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プレビュー#1 Calvin Kattar vs. Giga Chikadze

MMAの観戦"眼力"を養うためにも、そして何よりも"より楽しむため"に事前準備は大切なことだと感じます。

と、いうわけで2022年は毎興行1試合は事前の選手調査と予測に取り組んでいきます。

基本的には、お互いの選手のスペック・戦績・スタイル・戦略比較とアンダードッグ(不利と予測される選手)の側から勝利への戦術を予測し楽しみたいと思います。

お目汚しでございますが、よかったらご覧ください。

総論:~33-year-old striker showdown~

この戦いは、UFCフェザー級、同い年のストライカーの対決となります。
ホロウェイに完封されて以来、1年ぶりの復帰戦を迎えるケイターと"ギガ・キック"を武器に連勝街道を突っ走るチカゼの対戦です。
チカゼが印象的な勝利を手にすればきっとタイトルマッチが見えてくるでしょう。
一方のケイターは負ければ2連敗、落とせない一戦です。
(きっとケイターファンの方々も心がざわつく対戦カードでは…)
この熱い戦いを年始一発目に持ってくるUFC、わかってますね…!!
ストライカー対決とはいえどまるでスタイルの違う二人。早速比較分析を進めていきたいと思います。

スペック分析:お互いデカいがチカゼがデカい

ケイター  vs  チカゼ
5  :ランキング:8
33歳:年 齢  :33歳
180:身 長  :183
183:リーチ  :188
オーソ:スタンス :オーソ

お互いにフェザー級の中ではかなり大きい選手ですね。。。
特にチカゼのリーチ188cmというのはフェザーでは最長ではないでしょうか?
もちろんケイターも大きいのですが並ぶとチカゼがかなり大きく見えそうな気がします。
お互いにスイッチしますがチカゼのほうが自由自在といった印象あります。

戦績比較:KO負けのないフィニッシャーの二人

ケイター  vs  チカゼ
22-5-0:戦績:14-2-0
<勝利>
11:K O:9 
2 :SUB:1
9 :判 定:4
<敗北>
0 :K O:0 
1 :SUB:1
4 :判 定:1
<直近戦績>
●DEC ホロウェイ  :〇KO バルボーザ
〇DEC イゲ     :〇KO スワンソン
〇KO  スティーブンス:〇KO シモンズ

ザ・ストライキングフィニッシャーといった戦績です。
KO負けのない二人ですが、どちらかが打撃で倒れる可能性があると思わされる内容です。
ケイターは前戦からちょうど1年ぶりの復帰戦です。ホロウェイに殴られまくったダメージは如何に。。。
ケイターは現在9連勝中。2回の敗北はMMAキャリア最初期とコンテンダーシリーズでの一本負けのみのようですね。
戦績から見てもケイター不利を感じてしまいます。

スタイル比較:お互いストライカー。だがしかし...

ケイター
概略:ストライカーです。ボクシングスタイル。
特徴:スロースターターだと思います。
打撃:プレッシャーをかけながらタイミングよくジャブ、ワンツーを突き刺します。撃ち合いに強く手数が多いです。ディフェンスはガードが高いですね。ローも結構蹴るようです。
組み:苦しい時にはクリンチを選択肢に持っているようです。過去の試合ではTDを取る展開も見せています。
寝技:かなり強めのパウンドを打ち込もうとします。
極め:こちらは今回の調査では不明です。
スタミナ:良いです。メンタルも強みだと思います。

チカゼ
概略:こちらもストライカーです。元キックの選手で空手スタイル。
特徴:とんでもない打撃の火力を持っています。
打撃:長い距離から蹴りを突き刺します。スイッチも頻繁ですね。特に左のキックが強烈。低いガードからの打撃が見にくそうです。
組み:自分から組むことはほぼ無いようです。TDDに不安がありましたが改善されている??
寝技:トップキープされて苦しんでいた試合がありましたが現在は??
極め:直近の試合ではアグレッシブに一本を狙っていました。
スタミナ:悪い印象はあります。

同じストライカーといえどスタイルは全くの別物です。
ケイターは完成度の高いボクシングスタイルで伸びる、美しい、そして破壊力抜群のストレートは惚れ惚れします。ボディ、アッパーと多彩なパンチ、ここぞで撃ち合うところ、インファイトでのエルボー。と、ファンが多いのも納得です。ただ、苦戦したイゲ戦、完封のホロウェイ戦でそのスタイルの限界が少しづつ見えつつあるのかも…?
チカゼは戦績を重ねるにつれてより洗練され、完成されたスタイルに近づいてきているように感じます。特徴的なスタイルがMMAにフィットしつつある様子。パンチラッシュはちょっと荒い感じには思います。もちろん"ギガ・キック"が印象的なんですけど、TDDの改善、一本勝を狙う動きなども印象的です。

戦略比較:シンプルvsバリエーション??

ケイター
最終的に近い距離で撃ち合うことを戦略にしているように感じます。
序盤はプレッシャーかけながら様子見。ジャブが刺さりだすとペースがつかめます。相手が手詰まりなるとよりそのボクシングテクニックが光ります。特に相手の攻撃が単調になり、タイミングが読めたところでの右ストレート、ワンツー、近い距離での撃ち合いが強烈です。
パンチの種類は豊富ですがスタイル自体はシンプルなこともありペースで上回られたり、バリエーション豊富な相手には苦戦しそうです。

チカゼ
打撃を散らし強烈な一撃、特に蹴り技、を食らわせることを戦略にしているように感じます。
サイズを生かした強いプレッシャーをかけます。スイッチも相手にしたら嫌な所でしょう。手数は少ないですがふとしたタイミングでラッシュを仕掛ける様子がうかがえます。打撃のバリエーションも豊富で出しどころが分かりにくいところが厄介です。
強烈な一撃が刺さらず、長い戦いになった際にどんな戦略を見せるのか?興味がわくところではあります。

戦術予測:~ケイター勝利への道~

オッズはケイター+190、チカゼー235
オッズが正しいという前提をもとに不利なケイターがどのように戦いを進めるのか?また戦うべきなのかを予測していきたいともいます。

SWOT分析
Strength(強み)
・ボクシングテクニック
・タフさ、撃たれ強さ&スタミナ
・撃ち合いの場面
Weakness(弱み)
・スロースターター
・バリエーションの少なさ
・被弾の傾向
Opportunity(機会)
・TDが有効な可能性
・5Rマッチ、スタミナの優位性
・キワの攻防、近い距離での撃ち合い
Threat(脅威)
・体格、リーチ差。特に蹴りの距離にて
・序盤の攻防
・タイミング、ペースをつかみにくい相手

上記分析から勝利への戦略・戦術を記載します。

戦略結論:後半勝負。3R取っての判定勝ち。もしくは後半Rに仕留める。

序盤、サイズ差もありジャブが刺さらずペースをつかめない可能性があると考えます。チカゼのプレッシャーを早々に受け始めたり、蹴られだすと厄介です。動いてペースを取られないようにすべきだと思います。
先にいい打撃を当てること、そしてそれ以上にいい打撃を受けないことが肝心だと思います。
どこで先にいい打撃を当てるか?それは近い距離の撃ち合いになった時だと思います。チカゼはパンチで前に出てくるタイミングがあるはず。と考えます。近い距離/打ち合いで迎撃できればそこにチャンスがあるのでは?ボディも組み合わせてパンチのバリエーションで有利に立ちたいところです。打ち合えばケイター有利と思います。
望ましくは早い段階でTDを意識させることはできないでしょうか?組み伏せることはできなくとも、組での消耗や、TDを意識させることができれば後半の展開が変わってくるのでは。そして今回のマッチアップでケイターが上回っている可能性が高いのがこの組の展開だと思います。

ここまで首尾よく進めば、勝利への光明が見えてくるのでは。

後半チカゼのスタミナが落ちてきたところでジャブを刺していきましょう。チカゼの動きが単調になってくれば伸びる右ストレート、電光石火のワンツーが突き刺さるチャンスが来るはずです。
TD、ボディなどで下を意識させていればアッパー・膝などの大技が決まるかもです。
動きの落ちてきたチカゼが不用意に飛び込んできた際、カウンターのヒジが炸裂すれば全ケイターファンの歓喜の雄叫びが聞こえてきそうです。

と、ここまでうまくいくかはわかりませんがこのような勝利への予測を立ててみました。

…正直なところ、スタンドでペースを掴みきれずチカゼを攻略できないと思ってます。
進化の過程にあるチカゼは冷静に戦うんじゃないでしょうか。
判定 チカゼが現実的だとは思います。

結果は試合後にレビューしてみたいと思います。

終わりに:本当はチカゼに興味津々

大昔に空手を習っていたこともあり、剛柔流空手出身のチカゼには興味津々です。レオンのコスプレ?も興味をそそります。何より進化をし続ける打撃のスペシャリストが完成されたMMAファイター近づいていく過程を、衝撃KOで連勝を伸ばし幻想を持ったままタイトル挑戦する姿を、そしてジョージア初のUFC王者誕生を、と夢があります。
ケイターにとっては連敗は避けたい中で明らかに相性の悪そうな勢いのある選手が相手と、UFCは無慈悲な修羅の国ですがそこが素晴らしい点であることは言うまでもありません。

二人の選手の熱い戦いを、2022年の始まりにふさわしいメインイベントを期待します。

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