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サンタがもらったプレゼント。

2024年12月、息子が10歳になった。やたら大人っぽいところとかなり幼いところが混じり合う、モノづくりが大好きでとても繊細な子。2日前から胃腸炎でダウンしていた彼、少しだけ復活して迎えたクリスマスイヴ

「サンタさん、今年プレゼント持ってきてくれるかな。胃腸炎の子のところには来てくれないかもしれない…」と夕方不安そうに言う。サンタクロースの存在を本気で信じている。
「去年は、夜に空飛んでたんだよね!見たの覚えてる?今年はどうかな」と窓を開けてベランダに出る。
「今夜はまだ来てないみたいだ。…ねえ、ママ、サンタさんて、誰なの?
「誰だろうねえ」
実はパパとか
「パパだと思うの?」と私。
「なんか、そうかな〜って。けど、夜じゅうiPadで録画してたらすぐわかるね!」 
「うーん、サンタさんはそういうの好きじゃないと思うよ」
「じゃあママはサンタさんのこと知ってるの?」
「会ったことはないけど、ママも小さい頃プレゼントもらったからねえ。学校でサンタは誰だか友達と話したりしないの?」
「するよ。Mちゃんが多分合ってると思う。Mちゃんが、『どうせお母さんが欲しいものを子どもから聞いて、区役所に言いに行ってサンタさんがプレゼントを配るんだよ』って言ってた。多分そうだと思う」
(…区役所か。さすが女子、現実的だ…)
と私が思っていると、
「ねえ、サンタさんて誰なの?教えてよ、お願い!
「うーーーーん…あなたは誰だと思うの?」
「パパかな。本当にパパだったらちょっと変な感じだけど…あとは…ママとか???…でもわかんないよ。ねえ、ママ知ってるんでしょ?もうぼく10歳だし、知りたい。お願い、教えて!

…どうしよう。そろそろいいか…
そして私は息子に
「じゃあ、あなたの質問にイエスかノーで答える。正解だったらそう言うけど、そのあとでやっぱり知りたくなかったとか怒ったりしない?素直に受け止められるって約束してくれるなら教えるよ。」と言ってみた。息子が、約束できるというので、
「じゃあ質問に答えます」と覚悟を決めた。

「パパ?」
「ノー」
「うーん…ママ?」
「イエス」

しばしの沈黙のあと、
「…ママなの?ママがサンタさんなの?」
「そう、サンタさんはママでした」

すると、息子はびっくりした顔をして、ぼろぼろ涙をこぼし始めた。それから私の腕の中に入り込んで、声をあげて泣き始めてしまったのである。

「…(あっりゃー、しまった、夢を壊してまずかったか…と思い)
ママじゃいやだった?知ってがっかりさせちゃったかな?」と私は聞いてみた。
すると、息子は答えた。

ううん…嬉しいの。
…ママだったんだ…ありがとう…ありがとう…嬉しいよぉ…
」 
その涙声に私も思わずほろっときてしまった。しばらく泣き続ける息子を、久しぶりに長い時間抱きしめた。

「今まで毎年、あなたが一番欲しいって言ってるもの一生懸命探して用意してたよ。黄色いスーツケースって言われたら必死でググってさ。ネットの検索履歴が黄色いスーツケースだらけだった。クリスマスまで見つからないように隠して。毎年とっても楽しい思いさせてもらったよ」
「じゃあ、前にツリーの横に置いたサンタさんへのフリスクも食べてくれたんだね?」
「食べたよー」
そして少し落ち着いた後、息子が一言。

じゃあ、今この家の中に、プレゼントあるんだね!

…とうとうわかったか笑。

「ママ、寒いだろうからもうプレゼントは窓辺に置かなくていいからね」と言ってその日は休みました。そして翌朝息子は窓辺に行き、プレゼントがないのを確認してからツリーの横に置かれたプレゼントを嬉しそうに開けたのでした。

ということで今年は、息子から『嬉し涙』というとても美しいクリスマスプレゼントをもらった私です。

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