免疫学9 体液性免疫~T細胞の分化~
みなさんこんにちは、狐です。
今日はナイーブT細胞からの分化について詳しめにやりました。
では図をどうぞ
よければ動画もご覧ください。
ではまとめです。
【ナイーブT細胞の初期分化】
まずナイーブT細胞はまだ抗原提示を受けていないT細胞のことでした。
そのナイーブT細胞ってのは大きくわけてCD4陽性ナイーブT細胞と、CD8陽性ナイーブT細胞にわけることができます。
CD4陽性をCD4+とか、CD8陽性をCD8+とか書くこともあります。
CD4とかCD8ってのはT細胞の細胞表面上に発現している分子のことです。
前回出てきたCD40とかCD80/CD86とかの共刺激分子と似たような物です。
このCD4とかCD8ってのはどっちも発現していない時期、どっちも発現してる時期、どっちかのみ発現してる時期の3つに大きくわけることができます。
それぞれダブルネガティブ(DN)、ダブルポジティブ(DP)、シングルポジティブ(SP)とかいうグレードに分けられてるってことですね。
このDNはさらに細かくDN1~DN4の4つのステージに分けられます。
つまりこの時期はCD4もCD8もどっちも発現してません。
代わりにc-KitとかCD25が発現してたりしてなかったりしてます。
その発現の有無の組み合わせで4つのステージにわけられます。
今はCD4とかCD8が発現してない時期としてない時期やどっちかのみの時期があるんだ、どっちも発現してない時は別のやつらが発現してたりしてなかったりして色々やってるんだ、使えるやつ使えないやつの残酷な選別が行われてるんだ、最終的にはCD4かCD8のどっちかが発現してるナイーブができるんだ、ぐらいわかっていれば大丈夫です。
【ナイーブT細胞からエフェクターT細胞へ】
CD4+ナイーブは主にTh1、2、17などのヘルパーT細胞か、Tregとも言われる抑制性T細胞に分化していきます。他にも分化する道はあるんですが、この4つで十分だと思います。ちなみにTh1のHはヘルパーのHです。なのでThなんとかってのはいわゆるヘルパーT細胞のことです。
CD8+ナイーブT細胞は全てキラーT細胞に分化します。つまり細胞性免疫でまた登場します。
今は体液性免疫の話をしているので、CD4+ナイーブT細胞の話を進めます。
CD4ナイーブT細胞は前回話したみたいに、抗原提示の刺激・共刺激分子による共刺激・DCやMφが分泌するサイトカインという3つの刺激によってエフェクターT細胞に分化しました。
どのエフェクターT細胞になるかはサイトカインのバランスによりますという話も以前しましたが、このサイトカインはMφや樹状細胞が分泌しています。
このIL-4に関しては、最初にどこから分泌されるのかよくわかってないです。Th2は自分でIL-4を分泌するので、一旦Th2に分化したらあとは連鎖反応的にTh2への分化がゴリゴリ進むんですが、最初の呼び水となるIl-4をだれが出してるか、まだいまいちわかってないみたいです。
ここでそれぞれのエフェクターの役割を大雑把にイメージだけ持っておいてほしいんですが、Th1は細胞性免疫に関わるヘルパーT細胞です。Th2は体液性免疫にかかわるヘルパーT細胞ですね。Th17は免疫を進めることに関与するアクセル役、Tregは抑制性T細胞の一種であることからもわかる通り、免疫を止めることに関与するブレーキ役です。
Th1とTh2はお互いに抑制的に働きます。
ここらへんの話もそのうちやります。