プレビュー#12 Michael Chandler vs. Tony Ferguson
前回UFC273でバーンズvsチマエフのプレビューをしてからずいぶん時間がたってしましました。
やはり事前予測をしていないと観戦にあまり身が入らないですね。
今回はUFC274よりチャンドラーvsファーガソンの一戦をテーマに取り上げ事前予習をしてみました。
~総論~
この試合はライト級のベテランファイターの対戦となります。お互いに連敗中ですが人気のある選手ということもありダブルタイトルマッチの前に組まれた非常に注目度の高い対戦になっているように思います。
~スペック比較~
チャンドラー vs ファーガソン
国籍:アメリカ vs アメリカ
ランキング:#5 vs #7
年齢:36 vs 38
身長:173 vs 180
リーチ:182 vs 193
スタンス:オーソ vs オーソ
ファーガソンは身長もですが流石のリーチの長さです。
チャンドラーは身長が低いイメージが強いですがリーチはそこそこ長いように見えます。過去の対戦相手を見ても相手が大きいからと言って問題があるようには思えないです。
お互い30台の半ばを過ぎたベテランです。
~戦績比較~
チャンドラー vs ファーガソン
22-7-0 vs 25-6-0
<勝利>
KO 10 vs 12
SUB 7 vs 8
DEC 5 vs 5
<敗北>
KO 4 vs 1
SUB 0 vs 1
DEC 3 vs 4
<直近戦績>
チャンドラー
Loss DEC:Gaethje
Loss KO:Oliveira
Win KO: Hooker
ファーガソン
Loss DEC: Dariush
Loss DEC: Oliveira
Loss KO: Gaethje
戦績だけ見ると見たような数字でお互いにフィニッシャーです。直近負けが続いているところも似てますし、直近の対戦相手も似てます。
パンチの印象が非常に強いのでチャンドラーのSUB勝利が多いのが意外でした。
ファーガソンは一つのKO負けがありますがこれはゲイジー相手にドクターストップでした。基本的には耐久力がスゴイ非常にタフな選手であることが戦績からも伺えます。故にダメージが心配ではありますが。
~スタイルと戦略~
チャンドラー
バックグラウンドがレスリングのはずなのですが、自分が見た試合ではTDに積極的に行くシーンを見たことがありません。パンチの印象が非常に強いです。特に右のロングフックを強振していくのが非常に印象的です。
広いスタンス、低い構えで遠目からロー、そして飛び込んでパンチ。特にUFCに来てからは盛り上げることを意識してか、より殴りあうスタイルに傾いている気がします。
ファーガソン
ボクシング&柔術の選手でTDDがザルだが下から強い。また、殴られるがプレッシャーをかけて殴り返すというスタイルの印象です。蹴り技もうるさくロー、前蹴りが効果的です。あと、相手も自分ももれなく血みどろになります。
過去の試合で最も素晴らしかったのはvsRDA戦だったかと思います。激戦の印象が強い選手ですが、この試合が激戦にならずに相手を支配した試合だと思います。
以前は寝かされることが少なく、下になっても極めが強い(vsリー戦など)印象がでしたが直近の2戦はより優れるグラップラーに寝かされたのちに支配されるような展開が続いています。また、ゲイジーに殴られすぎて撃たれ弱くなっていないか心配な所ではあります。
~展開予測と勝利戦術~
オッズは
チャンドラー:-410
ファーガソン:+320
でかなり差があります。
個人的にオッズが開きすぎな気がしていますし、ファーガソンが勝利する可能性もあるかとおもっています。
よって、展開予測とファーガソン勝利のための戦術を検討してみたいと思います。
ファーガソンの劣化が非常に気になるところではありますが基本的にはパフォーマンスが劇的に落ちていないことを前提にしています。
ファーガソン SWOT分析
S:強み
・リーチの長さ
・タフさ(撃たれ強さとスタミナ)
・プレッシャー
W:弱み
・被弾の傾向
・TDD
O:機会
・サイズ、リーチの優位さ
・蹴り技が有効
・極めの怖さが小さい
T:脅威
・相手の強打
・相手のレスリング
チャンドラーがTDするのか打撃で来るのかで展開と結果が大きく変わる気がしています。対するファーガソンはおそらくスタンドでプレッシャーをかけてロー、前蹴り、ストレート系のパンチを出していくことに変わりないと思います。
これまでのUFCの試合を見る限り、チャンドラーが打撃で来る可能性のほうが高いと考えます。
この場合、ファーガソンが最も気を付けなければいけないのは飛び込んでの右のロングフックになるかと思います。オッズが最も支持しているプロップスはチャンドラーのKOですので、”撃たれ弱く劣化したファーガソンがKOされる展開”が予想されているようです。が、プレッシャーが強く、リーチの長いファーガソンが自分の距離を維持して戦えば早々被弾することは無いと自分は予測しています。そのためにも前蹴りを使いつつプレッシャーをかけて戦うことが必要だと思います。これまで通りのファーガソンであればRDAに対してできていたことがチャンドラー相手にはより良くできると思っています。
また、スタンスの広い低い構えの相手ですので、かなりローキックが有効になると思います。しっかり削ってほしいところですし、削れれば打撃の脅威が軽減されると思っています。また、パンチについてはアッパーが打てる選手ですのでチャンドラー相手にはフィニッシュにつながるかもしれない有効な攻撃になると考えます。ゲイジー戦でも被弾していましたし。
一番理想的な展開は、序盤削って、中盤でパンチを当てる。見えてないパンチでチャンドラーがダウンし、リカバリーでタックルに来たところをダースで一本。がベストかもしれません。
問題はチャンドラーがTDに来た場合ですが、正直その展開があまり想像できません。TDに来られるとまずファーガソンはディフェンスできずに下になるとは思います。たださすがに、ダリウシュやオリベイラ戦のように支配されて一本取れそうになる展開があるとは思えません。逆に削られてなければ、下からサブミッションのチャンスもあるかも…と思ったりしています。チャンドラーのスタミナが若干不明ですが、ガスっていればリー戦のような展開もあり得るかもしれないと予測します。
ここまでいろいろ考えてると逆にチャンドラーはどうやって勝つのかな?と思いだしています。こうゆう時ほどオッズ通りあっさりKOしちゃったりするもんなのですが…
~終わりに~
もしチャンドラーが再びタイトルを目指すのであれば絶対に落とせないでしょうし、ファーガソンとしてもここでの敗北は4連敗になり、年齢も考えると負け方によっては引退がちらついてしまいます。ファンは楽しみな一線になりますが実際には苛烈な生き残りを賭けた戦いです。
本興行では同じくライト級のタイトルマッチが組まれます。テーマにあげた二人の選手と対戦経験があるオリベイラとゲイジーの一線になります。こちらもアンダードッグのゲイジー勝利がまぁまぁありえるのでは…と思ったりしています。
ここまで見ていただけたのであれば大変ありがたく思います。
結果と振り返りは試合の後に…
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