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#76 Nassourdine Imavov vs. Brendan Allenのプレビュー ~イマボフ vs.アレン。メインイベントでも遜色のない、連勝中の20代コンテンダー同士の一戦。~

対戦カード概略

 UFC Fight Night: Moicano vs. Saint-Denisのコメインイベント。ミドル級のランカー対決です。地元フランスのナッソーディン・イマボフは上位ランカー。対するブレンダン・アレンは中堅ランカーではあるものの現在7連勝中。来月のUFC308でもミドル級ランカー対決が組まれているためその試合の勝者がタイトル挑戦となる可能性がありますが、お互いにまだ20代。今すぐとは言わないでもいずれ王座戦を見据える二人と言えます。

ランキング:イマボフ#4、アレン#8
オッズ  :イマボフ−205、アレン+170
参照   :

Nassourdine Imavovについて

スペック

年齢:28
身長:191
リーチ:191
スタンス:オーソドックス

戦績

14-4-0, 1 NC
勝利内訳
・KO:6
・一本:4
・判定:4
敗北内訳
・KO:0
・一本:1
・判定:3
直近戦績
Win - Cannonier
Win - Dolidze
No Contest - Curtis
ファイター印象
>ダゲスタンルーツながらもらしくない戦い方。ミドル級Verのシリル・ガーン的なスタイル。

SWOT分析

強み:スピードと運動能力、遠目の距離からパンチ、クリンチ打撃
弱み:後半のスタミナ、フィニッシュ力にやや疑問、ローキックへの対処
機会:ホームでの試合、5Rマッチはイマボフに有利か?、打撃技術で上回る
脅威:連勝中も内容はイマイチ、アレンのテイクダウンとグラップリング

コメント

 ロシア生まれのフランス人。ダゲスタンルーツだがストライカーよりの選手です。まだ20代ですがUFCのトップテンランカーに名を連ねる将来の王者候補とみて良い選手に思います。ここで勝てればいよいよ元王者クラスとの対戦が叶うか??
 スタイル的にはストライカー。遠目の距離からステップを交えての打撃、フェイントを交えてのカウンターが印象的。自らテイクダウンも狙え寝技もできるコンプリートファイターです。同じフランスのシリル・ガーンから蹴りを無くした感じ。ちょっと堀口っぽいスタイルのように個人的には感じています。最大の強みはミドル級でも大きいサイズとそのサイズにも関わらずスピードがある点。運動量も豊富です。TDからグラップリングという戦い方もでき、4つの一本勝ちを持ちます。印象的な勝利というのはちょっと思い浮かびませんが前回のキャノニア戦は素晴らしいカウンターのパンチでTKO勝利を上げました。若干ストップが早く疑問が残るフィニッシュだったもののあのまま続いていけばほぼ間違いなく仕留めていたのでは?と思います。
 スピードとスタンドでの捌きがうまい一方でプレッシャーでコントロールが効かなくなるとやや苦戦する様子。また、組みの展開も相手のフィジカルが勝る場合にやや疑問があります。TDDは優れるものの、一流とまでは言えません。寝かされるとやや漬けられる傾向があります。UFCでの一本負けはありませんがキャリアで見ると一度サブミッションでフィニッシュされています。スタミナ面は出力次第というところがあるものの後半疲れが見られます。この際ガードが下がり、かつ、運動量&スピードが下がった際に被弾が心配です。
 ホームに同い年のアレンを迎えての一戦。正直こちらがメインでも良かったくらいに思います。イマボフとしては相手より上位のランカーで地元戦。落とせないという以上に良い勝利を欲しているかもしれません。

Brendan Allenについて

スペック

年齢:28
身長:188
リーチ:191
スタンス:オーソドックス

戦績

24-5-0
勝利内訳
・KO:5
・一本:14
・判定:5
敗北内訳
・KO:2
・一本:1
・判定:2
直近戦績
Win - Curtis
Win - Craig
Win - Silva
ファイター印象
>オールラウンド。最近は打撃の印象強いが一本勝ちが多い。意外に激闘型。

SWOT分析

強み:オールラウンド、バックコントロール、テイクダウン、向上した打撃
弱み:打撃の被弾、テイクダウンディフェンス、ファイトIQ
機会:7連勝中の勢い、テイクダウンできる可能性がある?、寝技で有利と推測
脅威:相手のホーム、打撃で相手が優れる、フィニッシュが難しい相手、3Rマッチは相手が有利と推測

コメント

 優れたグラップリングに進化した打撃。どの局面でも戦えるオールラウンダー。まだ若く将来の王者候補の一角であると考えてもよい選手だと思います。今回はフランスまで出向いての一戦です。本来はメインイベント抜擢と思って対戦を受けたらしいですがその点が影響するか否か、、、
 UFCでの敗戦はカーティスとの一戦目(のちにリベンジに成功)と元王者のストリックランド。いずれも打撃戦で劣勢となりKO負け。最後の敗戦から明らかに打撃が向上しているように感じます。特に奥足の蹴りが強力な印象。柔術黒帯で14の一本勝利を挙げ、バックコントロールからのチョークが印象的。自らテイクダウンを仕掛け相手を寝かせることができます。直近のカーティス戦では純粋な打撃交換では相手に分があるものの、しっかり打撃戦をしてからのテイクダウンと寝技という、ザ・MMAで判定をもぎ取りました。TDDに非常に優れる相手に対してテイクダウンを仕掛けてそこで勝利を得るというのは評価に値すると思います。後半疲れが見られるものの最後まで戦い切る気持ちの強さを見せオールラウンダーではあるものの意外に激闘型の一面も見せます。
 攻めを重視しているのか若干打撃の被弾が気になります。また、寝技でも比較的リバーサルされるイメージがありちょっと安定感に欠ける面が見られるのかも。。。持っている武器は素晴らしいもののその組み合わせと戦い方には若干の疑問が湧きます。とはいえそれが結果的に激闘につながる点では見ていて面白いのですが。
 TDDに非常に優れる強いカウンターボクサーに競り勝った前戦。今回の相手もどちらかというとストライカー。TDDはおそらくカーティスよりも劣るのではないのでしょうか?上位ランカーを相手のホームで喰えば美味しいところ。気合いも入っているかもです。

試合内容について

勝者予測

 勝者予想はイマボフです。好条件が揃っているのがホームのイマボフに思います。若干塩打撃戦の末、判定勝利かなぁ。。。と思いますができればフィニッシュ勝利でインパクトを残して欲しいところ。アレンが最適解を選び続ければ勝利が見るかも。オッズもせってはいるもののイマボフ支持です。

予測/考察

 お互い全局面で戦えるものの、どちらかと言えば打撃で優れるのがイマボフ。寝技に優れるのがアレンでしょうか?一方的に打撃戦が展開されるのであれば非常に高い確率でイマボフが3Rの判定を手にするのではないかと思います。
 純粋なTDDの数字だけ見れば、アレンにとっては前回戦ったカーティスよりもTDD%が低いイマボフを寝かせることができそうな気もしますが、カティースとの対比ではかなりサイズのあるイマボフに遠目のダブルレッグで寝かせるというのはかなり難しいような気がします。特に長めの距離をコントロールする傾向にあるイマボフなら尚更。そうなるとケージ際で四つ組からバックを伺い寝かせるような組みを狙うのかもしれません。ここでイマボフとアレン、いずれのフィジカルが勝るか?とクリンチ打撃含めた組みの攻防が勝敗を分けるポイントになるかもです。
 お互いにクリンチ打撃が優れる二人ですが、個人的にはイマボフのフィジカル含めた対応が勝り、アレンにとっては厳しい展開になると思われます。被弾傾向のあるアレンに対して、もしかしたら後半ラウンドでイマボフの組みの離れ際のビックヒットが炸裂するかもです。また、自らTDする選択肢を取れるイマボフですので余裕があれば、比較的TDDに劣るアレンを寝かせることもあるのかもしれません。
 アレンが勝利を狙うとすればアタックの回数を増やしていかにイマボフを心身共に消耗させるか?そしてそこからいかにインパクトのある攻撃を仕掛けるかではないかと思います。お互いに疲れた場面であればアレンの気合いが相手を飲み込むかもです。

終わりに

 本興業のメインイベントは、こちらもホームのサンデニとモイカノのライト級の一戦です。前回ポワリエとの激戦の果て逆転KO負けを喫したサンデニの復帰戦は格下ではあるものの危険なファイターが相手。コメインが打撃の塩試合、メインでホームのサンデニが逆転KO負けするようなことがあればちょっときついかもしれませんね。他には期待のフランス人大型ファイター=ウマル・シーの試合なんかも楽しみです。

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