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音楽で大砲を止められたら。(『おはよう日本』より)
札幌のライブハウスを経営する友人、singer hiromiさんから、「NHKの全国版の番組でテレビに映る」と連絡をもらったのは1月初旬。朝5時からの番組『おはよう日本』だったのだが、心にずんときた内容だったので、記録として書いておきたい。
ロシアによる軍事侵攻を逃れて札幌に避難しているウクライナ人のミュージシャンの男性がいる。その彼に演奏の場を提供しているのは、ロシア人の母を持つ女性。2人が音楽を通じてどんなメッセージを伝えようとしているのか、というのが概要だ。
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アレックスさんは日本人の知り合いを頼って札幌に避難。毎晩札幌のロシア料理店でアコーディオンを演奏している。自分はミュージシャンなので、演奏機会があって人を喜ばせることができてうれしい、と語るアレックスさん。そして、演奏の場を提供するロシア料理店の経営者が、兵頭ニーナさんだ。そして、実は彼女は約40年前に『百万本のバラ』を日本で初めて歌ったミュージシャンでもある。
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「今彼が求めている事に対してうちが何ができるかと言ったら、やはり場所を提供して彼が弾けたらそれが一番幸せ」とニーナさん。現況でロシア料理店は他の人からどういう状態に見えるのか、ロシアと歌うのはどうなんだろうと思い悩むときもあると番組内で語っていた。一方のアレックスさんも、「精神的に辛いし、ウクライナにいる人々もとても辛い、戦争の話をいくらしても何も変わることはない、心配が高まるばかり」と話す。そんな2人は今、「自分にできることを一生懸命やるほかにない」という共通した思いを胸に、音楽を通じてかかわりあい、仲間の輪が広がっている。
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「『大砲が聞こえると音楽は黙る』という言葉があります。私は逆にできたらいいなと思います。音楽で大砲を止められたら。」というアレックスさんの最後の言葉。彼に本当の笑顔が戻るように、そう思わずにはいられませんでした。
小学生の息子が、「えっ!戦争しているのに仲良くしているの?!」とこの番組を真剣に観て、そのあと再び2回録画を観ていました。大きく感じたことがあったのでしょう。
「国と国なんてそんなこと忘れて、身近にいる人と人が温かくつながっていく、助け合う、それが一番いいことではないかと思う」と結んだニーナさん。その通りだと思います。
早くこの戦争が終わるように、願ってやみません。
最後に、キャロルキングのBeing At War With Each Otherを紹介したいと思います。歌詞の和訳リンクを見つけましたので下に貼り付けておきます。こちら、機械的な翻訳ですがおおかたの内容のご参考までにどうぞ。