【日記】ディズニーシーのトラウマ
僕は外でお酒を飲むのが好きだ。
実家に帰った際は倉庫からアウトドアチェアを引っ張り出して昼過ぎから庭や畑に座って缶ビールを飲んでいる。
それはディズニーシーに行ったとしても変わらない。
そして、ディズニーシーで飲むお酒は最高だ。
これは、数年前の話だが、ディズニーシーには『タートルトーク』というウミガメのクラッシュと会話することができるシアタータイプのアトラクションがある。1回の収容人数は250名ほどで、選ばれた人はクラッシュに質問したり出来るのだ。
僕はそもそも酔っぱらっていた事もあり、アトラクションの意味をあまり理解していなかった。
僕の参加した回の250名はほとんどが高校生や小さなお子さんを連れた方だった。
まず最初にクラッシュがウミガメの挨拶の仕方をレクチャーする。
クラッシュが「最高だぜ!」というとお客さんはみんなで「うおーう!」と言いながら両手を上に挙げるのだ。
僕はその説明も何を言っているのかわからなかった。
というか、あまり聞いていなかった。
クラッシュ
「最高だぜ!」
お客さん
「うおーう!」
僕の周りは全員両手を高く挙げた。
すると、クラッシュが口を開けたまま止まった。
なんかこっち見てる。
気のせいかもしれないけど、ずっとこっち見てる。
きっとモナリザの様にどの角度から見てもこっち見てる様に見える仕組みなんだと自分に言い聞かせたが、絶対にこっち見てる。
クラッシュ
「真ん中の2段目の2列目の通路側の黒い甲羅(Tシャツ)の大人。」
皆がクスクス笑いながらこっち見てる。
周りを見渡したが、どうやら僕である。
やっぱりクラッシュはこっちを見ていたのである。
クラッシュ
「名前は何ていうんだい?」
僕
「ニシノです。」
クラッシュ
「そうかニシノ!ところで、なんで皆と一緒に挨拶しないんだ?」
補足:クラッシュが「ニシノ」というだけでここでは笑いが起こる。
僕
「すみません、、、」
クラッシュ
「どうした?恥ずかしいのか?」
僕
「少し、、、」
クラッシュ
「しょうがないなニシノ!皆で一緒にニシノの挨拶の練習をしよう!最高だぜ!」
最悪である。
皆
「うおーう!」
クラッシュ
「ニシノ?どうした?なぜやらない?」
僕
「すみません、タイミングが、、」
クラッシュ
「タイミングは今しかないだろ!一回ニシノ1人で練習しようか!最高だぜ!」
最悪である。
僕
「ぅぉ-ぅ」
クラッシュ
「ニシノ?声小さくないか?体調悪いのか?」
僕
「いえ、元気です」
クラッシュ
「じゃあ、もう一回ニシノ1人でやってみよう!最高だぜ!」
僕
「ぅおーう」
クラッシュ
「お、おう。まぁ、いいや!じゃあ、改めて皆!ニシノを混ぜてやってくれ!お前たち最高だぜ!」
皆と僕
「うおーう!」
クラッシュ
「ニシノ!やればできるじゃないか!すごいぞ!皆、ニシノに拍手を送ろうぜ!」
その後、何名かのお子さんがクラッシュに質問するも合間合間のウミガメ挨拶の度に「ニシノ!気を抜かずにちゃんと最後までついて来いよ!」などいじられ続け、アトラクションが終わった後も暗転した通路で同じ回の方々から「あれがニシノだ」とクスクス笑い声が聞こえてきたり、心はジェットコースターに乗った様な気分でした。
変な汗をかいたせいかその後に飲んだビールがこの日一番美味しかった。
タートルトーク後のビールおすすめです。
幼い頃からわりといじられキャラではあったがウミガメにいじられる日が来るとは思わなかった。
今度はファストパスで『タートルトーク』に行ってみようかな。
成長したニシノを見せに。