フランスの歌姫・ダリダ〜没後35年でも 大人気 今年はなんと命日に生き返る!
日本で一番知られているダリダの歌は間違いなく、アラン・ドロンとのデュエット『パローレ・パローレ』であろう。それでも日本人の誰でも知っているフランスの歌とはいえない(元はイタリアの曲です)。ダリダはヨーロッパおよび中東では相当な知名度があるが、日本だとイマイチなのが実に残念である。
ダリダの魅力についてはかれこれ20年くらい前にインターネット上に解説を書いたものが残っている。まだインターネットが今のように発達していなかったので、フランスの事務所のティエリーさんから公式サイトのバイオグラフィの翻訳を頼まれたり、日本製CDの問い合わせがきた時代だった。
『ダリダ』で検索するとたいてい私のページがフランスの公式サイトの次に出てきていたのだが、ニフティの都合で@homepage(なつかしい!!)からURLが変わり、もはや誰にも読まれないページになってしまった。これを読んでいただくとだいたいダリダの魅力がわかるので、この記事を最後まで辛抱強く読んでいただき最後にURLをクリックしてくださると大変嬉しく思います。ただし、20年近く前の文章なので、事実関係の再調査が必要な情報もあるかもしれませんのでご了承ください。
さて、この歌姫ダリダは、死後35年とは思えないくらい毎年毎年CDやらコレクションボックスやらリミックスが発売されている。6年前には仏女優、故マリー・ラフォレの娘が監督の映画『ダリダ あまい囁き』が公開された。
ダリダは、映画で描かれていたような『恋に悩む繊細で揺れる女』というよりは、生まれ育ったエジプトからパリに渡り、ど根性でスターの座をつかんで男を芸の肥やしくらいに扱ってトップに立った、ザ・肉食女であった。そして彼女をデビュー15年あたりから本格的に支え売り出したのが、彼女の実弟オルランド(本名はブリューノ)。ダリダが死後もいまだに話題になりつづけるのは、自分の姉が『永遠に女王であれ』と願い続ける、彼の執念とまでいえるプロモーションのたまものなのだ。
私がダリダの大きなイベントに出向いたのは没後20年のパリ市庁舎の『ダリダ展』であった。このあとに衣装展もいくつかあったが残念ながら行けず。ファンクラブの定期会にも参加できずにいる。
この展覧会に関しては私の昔のブログ(こちら)にレポートがあるのでご興味があれば読んでみていただきたい。両目のがんの治療後3ヶ月、医療用モルヒネを持ってダリダのために飛行機に乗った、思い出の旅行である。黄金のカラオケブースはあるし、衣装てんこ盛りでちょっとしたお祭り騒ぎの会場。これもひとえに、当時パリ市長だったベルトラン・ドラノエとオルランドが仲良しだったゆえに実現したことだろう。持つべきものは優秀な弟。
今年は没後35年ということで、まず『コレクターズボックス』が発売された。
ほとんど今までの内容と一緒だけど。
ったくオルランド、商売上手だな!!!
ちなみに歌姫には根強いゲイのファンがつくという古今東西の掟があるが、ダリダももちろん例外ではない。
そして今後の没後記念活動のために熱心にお布施を続ける人々が、
世界中にいる。
今回のコレクターズボックス、当たり前だが新曲はない(笑)!が!なぜか日本のシャンソン歌手が大好きな『MOURIR SUR SCÈNE(舞台の上で死ぬ)』が新オーケストレーションという名の中途半端にダンサブルなリミックスになって今回新発売された。この曲が日本で『歌い続けて』というタイトルで歌われていると知ったときは大変驚いたものだ。
ドラマチックに豊かな髪を妖艶にかきあげ、ひらひらと舞うような手つきで熱く歌い、恋の悲劇というベールをまとうダリダが『死ぬなら舞台の上で』なんて歌ってヒットしないわけがない。彼女の代表曲のひとつである。
こちらがMOURIR SUR SCÈNE(歌い続けて)2022年バージョン。色々大袈裟なのはディーバの決まりごとである。
そして、没後35年目にして出たのはコレクターズボックスだけではない。
なんと!本人が生き返ってしまったのだ!!
フランスのテレビ局 FRANCE3の新番組『Hôtel du temps』は、フランスのAI技術を駆使して『故人を生き返らせてインタビューする』という恐ろしいコンセプト。記念すべき第一回のゲストに、
黄泉の国からダリダを降臨させた。オーマイダリダ!
しかもいきなり風呂に入ってる姿で登場!!
上のYouTubeがその番組全編である(もしかしたらいつか削除されるかもしれません)。しゃべっているのは生前でなくAIなので、生身(っていうと変ですが)のダリダを知りたい方は途中のライブ映像や下のYOUTUBEを観てくださいね)やや人工的なのは否めませんが、知らなかったら普通に生きてしゃべってると思うレベルの完成度。こういう番組にOK出すオルランド、やっぱりアンタはすごいね。
ということで、ダリダについてちょっと興味を持ったそこのあなたはこちらのページに飛んでくださいね!
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ダリダの魅力
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『待ちましょう』というフランスの古いシャンソンのディスコアレンジ。
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