仕事終わりで来られる方も多く、好評でした。また、ゲネプロが見られるということで、演劇関係者の観劇も多かったです。

えみてん2018年公演『うそつき』より

劇団フロンティアでの公演や映画『まちむすび』でもお芝居を観て貰う機会はありましたが、この公演でようやく、演劇ムーブメントえみてん、というユニットが確立できたように思いました。

ユニットとしては、お芝居ができれば活動の場所は問わないと思っていますが、演劇の舞台がホームだなと感じます。お客様も舞台を待っていてくれていた感触もありました。活動の幅があるのも魅力を伝える手段が多様で良いと思います。と同時に、演劇ユニットとして、演劇をつくることが前提としてあってこそではないかと思いました。

そして、この公演後、客演して下さった役者さんの紹介で、演劇ムーブメントえみてんのふたりは、演技講師として、西村まさ彦さんの私塾、西村まさ彦表現研究所、W.V.A.(ウエスト・ビレッジ・アカデミー)に2020年の1年間、関わることになります。これによって、県内の劇団と一線を画す立ち位置になったのではないかと思います。

サポートいただいた分は全てお芝居をつくる何かになります。 一緒にお芝居をつくってくださったら嬉しいです。