免疫学5 体液性免疫〜抗原提示細胞〜
みなさんこんにちは、狐です。
今日は抗原提示細胞についてお話しました。
動画も良ければご覧ください
https://youtu.be/qpHXuh09hZk
図をどうぞ
ではまとめです。
【免疫反応が起こるところ】
前の免疫の動画でも話しましたが、とりあえず細菌などが入ってきた場合は自然免疫が発動します。この自然免疫では対処しきれない!ってなったら、獲得免疫が登場します。
獲得免疫っていうのは、それぞれの細菌やウイルスに特化した免疫のことです。
ここでは細菌が侵入してきたときの獲得免疫は体液性免疫という言い方をしますが、これは教科書によって細菌が侵入してきたときは細胞性免疫だと言ってる教科書もあります。
どっちが正しいとかではなく「抗体に結合できる抗原が侵入してきたら体液性免疫が発動する」という言い方が一番正しいです。
ただ今はまだ抗体とか抗原とか、そういう言葉のイメージがまだピンと来てないと思うので、今はあえて細菌が侵入してきたとき、という言い方をしています。
まずは免疫反応が起こるところについて見ていきましょう。
まず免疫細胞にはB細胞やT細胞がありました。
これらは未熟な細胞がそれぞれB細胞とかT細胞に分化、つまり成熟していきますが、その成熟する場所は「骨髄」と「胸腺」です。
B細胞やT細胞を合わせてリンパ球と言いましたが、これらリンパ球は「リンパ節」や「脾臓」で働きます。
さて、骨髄や胸腺みたいに、リンパ球が作られるところを「一次リンパ器官」、リンパ節や脾臓みたいにリンパ球が働くところを「二次リンパ器官」と言います。
ちなみに、骨髄では「B細胞」が作られて、胸腺では「T細胞」が作られます。
B細胞のBはBorn marrowのBで、T細胞のTはThymusのTっていうのは有名な話です。
ただB細胞のBはBornのBではありません、実は。ただ覚えやすいのでBornのBでいいと思います。
細菌やウイルスが侵入してきて、自然免疫じゃ無理ってなったら、こういうB細胞とかT細胞にヘルプを出しますが、助けてーって言う人たちについて次は確認していきましょう。
【抗原提示細胞:APC】
助けてってヘルプを出す人たちのことをひっくるめて抗原提示細胞(APC)と言います。
この抗原提示細胞は食細胞とよく似たラインナップです。
食細胞は好中球やマクロファージ、樹状細胞などを指します。
対して抗原提示細胞はマクロファージや樹状細胞、B細胞などを指します。
特に樹状細胞は抗原提示能力に特化した細胞です。
樹状細胞が細菌やウイルスを食べる、つまり「貪食」して取り込んで「分解」します。すると細菌やウイルスの分解された一部(動画内ではとんがりコーンの部分)を細胞表面上にあるMHC分子という分子の上に出して、「抗原提示」の準備が完了します。
MHC分子に関しては後で少し触れます。
今まではB細胞を食細胞とは扱っていませんでしたが、小さいものは食べることができます。
ただ食細胞ほど強い食作用を持っていないので、B細胞の表面上にあるBCRという受容体に「結合」したものは取り込むことができます。ただしこれを貪食とは言わないので、そこは気を付けてください。
BCRも後で少し触れます。
BCRに結合して取り込んだ細菌やウイルスを「分解」して、その一部を、樹状細胞と同様にMHC分子の上に出して「抗原提示」の準備が完了します。
【BCR・MHC】
B細胞の上にあるBCRという受容体は日本語では「B細胞抗原認識抗体」、「B細胞レセプター」、B Cell Receptorを略して「BCR」などと言います。
これが発射されると抗体と名前が変わりますが、それは次回の話で詳しくします。
MHC分子には2種類あり、B細胞や樹状細胞やマクロファージなどの抗原提示細胞には「クラスⅡ分子」が発現してます。
クラスⅠ分子は赤血球などを除いた、核がある細胞は全部持っています。そのためB細胞や樹状細胞もMHCクラスⅠ分子を持ちます。
ちなみに「MHC」は日本語では「主要組織適合遺伝子複合体」と言い、自己を証明する目印としての役割を持ちます。つまり、身分証明書のような役割を持っています。
MHCに関しても折を見て詳しくやります。
はい、ということで今日の授業は以上です。
今日もお疲れ様でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。