世良公則 KNOCK KNOCK 2024 with宇崎竜童 in川越
11/30のライブ、控え目に言って最高だった。
前半は世良公則単独。
ステージにはドラムセットもキーボードもなく、ギターが3本ずつ左右に並んでいるだけ。そう、最初から最後まで生ギターだけのライブだった。なのでホールでありながら、ライブハウスにいるような感覚。
出てきた瞬間からたたずまいがまぁかっこいい。
MCは観客におもねるのでもなく居丈高になるのでもなく、あの雰囲気は自分の立ち位置や居場所をしっかりと自覚している者にしか醸し出せない。わしらが10代の頃に「ザ・ベストテン」でよく観ていた世良の爽快感はそのままに、重厚感を足したよう。若い頃とは違うかっこよさがある。
そしてボーカルの圧倒的存在感。男性ボーカリストの中では、玉置浩二と双璧ではなかろうか。
ソロ時代の曲やツイスト時代の曲もよかったが、わしが感動したのはサッチモの2曲。
「On the Sunny Side of the Street」「What a wonderful world」
朝ドラで歌って人気を博したらしいが(わしは朝ドラを観てないので知らんかった)、誰もが聞いたことがあると思われるこの曲をギター1本で歌い上げる。特に「What a wonderful world」は、おそらくこれまでに何百回も聞いたであろうがその中で最上位に位置する出来栄え。
後半は宇崎竜童とのジョイント。
出てきてすぐに「世良くんとのライブはラクなんだけどさぁ・・・」と語り始め、「でもやりにくいんだよね、この迫力あるボーカルのあとだと・・・」と笑いを取る。
ダウンタウンブギウギバンド時代の佳曲「サクセス」と「沖縄ベイブルース」は、世良が絡むと違った味わい。
そして3曲目がこのライブの中で最も刺さった「横浜ホンキートンクブルース」
もともと名曲で、原田芳雄や松田優作が歌ったのが有名。この夜の世良と竜童も「名演奏」と言っていい。わしは感涙をこらえながらスタンディングオベーション。周りは誰も立ってないのだが・・・。いやぁ沁みた。
この曲を歌い終えると竜童は「仕事をしてるって感じがしないね」と一言。
「セッションってこういうのを言うんだろうね」「世良くんとのセッションでもあるし、お客さんとのセッションでもあるし」「今日はお客さんが俺たちをノセてくれてる」とノリノリのトーク。
「身も心も」「イミテーションゴールド」などおなじみの曲もこの二人のダブルボーカルだと聞きごたえがある。
アンコールの「生きてるうちが花なんだぜ」と「燃えろいい女」はやや一般受けを狙った感もあり、まぁこんなもんかな。
世良は竜童に対して一貫して敬語を使い、竜童の側も世良への感謝を随所に込める。お互いにリスペクトしている感じが観ている側にも伝わって心地よい。
このジョイントライブは年数回・各地で行なっているようで、来年4月には大手町での開催も決まっているとMCでアナウンスがあった。竜童はよほど今回のライブがお気に召したのか、「川越と東京なんてすぐだから、このまんま大手町に来てほしい」とリップサービスも含めてコメントしてた。
ホントにいい夜でした。一晩明けても一抹の余韻。