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【二次創作学術書】魚竜分類の再考と解説【モンスターハンター】

(CAPCOM社「 著作物に関するQ&A」及び note社「二次創作活動における著作権について」を踏まえた上で製作した二次創作作品です。問題があった場合には公開を停止する場合があります)

(前書きの前書き)
 モンスターハンターシリーズ(初代~MH:W)の魚竜種について、架空の学術書っぽく書いた短編二次創作文です
公式資料「ハンター大全」に記載の生態樹形図による分類を、実際のお魚の分類をベースに妄想で作り直しています。妄想なので明らかな矛盾や飛躍があっても許してね(テヘペロ)
お魚や分類に詳しくない一般人だと多分訳ワカランけど、詳しい人が読むと鼻で笑っちゃう、そんな中途半端な感じです
国語力無いし専門家でもないど素人の落書きなので見苦しい部分があっても仕方ないねせやね。人は自分の能力を上回る文章は書けない(確信)

じゃあ以下本文


はじめに
  近年,生物学の研究は急速な発展を遂げつつある.その中でも我々の生活に時として大きな影響をもたらす事のある「古龍種」や「飛竜種」に代表される大型陸生モンスターの研究は特に盛んであるといえるであろう.一方,本論で取り上げる「魚竜種」と呼ばれる一群についての研究は残念ながら進んでいるとは言い難いのが現状である.
 大型モンスターの研究では,生息地において狩猟生活を生業とする狩人達による観察と経験則が資料として大きな価値を持つ事を否定する者はいないだろう.ところが,多くをフィールド上で過ごす狩人達をもってしても,陸上で過ごす僅かな時間を除いて終生のほとんどを水中,あるいは地中,時として溶岩内で過ごす「魚竜種」の観察は至難であると共に,陸生モンスターよりも狩猟優先度が低く扱われがちであることが研究の停滞を招いている.
 しかしながら,研究対象としての「魚竜種」の重要性は決して他の大型モンスターに劣るものではないと筆者は考える.“水竜”ガノトトスによる漁業従事者や沿岸地域への被害をはじめ,“砂竜”ガレオスによる行商路への影響とそれに伴う経済損失など対策が急がれる課題を抱える一方で,一部の地域で行われる装飾品及び食用として利用は新たな産業と食糧事情改善への可能性を秘めており,彼らの研究は我々人類にとって大いに役立つものとなりえるだろう.
 今回,彼ら「魚竜種」と呼ばれる一群について,既存の生物分類が有する問題点を整理し,魚竜分類の再編を行った.魚竜への理解を深める上で本論が完全なものであるとは言い難いが,魚竜研究発展の一助になれば幸いである.

概論
 魚竜という一群について,一言にこれを定義することは難しい.「魚竜」という言葉は広く一般に使われているが,日常において用いられる場合,多くは厳密な分類に基づいたものではなく漠然とした慣習あるいは抽象的な範囲を対象としたものだろう.
 魚竜の厳密な定義を論じるにあたり,“生態樹形図”は欠く事の出来ない資料である.初代王立古生物書士隊筆頭書士のジョン・アーサー氏が編纂した本樹形図は,あらゆる既知の生物群を緻密な研究によって系統別に分類した,現代の生物分類学の礎といえるものである.この“生態樹形図”をもとにするのであれば,魚竜とは即ち本樹形図において魚竜目として記載される一群を指すといえる.
 しかしながら,研究が進むにつれ本樹形図にもいくつかの問題点が目立ちつつある.生態樹形図で記載されている最上位の分類階級は上目であり,種の一つ上に位置する階級は科となっているが,次々と新種の生物が発見されるなか,これら既存の分類階級だけでは,多様な生態,形態的特徴を持つ生物たちを正しく分類するには階層が不足していると云わざるを得ない.生態樹形図では上科,亜目,上目といったやや中間的な階級の分類を多用していたり,古魚亜目と有脚魚竜亜目のように形態的に大きな隔たりがあると思われる分類群同士を,比較的下位の分類階級である亜目レベルで区切っていることなど,階層の不足による影響と思われる記載が目立っている.
 そこで本論では生態樹形図のもつ問題点を解消すべく,最新の研究をもとに検討を重ね,分類階級の追加をはじめとする大幅な再編を行った.この新たに提唱する分類体系では,旧来魚竜目とされた一群を形態的特徴からより上位の分類階級で区分すべきと考え,発達した後脚の有無により今回提唱する上位分類である「有脚魚竜綱」と「魚竜綱」に振り分け,下位分類群についても追加と統廃合を含めた修正を加えた.
 また,旧来,海竜目底足竜亜目とされた一群のうち,チャナ科からなる灯魚竜下目については生態的,形態的特徴から魚竜類として扱う事が妥当と考え,底足魚竜目として魚竜綱の下位分類に加えた.
 従って本論に於いて「魚竜」とは,「有脚魚竜綱」及び「魚竜綱」として新たに提唱する二つの綱からなる分類群とし,以下に解説することとする.
 なお,これは先人達の研究や“生態樹形図”の学術的価値と功績を否定するものでない.それどころか,今回の研究においてもこれらの資料は非常に大きな役割を果たしており,最大限の敬意と称賛に値すべきものであることをここに明記する.

1.有脚魚竜綱
 本綱は,後述する魚竜綱,或いはその共通の祖から分化したと考えられる単系統群である.特徴としては背鰭,胸鰭,臀鰭,尾鰭と,翼或いは腕状に発達した腕鰭,腹鰭から発達したとされ骨盤によって支持される強靭な後脚を持つ.棲息範囲は水中,地中,溶岩内など多岐に渡る.一部の科を除き外見上の鰓蓋を有するが鰓は退化傾向にあり,肺呼吸及び皮膚呼吸を行っているとされる.有脚条鰭目,有脚肉鰭目の2目からなる.

1-1.有脚条鰭目
 各鰭の鰭条は発達した棘条で現生種では刺毒を有する.腕鰭は滑空に適した形状に発達している.ガルトト科,水竜科,砂竜科の3科を内包する.

(1).ガルトト科
 水竜科及び砂竜科共通の祖先と推察される絶滅種ガルトト1種によって構成される科.本種の原記載に用いられた断片的な標本化石は現在所在不明になっており,新たな標本も発見されていないため,近年では存在に懐疑的な意見も多く,本科の分類学的扱いには検討の余地がある.
(2).水竜科
 旧分類において水竜上科とされた一群.水生であるが短時間であれば陸上行動も可能である.三基の背鰭と一対の胸鰭,腕鰭,後脚,一基の臀鰭と尾鰭を持つ.腕鰭は著しく発達し,骨格によって支持され関節を有する飛竜類の翼に類似した構造となっており,滑空飛翔を可能としている.体表を強固なガノイン鱗で覆っており,代表種名ガノトトスの由来となっている.魚竜の代名詞であるガノトトスを含むガノトトス属1属からなる.
(3).砂竜科
 旧分類において砂竜上科とされた一群.地中生.二基の背鰭と,一対の腕鰭,後脚,一基の臀鰭と尾鰭を持ち,胸鰭は完全に退化している.鰓蓋は認められない.腕鰭は滑空に適した形状に発達しているが,水竜科と異なり,骨格を有するのは基部のみであり,大部分は発達した鰭条によって支持される.鱗は円鱗.ガレオス属1属からなる.

1-2.有脚肉鰭目
 背鰭,胸鰭,臀鰭,尾鰭,腕鰭,後脚の他,本目特有の背対鰭を持つ.尾鰭を除く各鰭に骨格を有する筋肉質の柄を持ち,各鰭に0~2本の棘条を有する他は軟条.腕鰭は櫂状で滑空能力を有しない.脊柱の発達程度は低く軟骨状で,肋骨を欠く.体表を覆う鱗は円鱗状の強固なコズミン鱗であり,脊柱および肋骨の役割を補っている.

(1).ヴォルガノス科
 旧分類において溶岩竜上科とされた科.近年,泥湿地帯に生息する新種ジュラトドスが発見されたため,本科の生態に則した表現とはいえなくなった溶岩竜という呼称を用いず,本科の代表種名からヴォルガノス科とした.生息環境の異なるヴォルガノス属,ジュラトドス属,ブラントドス属の3属からなる.


2.魚竜綱
 硬骨魚類から分化したと考えられる一群.慣習上魚類として扱われているハレツアロワナ類などを含み,広義の魚類に含む考えもある.通常の現生魚類は3対以内の対鰭を持つが,本綱においては4対以上の対鰭を持つ種も珍しくない.また対鰭基部の皮下には複雑に発達した骨格を有しており,腰帯を有する.これらの特徴は後に有脚魚竜綱の持つ腕鰭や背対鰭,後脚へと発達したと考えられる.

2-1.底足魚竜目
 生態樹系図に於いて海竜目底足竜亜目とされた一群.水生であるが短時間の陸上行動も確認されている.対鰭から発達したと考えられる四肢に類する器官を持つが発達程度は低く,鰭から脚への進化の途上とも言える形態を有している.各種竜族や大型爬虫類に近い形態的特徴を有している海竜類に対し,魚類に近い形態的特徴を有する本群は明らかに系統を異としており,魚竜類として検討し魚竜綱を構成する一目とする事が妥当と考えられる.

(1)灯魚竜科
 捕食及び自衛に用いられる発光器を有する.鱗を有しない.興奮時に露出する背棘と,麻痺性の刺毒を有する尾棘を持つ.発達した皮弁による攻撃擬態を行うチャナ属が知られている.

2-2.古魚目
 原始的な魚竜類とされ,外見上は一般的な魚類に似た一群であるが,現世魚類の有する胸鰭及び腹鰭とは異なる構造の対鰭を複数対備える.これらの対鰭は旧来の学説では退化した腕鰭や後脚の痕跡とされてきたが,本目が比較的古い系統の一群であると考えられる以上,この説とは逆に,この対鰭群が腕鰭や後脚といった器官へ分岐発達していったとするのが妥当と考えられる.
(1)古蛇科
 エンシェントサーペント属一属からなる.胸鰭,腹鰭を欠く一方,体側背部に筋肉質の柄によって支持される複数対の対鰭を持つ.頭部は甲殻に覆われ,原始的な甲冑魚類との関連が示唆される.現在確認されているのは複数の骨格標本のみであるが,これらの標本の中には古い年代の地層から発見された化石のみならず,未だ化石化していない比較的新しい骨格が発見されている事や,近世においても本科と思われる巨大な海洋生物にまつわる伝承が残されている事から,現生している可能性は否定出来ない.
(2)古魚科
 ミンギョ属をはじめとする小型魚竜の一群.外見上は一般的な魚類や後述する熱核条鰭目に似た形態を持つが,骨格上の特徴からエンシェントサーペントとの関連を伺わせており,近縁の科として扱った.

2-3.陸魚目
 主に砂漠地帯の砂中に生息する小型の魚竜類.外見上は一般的な魚類に酷似しているが,前述のように地下生で生息環境に豊富な水は必要としないなど,生態的にはガレオス属魚竜種に酷似した特徴を有しており,魚類とは異なる性質を持つ.
(1)陸魚科
 デルクス属からなる科.一基の背鰭,尾鰭と一対の胸鰭を有する.ガレオス属と同様の生態的ニッチを占めるとともに,古龍種として知られるジエンモーランとの偏利共生が確認されている.

2-4.熱核条鰭目
 広義の魚類として扱われる一群.外見上は一般的な魚類と区別する事は難しいが,鰓呼吸に加え補助的な肺呼吸を行い,体内に可燃性の成分を生成するなど通常の魚類には見られない性質を有している.
(1)熱魚科
 ハレツアロワナ類に代表される一群.一対の胸鰭と,それぞれ連続した背鰭,尾鰭,尻鰭を持つ.鱗は円鱗であり,衝撃によって破裂する可燃性の物質を含む.身体に対して水平方向の衝撃を加えることで破裂反応に指向性を持たせた場合,頭蓋内にある漏斗状の空隙によって破裂による衝撃が増幅され,大型動物の強固な皮膚や甲殻に対して極めて高い穿孔力を発揮する.この性質により狩人が使用するボウガンの弾として重宝されている.
(2)核魚科
 デメキン属からなる科.一対の胸鰭と一基の背鰭,裂叉した尾鰭を持つ.鱗は爆発性を持つ円鱗.衝撃を受けると腹腔内において急速な化学反応が起こり,爆発性の鱗を撒き散らして破裂する.ハレツアロワナ類と同じくボウガンの弾として利用される.

3.その他検討を必要とする生物群
 現分類において別の一群とされるもののうち,今後の研究によっては魚竜類に含まれる可能性がある生物種.暫定的に他分類群として扱われているが生態的,形態的に魚竜類との関係が疑われるものにあって,本著執筆時に検討が済んでいないものを以下に記す
3-1.ガライーバ類
 現在は魚類として扱われる大型の水生生物.本種群の分類については,王立書誌隊による文献に於いても一時「魚竜種」と記載され,その後「魚類」と訂正されるなど混乱がみられる.一見,魚類に極めて近い形態をしており,これを魚類として扱う事に大きな矛盾は見い出だせないものの,小さいながら筋肉質の基部によって支持される胸鰭及び腹鰭は皮下に強固な支持骨と腰帯を有する可能性を示しており,最終的な判断は骨格標本を確認し魚竜類との比較,検討を行う必要がある.
3-2.アンドンウオ
 魚類として扱われる小型の生物.発達した胸鰭及び腹鰭を用いた陸上での行動が可能で,魚竜類に多く見られる半水生ともいえる生態を持ち,誘引突起による攻撃擬態を行うなど,小さいながら底足魚竜目に属する灯魚竜科魚竜等に極めてよく似た体構造と生態を有しており,底足魚竜目を構成する一科として検討する余地があると考えられる.



後記
 本論執筆時において確認されている魚竜類,及び関連すると思われる生物群のうち,現地における観察と,標本及び文献の確認を行う機会を得た物については前章迄に概ね網羅した解説を行った.しかしながら,今後,未開地の探索が進めば新たな魚竜種の発見が予想される事は当然であるし,研究の進展に伴い既知種の分類変更や隠蔽種の発見などもあり得るだろう.
 今後もそれら最新の知見も反映した研究と発表を行ないたいところであるが,残念ながら個人でそうした新たな発見の全てを拾い上げ,まとめ上げる事は不可能といえる.従って,魚竜研究の発展には他の多くの人々の力が必要不可欠である事を改めて書き記し,次代の研究者達への期待として結びとする.もうぼく疲れた,おわり.




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(後書きの後書き)

はい、一応終わりです。
想像以上に書くの難しいですねこれ。それぞれの「これがこうだからこれはこの仲間」っていうのを少ない情報から考え出さないといけない事に苦戦しました。

 内容について、見ての通りお魚をベースにしてます
例えば、「魚竜という一群について,一言にこれを定義することは難しい(略)多くは慣習あるいは抽象的な範囲を対象としたもので(略)従って魚竜とは二つの綱からなる分類群どうたら」みたいなくだりですが、「魚とは何か説明しろ」と言われたらやはりこんな感じの導入からになると思います。「魚類とはごく一般的に使われている言葉であるが、その定義を正確に説明するのは難しい。分類学上、板鰓類となんちゃら類となんとか等々を含んだグループで~円口類は慣習上は魚として扱われる場合がある一方、分類上厳密には魚類ではないとするのが~」
みたいな。
 有脚肉鰭目の説明もほぼお魚のシーラカンスが含まれる肉鰭(亜)綱の説明そのままアレンジしてますね。
お魚で「綱」かそれに近い位置の分類になる「条鰭類(一般的なお魚)」や「肉鰭類(シーラカンスや肺魚)」(分け方に諸説アリ)などを元ネタにして「有脚条鰭目」や「有脚肉鰭目」などといった架空の分類を作っていますが「目」になっている理由としては、これらを「綱」くらいにしちゃうと下位分類がスッカスカになってしまって小項目で書く事が無くなってしまうんですよね。ハンター大全で上位の分類を作らない理由が判った気がします。
 それと、ハレツアロワナ系と大型魚竜って明らかに別物じゃないですか、これ。ハレツアロワナは魚類なの!と強弁してもよかったのですが、公式が魚竜って言ってるんだから最大限汲みたい、と頑張った結果です。でも普通の魚とどう違うのか?という説明に苦慮したのでかなり雑な、煙に巻いた説明になってしまいました。眠魚とかなんやねんこれ。
 考えられる進化の順番的に「魚竜綱」のほうを「有脚魚竜綱」より先に説明すべきな気もしますが、ほぼでっち上げな説明文になる上に華もないので、この順番にしています。

 一応祖先は共通の単系統って事にしましたが、骨格的に「有脚魚竜は飛竜側から派生したもので魚っぽくなってるのは収斂進化の結果!2つの魚竜類は多系統群!」ってしてもよかった気がします。いくらなんでも魚からいきなりあんな足生えないだろ、普通。メタ的に整合性を突き詰めるのは無理があるのでぼくは諦めた…。

 不完全燃焼の部分を挙げ出すとキリがないのでこの辺にしときますね。
異論、反論は是非論文形式でお願いします!!

魚竜分類の再考と解説(note版)
文責,絵,問合せ:noteID:きつね(not)@kitune2s

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