歌

「歌垣風呂」

【テーマ】
柴田百合子さんの『テレビ東京#100文字ドラマ(案)』

【プロット】
○藤の湯・外観(夜)
  建物の中から聞こえる短歌を詠むような声。
  時折あがる歓声と拍手の音。
  仲良さそうに富士の湯から出てくる男女の集団。

○藤の湯・外観(数日後の夜)
  いつものように合コンに向かう美歌(25)と香織(25)。
  いつも香織が合コンのセッティングは仕切っており、美歌は香織任せ。
  と、今日の会場についたよと言われ藤の湯の前で立ち止まる香織。
  事態を読み込めずに困惑する美歌。
  どうやら香織はずっと合コンで連敗が続いたため、
  スペックじゃなくて一週周って趣味が合う人がいいとのこと。
  香織の趣味の銭湯で行われる銭湯合コンに足を運ぶことに。

○同・浴場
  湯船につかり、ペンと紙を持たされている美歌。
  進行役の店主から壁越しにお題は「ほっぺた」と言われる。
  参加している女性6人が各自浴場の好きな場所で移動し紙に何やら書き始める。
  香織も必死に書いている様子。
  どうやらこのイベントは『歌垣風呂』と言われている。
  相手の見た目はみえず、男湯、女湯の壁越しにお互いお題に即した短歌をつくって読み合う。
  そしてその声と内容のみで良い相手を選びマッチングするというイベントらしい。

○同・同
  短歌を考える時間があっという間にやってきて男女それぞれ発表を始める。
  イマイチの人にはまばらな拍手、上手い人には『おー!』という歓声が沸く。
  香織はというと思いっきり下ネタに走るがそれが笑いを生んだりと評価基準もよくわからない。
  困惑する中ついに美歌は自分の番を迎える。
  美歌はやけくそになって「ほっぺた=お餅」と考え、
  お正月についついお菓子のように食べてしまうことを古語の『をかし』にかけて何とか乗り切る。
 

○同・休憩所
  相手方の男性陣とご対面する2人。
  何と美歌と香織は男性陣からの指名を集める。
  「ここが新しい出会いの場かもしれない」
  美歌は真剣に短歌の勉強を始めだす――。


(つづく)

※銭湯のイベントとかは調べていたら実際に東京にある『歌垣風呂』というマッチングイベントをみつけ面白かったのでそこを舞台にしてみました。
※ネタの切り口アイデアのためプロットとしてます。