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韓国ドラマに初めて沼入りした2024年!記憶に残った作品10選(ネタバレあり)

『愛の不時着』や『梨泰院クラス』など、メジャーどころは見たことがあったものの、それほど好きなジャンルではなかった韓国ドラマ。しかし、2024年は、毎晩、韓ドラを見ないと眠れないほどの沼入り。そこで、2024年に見た韓ドラの中で、とくに印象に残った10作品をリストアップしてみました。

\ネタバレたくさん含むので、ご注意ください/

① 涙の女王

・主演|キム・スヒョン、キム・ジウォン
・脚本|パク・ジウン
・制作|スタジオドラゴン


2024年を代表する韓国ドラマといえば、『涙の女王』なのではないでしょうか。SNSで著名人がコメントしているのを見て、気になって見始めたところ、思いのほか沼入りした本作。

メインの登場人物は、財閥令嬢のヘイン(キム・ジウォン)と、ソウル大出身の弁護士ヒョヌ(キム・スヒョン)で、冷え切った夫婦というところから物語は動き出します。脚本は『愛の不時着』でも知られるパク・ジウンで、結婚生活の破綻から再起していくストーリーに、とてもひきこまれました。

ストーリー以外で良かったのは、主役であるキム・スヒョンとキム・ジウォンの美しさと演技力。それに、映像美。主たる舞台は韓国ですが、ドイツを舞台にしたシーンもあり、「いつかロケ地に行ってみたい」と、思わせられる作品でした。一言でいうなら「美しい!」です。ただ、晩年のヒョヌのシーンは蛇足だったなと。老いないまま終えて良かったと思います。


② サイコだけど大丈夫

・主演|キム・スヒョン、ソ・イェジ、オ・ジョンセ
・脚本|チョ・ヨン
・制作|スタジオドラゴン


『涙の女王』で夫役を務めた俳優 キム・スヒョンの作品を、もう一本見てみようと考え、視聴し始めたのが本作『サイコだけど大丈夫』。タイトルから、2000年頃に流行った『猟奇的な彼女』のような話かなと想像していたのですが、もっと重厚な物語でした。

主役は、ムン・ガンテ(キム・スヒョン)とムン・サンテ(オ・ジョンセ)の兄弟。そして、童話作家のコ・ムニョン(ソ・イェジ)。自閉スペクトラム症の兄と、それを支える弟という2人の閉じた関係に、コ・ムニョンに関わることで、変化をもたらしていくといった内容です。

この作品で素晴らしいと思ったのは、ムン・サンテ役のオ・ジョンセの演技力。難しい役どころだと思いますが、実力を見せつける仕上がりでした。きょうだい児の苦悩を演じた、キム・スヒョンも良かったです。英題は『It's Okay to Not Be Okay』(大丈夫じゃなくても大丈夫)というそうですが、こちらのタイトルのほうが物語の核心を捉えていると思いますね。


③ 悪の華

・主演|イ・ジュンギ、ムン・チェウォン
・脚本|ユ・ジョンヒ
・制作|スタジオドラゴン

「スタジオドラゴンが制作したドラマは面白いぞ」と気づいたことから、スタジオドラゴンの作品をいくつか見ることに。サスペンスものを見てみようと考え『悪の華』をチョイスしてみました。サスペンスという意味では、本当にラスト近くまでハラハラする内容でしたね。

メインのキャラクターは、金属工芸家の主夫であるペク・ヒソン(イ・ジュンギ)と、女性刑事のチャ・ジウォン(ムン・チェウォン)。二人は仲の良い夫婦で一人娘もいますが、夫の過去を知る週刊誌の記者が工房を訪れるところから、平穏な日常が崩れはじめます。「ペク・ヒソン(夫)は犯罪者なのか、違うのか」「夫をどこまで信じられるのか」そんなストーリーです。

全体を通して暗いので、私の好みとは少し違うものの、韓国版サスペンスを堪能するという意味では、一見の価値はあるかもしれません。


④ 二十五、二十一

・主演|キム・テリ、ナム・ジュヒョク、ボナ
・脚本|クォン・ドウン
・制作|スタジオドラゴン

「まだまだ攻めるぜ、スタジオドラゴン」ということで、本作『二十五、二十一』に挑戦。スタジオドラゴンなら大外れはないだろうと見始めたところ、やはりとても沁みる話でした。韓国のIMF通貨危機から物語ははじまり、時代を追体験していくような構成になっています。通貨危機は実体験として経験はないものの、その後の9.11やコロナは私も経験したものであり、当時の様子を思い出しながら見ました。

主なキャラクターは、フェンシング選手のナ・ヒド(キム・テリ)、記者になるペク・イジン(ナム・ジュヒョク)、同じくフェンシング選手のコ・ユリム(ボナ)の3人。友情と恋愛が交差するような展開で目が離せません。とくに、キム・テリの演技は見事で、30代でよく制服の女子高生(18歳)を違和感なく演じられたな、と驚きました。少しガニ股な歩き方や、落ち着きのない挙動、荒っぽい話し方など、細部に神が宿る演技で素晴らしいです。

ラストは消化不良でしたが、タイトルが『二十五、二十一』であることに納得する終わり方でした。10話のラストで、41歳になったヒドが語るセリフがいいですね。「永遠なんてない。全ては一瞬で終わって、消えていくものよ。でも、それも悪くないわ」と。実際、初恋なんてほぼ実らないし、そんなものなのかもしれませんね。


⑤ スタートアップ: 夢の扉

・主演|ペ・スジ、ナム・ジュヒョク、キム・ソンホ
・脚本|パク・ヘリョン
・制作|スタジオドラゴン

『二十五、二十一』のナム・ジュヒョクが、あまりに報われなかったので、「きっと、この作品はハッピーエンドだろう!」という気持ちで見始めた、お口直しドラマが『スタートアップ: 夢の扉』。これは、間違いなくサクセスストーリーです。若き起業家たちがスタートアップを立ち上げ、大きく成長させていく話で、終わり方も清々しく気持ちが良かったです。

メインキャラは、祖母と明るく生きるソ・ダルミ(ペ・スジ)。天才プログラマーだが起業はうまくいっていないナム・ドサン(ナム・ジュヒョク)、敏腕VCのハン・ジピョン(キム・ソンホ)。ありがちな三角関係ではあるものの、作りが凝っていて面白いです。

もっとも惹きこまれたのは、ナム・ジュヒョクの演技。まったく冴えない技術だけの起業家(プログラマー)から、メキメキと頭角を現し始めるのですが、変わっていく様子の表現がとても上手で、見入ってしまいました。自信なさげな場面や、泣き崩れる場面、自信がついてパワーアップする場面、どれも良かったな。

全16話ですが、各回にスタートアップの成長と絡むタイトルがついているところも秀逸です。2024年に見た韓国ドラマの中では、本作が一番好きかもしれません。サウンドトラックも2曲ほど買ってしまいました。


⑥ わかっていても

・主演|ハン・ソヒ、ソン・ガン
・脚本|チョン・ウォン
・制作|ビヨンドジェイ スタジオN JTBCスタジオ

2024年に日本でもリメイクされた本作。リメイクされるというニュースを見て、原作の韓国版が気になりだして見てみました。韓国の美術大学を舞台とした青春群像劇のような、違うような…。日本の作品だと『ハチミツとクローバー』が近いかもしれないですね。

主要キャラは、ユ・ナビ(ハン・ソヒ)とパク・ジェオン(ソン・ガン)。この二人の醸す独特の間や雰囲気が、とても美しかったです。美しさでいうと、『涙の女王』を超えるかもしれない、とさえ。

パク・ジェオンは、蝶(韓国語でナビという)にこだわりを持つ美大生。首の後ろにも蝶のタトゥーを入れていて、どこか謎めいた雰囲気がとても良く、ナビはそんなジェオンに惹き込まれていくというストーリーです。

日本のリメイク版は冒頭だけ少し見たのですが、韓国版には遠く及ばないと感じたので、いまだに完走できずです。横浜流星さんは好きな役者さんですが、やはり大学生同士のキャンパスライフという点が、原作の魅力の一つであり、そこが失われたのは残念でした。そして、鎌倉という使い古された場所が舞台なのも安易。多摩などでもよかったのでは。(日本版は見ていないのに辛口)。


⑦ マイネーム: 偽りと復讐

・主演|ハン・ソヒ、パク・ヒスン、アン・ボヒョン
・脚本|キム・バダ
・制作|STUDIO SANTA CLAUS エンターテインメント


『わかっていても』で、どこかダルそうでふわっとした女子大生を好演したハン・ソヒが、アクションに挑戦しているという記事を読んで、興味を持った『マイネーム: 偽りと復讐』。『わかっていても』のナビとはうってかわって、キレキレのアクションをこなす復讐の鬼のような役まわりで、「すごいな、ハン・ソヒ」と感心した作品です。

メインキャラクターは、復讐に闘志を燃やすユン・ジウ/オ・ヘジン(ハン・ソヒ)と、それを支えているようでそうでもなかった麻薬組織のボス、チェ・ムジン(パク・ヒスン)。ユン・ジウの救いになりそうで、なれなかった刑事役のチョン・ピルト(アン・ボヒョン)の3人。父親を殺害した犯人を追うなかで、意外な真実にたどり着くといった内容です。

何とも言えない終わり方なのですが、韓国ドラマは必ずしもハッピーエンドとも限らないところがイイですね。最後までハラハラしながら見て、「あぁ、ここで終わってしまうのか…」という感じで、見ごたえはありました。


⑧ シスターズ

・主演|キム・ゴウン、ナム・ジヒョン、パク・ジフ
・脚本|チョン・ソギョン
・制作| スタジオドラゴン

再びスタジオドラゴン作品ですが、『シスターズ』もサスペンス系でしょうか。脚本家は『若草物語』から着想を得たそうですが、『若草物語』感はほとんど感じず、三姉妹がトラブルに巻き込まれて、解決に向かっていくというストーリーでした。

軸となる三姉妹のキャラクターを紹介すると、長女オ・インジュ(キム・ゴウン)は、妹たちを守ろうとする堅実なタイプで建設会社の経理担当。次女オ・インギョン(ナム・ジヒョン)は、気骨のある記者だがアルコールに弱い人。三女オ・イネ(パク・ジフ)は、絵画の卓越した才能の持ち主で、姉たちに頼りたくないと考えている人物。この三姉妹に富豪一家などが絡んでくるという話です。

「貧しい三姉妹」の「貧しい」がキーワードのようですが、長女も次女も定職についているし、三女は才能に恵まれているという観点で、「貧しい」を連想しづらく、そこそこ恵まれて暮らしている三姉妹という印象を持ちました。そう感じるのは、日本が貧しくなりすぎているからかもしれないとも。


⑨ 皇后の品格

・主演|チャン・ナラ、シン・ソンロク、イ・エリヤ、チェ・ジニョク
・脚本|キム・スノク
・制作|SBS, SM Life Design Group


現代も続く架空の韓国王朝という設定の『皇后の品格』。時代劇はあまり見ないのですが、現代版という点に少し惹かれて見始めたところ、けっこう面白かったです。現代の宮廷を舞台にしたドロドロ愛憎劇、というか復讐劇でもあるといった内容です。

メインキャラクターは、冴えないミュージカル女優のサニー(チャン・ナラ)、現存する大韓帝国皇帝のイ・ヒョク(シン・ソンロク)、秘書のユラ(イ・エリヤ)、ウビン(チェ・ジニョク)の4人ほど。一部腐敗した韓国王朝の闇を暴いていくといった内容です。「2018 SBS演技大賞」でチャン・ナラ、チェ・ジニョク、シン・ソンロク3人が最優秀演技賞を受賞するなど、演技が高い評価を得ているようです。

ストーリーに関しては、「ウビンの扱いはこれでいいのか!?」と思うなどしましたが、王朝の終焉を描いたということでは、これでいいのかもしれません。スッキリしないところもありましたが、その喉元に何かが残る感じも、キム・スノクの脚本ならではという気もしますね。


⑩ ペントハウス

・主演|イ・ジア、キム・ソヨン、ユジン、オム・ギジュン
・脚本|キム・スノク
・制作|SBS

オオトリを飾るのは、シーズン3まである超大作『ペントハウス』。『皇后の品格』と同様に、キム・スノクが脚本を担当しています。冒頭のシーンからして衝撃ですし、どの登場人物もどこか狂気を秘めていて、安心して見ることができないというか…。ハラハラドキドキが止まらない作品でした。

死んだと思った人が生きていたり、生き返るだろうと思っていても生き返らなかったり。最後まで読めないストーリーで、中だるみもせず、3シーズン最後まで完走できたのは、本作が初めてかもしれません。

メインキャラクターは多すぎて挙げきれないのですが、シム・スリョン(イ・ジア)、チョン・ソジン(キム・ソヨン)、オ・ユニ(ユジン)、ジュ・ダンテ(オム・ギジュン)の4人。それに、芸術学校に通い、声楽家やピアニストを目指す子どもたちといった構成です。100階建ての超豪華タワマン「ヘラパレス」が主な舞台で豪華絢爛。とてもお金のかけられた作品だと感じました。

ストーリーも圧巻で、子どもたちの出自が絡んできたりと、目が離せません。子ども役に、ジュ・ソクフン(キム・ヨンデ)とジュ・ソッギョン(ハン・ジヒョン)が登場するのですが、この二人は本当に名コンビで、作品に良い味つけをしていると思いました。間違いなくオオトリです!


以上となります。最後までお読みいただき、ありがとうございました。2025年もたぶん、同じような韓ドラ10選を書くと思いますので、よろしくお願いいたします。




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