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#74 Gilbert Burns vs. Sean Bradyのプレビュー ~バーンズ vs.ブレイディ。寝ても立っても満遍なく戦えるグラップラー同士の新旧対決はどちらに軍配が上がるか?~

対戦カード概略

 UFC Fight Night: Burns vs. Bradyのメインイベント。ウェルター級のランカー対決です。ギルバート・バーンズはブラジル出身の柔術家。素晴らしい競技柔術の実績を背景持ちつつ打撃も強力。対するショーン・ブレイディも柔術黒帯。現王者 ムハンマドにキャリア初の敗北を喫するも、まだまだ将来に期待が持てる31歳のファイターです。

ランキング:バーンズ#6、ブレイディ#8
オッズ  :バーンズ+160、ブレイディ-190
参照   :

Gilbert Burnsについて

スペック

年齢:38
身長:178
リーチ:189
スタンス:オーソドックス

戦績

22-7-0
勝利内訳
・KO:6
・一本:9
・判定:7
敗北内訳
・KO:3
・一本:0
・判定:4
直近戦績
Loss - Della Maddalena
Loss - Muhammad
Win - Masvidal
ファイター印象
>ライトからウェルターに上げて覚醒。柔術世界王者。ドゥリーニョ。髪型素敵。

SWOT分析

強み:強力な右側の打撃、柔術の実績、レスリングが強い柔術家
弱み:年齢、ストレート系の被弾、一度劣勢になるとジリ貧
機会:技術面では寝ても立っても勝る、テイクダウンを恐れる必要がない、ローキックが有効?
脅威:連敗中、フィジカルで劣る可能性、相手も柔術が得意なため仕留めるのは難しい?

コメント

 柔術世界王者のドゥリーニョことギルバート・バーンズ。ライト級では勝ったり負けたりの戦績でしたが階級を上げたことと打撃力の向上で一気にトップ選手に駆け上がりました。当時の絶対王者、カマル・ウスマンとの同門タイトルに挑むも無念のKO負け。UFCでは2014年から戦い続け、意外に蹴り技が器用かつ強力で奥足のミドル、ローキックなんかは非常に強力に見えます。また、柔術は当然強いのですが、自らタックルを仕掛け、相手を寝かせることができるレスリング力が寝技の強さを輝かせています。寝かせてから積極的にポジションを取る動きもポイントゲームで活きる印象です。
 現在2連敗中。なかなかいい感じで攻めていても打撃の被弾をきっかけに劣勢になる印象があります。2戦前のムハマド戦は左腕の負傷のためか攻め手に欠け敗北、スイッチしてプレシャーをかける相手のスタイルにも手を焼いていた印象。直近のマダレナにはテイクダウンで上手く攻めるも後半打撃の被弾、それでもタックルで攻めるもリバーサルされ組み際に膝を被弾、そのままパウンドアウトとなりました。マダレナは柔術茶帯、今回の対戦相手ブレイディは黒帯と万全な状態なら問題ないでしょうが劣勢の際の寝技はちょっと前戦の敗北もあり気になります。

Sean Bradyについて

スペック

年齢:31
身長:178
リーチ:184
スタンス:オーソドックス

戦績

16-1-0
勝利内訳
・KO:3
・一本:5
・判定:8
敗北内訳
・KO:1
・一本:0
・判定:0
直近戦績
Win - Gastelum
Loss - Muhammad
Win - Chiesa
ファイター印象
>背中のタトゥーすごい。ガチムチグラップラー。

SWOT分析

強み:グラップリング支配力、前手の打撃、テイクダウン能力
弱み:強打にやや押し込まれる傾向、タックルが通じないとじり貧になりがちなスタイル、スタンド打撃の破壊力にやや欠ける
機会:若さとフィジカル、前手の打撃とリーチ、極められずともトップキープできるかも
脅威:蹴り技、グラップリングの実績で劣る、打ち合いに強い相手

コメント

 柔術黒帯のブレイディ。必勝パターンは前手のパンチを散らしながら相手の出方に合わせてテイクダウン。そこからしっかりとポジションキープし支配するスタイルに思えます。直近のガステム戦なんかは最も理想的なパターンで、細かい打撃で相手の打撃を引き出しドンピシャのテイクダウン。そこから相手をひたすら削り、疲弊したところを仕留めるスタイルに思えます。首を抱えたプラッシャーも強力そう。唯一の敗戦、現王者ムハンマド戦では相手のプレッシャーを受け続ける厳しい展開から被弾、KO負けというスタイル的な長所を完全に潰された敗戦に見えました。UFCでの戦いは基本的に自身の強みが生きる相手であった様に思えます。よってもう一つ実力が見定めにくい。(当然素晴らしい戦績で強いことは間違いないのですが。)敗戦を経てどこまで自分のスタイルをブラッシュアップできているのか見えるのが今回のバーンズ戦のように思えます。スタイル的にもがっぷり四つの相手。見応えありそうです。

試合内容について

勝者予測

 非常に悩みますが期待を込めてブレイディです。フィニッシュしたら最高なのですが…対戦カード的にはお互いムハンマドに負ける前にぶつかっていればもっと盛り上がったかもしれないですね。

予測/考察

 またまたAPEXのスモールケージでの試合。近い距離で有利なのはどちらか?年齢を気にしなければ柔術の実績で勝り、打撃も強力なバーンズはブレイディの上位互換に見えます。ブレイディがスキルで勝るのはスタンドの打撃でスイッチを織り交ぜられる所とテイクダウン能力でしょうか?また、若くフィジカルではバーンズに優る可能性があると見ています。個人的にはブレイディ、バーンズをテイクダウンしようと思えばできると思います。グラウンドでバーンズが付き合うのか立つのかでは前者を選びそう。もしくはグラウンドで運動量の多いブレイディ、ポジションを取ればバーンズを一方的に削るシーンも出てきそうな気がしています。一度劣勢になると厳しい印象があるバーンズ。ラウンドが進めば進むほどキツくなってくるのかも…一方で、ブレイディがバーンズに対してグラップリングとレスリングで劣ると考え打撃のプランで行くケースもあり得るかと。この場合、ブレイディの左手が優るか、バーンズの強打とそこからの打撃交換で勝利を手繰り寄せ意地を見せるのか見どころです。個人的にはブレイディが上位互換に見えるバーンズに真っ向勝負で戦いを挑み、自分の強みを押し付ける様な勝利をみたいですね。

終わりに

 本興行でメイン以外に気になるカードとしては、ライトヘビー級の一戦、OSPvsライアンスパンのなんとも言えない一戦です。塩試合になりそうな一方で意外にサブミッション勝利が多い二人の対戦。グラップリングの戦いになれば久々にOSPのヴァンフルーチョークが見れるかも…こっそり期待してしまいます。

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