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2023年2月の新連載が凄かったので振り返る

月に100冊以上漫画を読むといっている僕ですが、雑誌やweb・アプリなど連載の最新話を追っかけてたりもします。せっかくなのでざっくりと一ヶ月ごとくらいで記録していこうというのが今回のこちらの記事です。
相方に「漫画の新連載とか読切のツイート毎回面白そうだけど追うの大変だから毎月まとめてくれない?」と言われたのが大きな理由です。たしかに、まとめたほうがいいよねって思いました。
だいたい2月くらい(ざっくり前後含む)の新連載と読切を掲載開始順で振り返っていこうかと思います。
と、思ったのですが、挙げ出したら新連載だけでそこそこ多かったので読切はまた別の記事で。

2023年2月の新連載11選!

1.『男のいない女たち』櫻井稔文

「小説幻冬」で連載開始

このスリリングで魅惑的な女たちは何者なのか……見慣れたはずの日常が恐怖と笑いに変わる。鬼才・櫻井稔文が容赦なく描く「おんなの劇場」。

幻冬舎plus

衝撃でした!
まじやべーっす!望月峯太郎『座敷女』好きな人は絶対好き!
恐怖の激ヤバ女たちを扱った話で怖くて笑えて最高に面白いです!

「マンバ」という漫画のクチコミサイトにもたまに感想書いてるのでそっちも貼っておきます。


2.『ダイヤモンドの功罪』平井大橋

「ヤングジャンプ」で連載開始

運動の才に恵まれた綾瀬川次郎は何をしても孤高の存在。自分のせいで負ける人がいる、自分のせいで夢をあきらめる人がいる。その孤独に悩む中、”楽しい”がモットーの弱小・少年野球チーム「バンビーズ」を見つける。みんなで楽しく、野球ライフを謳歌する綾瀬川だったが…。一人の天才と仲間を描く野球青春劇。

ヤンジャン!

野球漫画ではあるんですけど、めちゃくちゃに才能の話で胸がじりじりと焼かれて、もう本当に心がざわつきまくり! もうやめてーって嫌な気分になりながら楽しい! 『タコピ―の原罪』読み始めたときみたいなダークな気分に浸れてこの先どうなっちゃうの!?とワクワクできます! 野球漫画めちゃくちゃ好きってわけでもない僕でも追っかけちゃう面白さ!
才能を巡る話って結局面白いんですよね。
本人が望んだわけでもないのに得てしまった運動の天賦の才。
本来、その才能を活かすも活かさないも本人次第なわけですが、強烈な才能を見てしまうと人はあるべきところへ導きたくなるみたいです。
本人の意思を無視して、その行動によって他の子がどうなろうとも…。

平井大橋先生の過去の読切が、共通の人物と同じ世界観で描かれているので、気になる方はそちらもどうぞ。連載版が、この未来へ進む可能性があると思うだけでもゾクゾクします。

読切『可視光線』

読切『サインミス』

読切『ゴーストバッター』

読切『ゴーストライト』


3.『動物人間』岡田卓也

「ヤングアニマル」で集中連載開始

事故で車が横転してしまった人間の父娘は、気絶している間に見知らぬ屋敷に保護される。そこでしゃべる豚や鹿に出会った父娘は、屋敷の人々が着ぐるみを付けて自分たちをからかっているのだと思い込む。しかし“自慢の農場”を見せられた2人は、自分たちがとんでもない場所にやって来てしまったことを理解する。
人間のように洋服を着て、二足歩行をしてしゃべる動物たちを描く“ファーム・スリラー”作品。

コミックナタリー

いやー、ちょっとまたエグいの始まりましたね!
岡田卓也先生はこれまでワニ男爵愛しのアニマリアなど、二足歩行の動物たちを可愛らしくコミカルに、ときに不気味に描いてきましたが、今回はガッツリ怖いです。
もう何が怖いってタイトルから怖い。
ダークな側面のある話は読切『ぼくらの王様』や『トントロ~逆襲の脂身~』などありましたね。
いままでの連載すらフリだったのかとすら思えるスリラーでした。
2話目も強烈でした。
ネタバレが難しすぎて内容に触れられないのももどかしいですね。
きっと単行本の発売のタイミングで1話無料公開するとは思うので、単行本派の方はそのときでもぜひご覧ください。

読切『ぼくらの王様』


4.『スルーロマンス』冬野梅子

「コミックDAYS」で連載開始

すみませーん、本当の愛ってなんですか? 永遠の愛なんてもちろんないですよね? え、あるんですか? ……元・売れない役者の待宵マリとフードコーディネーター菅野翠、ともに32歳。同時期に恋に破れたふたりが、そんなふうに諦め半分に愛を求めつつ、始めるのは女ふたり暮らし。

コミックDAYS

前作まじめな会社員では、アラサー女性の何者かになりたくてなれないもどかしさ、ツラさ、そうじゃない人としての雑な扱い、憧れ、コロナ禍突入で切れる縁と仲間の円に入れていない孤独、実家の事情に流され、地獄を選ぶ覚悟などなどの思考がぐるぐる渦巻いていて、少しでも共感できたらボディブローを食らっていくタイプの等身大でいい意味で地味に強烈で没入感の高い作品でした。
そして今作『スルーロマンス』では、32歳で元高校の同級生の元・売れない役者のマリと、フードコーディネーターの翠の二人が主人公で視点が切り替わっていきます。
現時点で、自分の中で作品の良さを言語化するのがまだ難しいんですが、やっぱり全く違う人生を歩んできた32歳の女性ふたり暮らしの対比しつつ二人ともあまり上手くいっていないっていう小さい絶望ですかね。
生まれ持った美しさ・明るさ・ノリの良さでこれまでやってこれちゃったマリと、堅実に実績を積み上げて技能を磨いてきたけど何かと消極的な翠。見かたによっては上手くいってる人生と言えるかもしれませんが、それぞれが抱えるコンプレックスや生きる世界での成功例に対する自分という比較でまた落ち込んだり嫉妬したり。でも全く違う二人だからこそ正直に話せることがあるという関係性が良いです。
前作が思考ダダ漏れで考えを全部トレースしながら読んでいく妙な没入感が味わえるのに対して、今作がもう一歩進んだ形なのか俯瞰のナレーション入りながらでテンポよく読みやすく早速ドラマ化に向いてそうだと思いました。
そして冬野梅子っぽさといえば、その状況や関係を表す「図」ですがしっかり健在でした!これは嬉しい!


5.『The JOJOLands』荒木飛呂彦

「ウルトラジャンプ」で連載開始

物語の舞台は、太平洋に浮かぶ火山の島、ハワイ。
オアフ島に暮らす少年ジョディオ・ジョースターは、「大富豪になる」という野望を胸に秘めていた。それは島での暮らしの中、彼が日々向き合わざるを得ない"この世の仕組み(メカニズム)"、その頂点に立つため!? そして、そのための手段に彼が選ぶのは…光と影が織りなす島々で予測不能の物語が幕を開ける――!!

ウルトラジャンプ

楽しみにしていたジョジョ第9部です。
クライム・サスペンス能力バトルになっていきそうな感じなので、イタリアが舞台だった第5部と重ねて読んでも面白そう。
もう、ジョジョはジョジョなので僕の中では楽しみにするしかないです。


6.『極東キメラティカ』板橋大祐

「となりのヤングジャンプ」で連載開始

人間以外の生物を取り込み成長を繰り返す「キメラ」。それを狩ることを生業とする「狩人」であるユーリは何にも縛られることのない生活を送っていたが、ヒト形のキメラと遭遇したことでその身に“謎”を宿すこととなり――。 槍を駆使する狩人達が魅せる、超獣ハンティングアクション――!

となりのヤングジャンプ

いやー、これはもう最高!最高でした!テンション上がりまくり!
読切『一番槍の狩人もめちゃくちゃ良かったので、命懸けでの「キメラ」の狩りと、オフの穏やかな時間の流れる生活の動と静で魅せる話かなと思っていたら、連載版第1話後半でゴリっと話を引っ張る要素入れてきて2話目が楽しみすぎることになってます!連載となると軸が必要なんだなって分かりやすく思わされました。
絵もキレイだし、アクションもかっこいいし、生活描写も良いし、超楽しみな新連載。


7.『RoOT/ルートオブオッドタクシー』原作:此元和津也/P.I.C.S./作画:肋家竹一

「スペリオールダルパナ」で連載開始(「マンガワン」にも掲載)

あの「オッドタクシー」が再始動! 実写ドラマ化決定! 此元和津也脚本による完全オリジナルストーリーをコミカライズ! タクシー運転手・小戸川宏を巡り、様々な人物が織りなす物語は、新しい姿を見せる!

小学館

『セトウツミ』の作者でもある此元和津也先生が脚本に入ったアニメ『オッドタクシー』が昨年話題になって僕も見てましたが、コミカライズ版も渋くていいんですよね。アニメでは描かれなかった細かい描写が入っていたり。
『RoOT/ルートオブオッドタクシー』1話読んだ段階ではその続編というか、スピンオフというか全く違う視点で『オッドタクシー』のストーリーと同じ時間をなぞりつつこちらの話の本筋も同時に進行していくような感じなるのかな?と、思ってます。
今作の主人公は、探偵事務所の新人・佐藤と、先輩の玲奈のバディもの。でありつつ、時折『オッドタクシー』との関連を見せていくんですが、そのための仕掛けとしての佐藤の設定が絶妙に上手いです。そしてずるい!そんなの絶対読みたくなるじゃん!ていう。
ていうか!実写化がすでに決定しているんですね?すごい!


8.『石神戦記』古日向いろは

「webアクション」で連載開始

島国・日倭津国の北東部、瑞穂領。領主の弟・宇迦乃イサザは、兄である領主・サクの婚礼の日、御伽噺の中で伝えられていたはずの「石の民」の女と出会い、ある契約を迫られて…!? 古日向いろはが描く戦記浪漫、開幕!

webアクション

古日向いろは先生はこれまで『バガタウェイ』というスポーツものは描いていても、読切はほっと心暖まる寄道銭湯自販機など描いてたので壮大な戦記ものを描くのは想像つかなくて驚きました。
大きく話が動き出す第1話とはいえ、まだまだどうなっていくか分からないので楽しみにしています。
異類婚姻譚であり、おねショタいいですね。


9.『冥冥冥色聖域』夕歩

「月刊アフタヌーン」で連載開始

街の喧騒の中にひっそりと佇むメイドリフレ「彗星蟲(コメットバグ)」。新人メイドのペロは、初めての指名客をお迎えしようとしていた。だがご主人様は、心に深い傷を抱えているようでーー。深夜営業のメイドリフレでほのかに光る、切なくてあたたかい恋模様。

アフタヌーン

そもそも「メイドリフレ」を知らなかったんですが、メイド服とかコスプレしたセラピスト・マッサージ師が行うリフレクソロジーのことらしいです。
そんな世界があったんですね!行ってみたい!
そこで働く新人メイドのペロちゃんがけなげに頑張る話で、不器用そうで真面目な目と汗と照れた笑顔が細部まで可愛くてずっと見てたくなります。
傷ついたお客さんが癒やされるのと一緒に読んでる自分も癒やされたような気分になれるのはとってもいいですね。


10.『地獄のアシタ』ゆうち巳くみ

「月刊アフタヌーン」で連載開始

恋のためなら猪突猛進の高校生・アシタは失恋のショックで階段から転落。
目覚めるとそこは美しい鬼の腕の中、あの世へと向かう舟の上だった。
美女・ガシャに優しく慰められて、たっぷりと地獄を案内されたアシタは完全にハートを射抜かれる。
え、このまま地獄に残っちゃう? 後世も恋に全身全力の流血必至ファンタジー、開幕!

アフタヌーン

友達として大好き』の、ゆうち巳くみ先生の新連載。
前作でもそうだったけど、爆裂に突き進む感じだったり有無を言わせぬ説得力がある人物を描かせたら面白いですよね!
第1話で物語としてスタートを切るところまできたので、2話からどう話が転がっていくのか楽しみです。


11.『スーパースターを唄って。』薄場圭

「月刊!スピリッツ」で連載開始

「やらんかなぁ俺は、ラップ。」「歌いたいことなんか、ないもん。 ・・・伝えたいことも」 主人公・大路雪人。17歳、売人。大阪の路上、絶望的な環境で、感情を殺しながら生きる日々。幼い頃に、シャブ中の母親と最愛の姉を亡くし、天涯孤独となった主人公だが、唯一信じてくれる親友がいて・・・ 仕事先の上司に殴られ、流血しながら売人を続けてく中で、彼の心に宿るものとは? どうしようもない環境を抜け出すことができるのか・・・!?
音楽に救いを求める人々を描く、極限の人間ドラマ。

月刊!スピリッツ

かなりハードでズシンと重いスタートでいいですね。
これまでもハードめな設定の読切も発表していて、月刊!スピリッツが多いのかな。ジャンプ+でも出してる読切『僕とお父さんについては無料で読めます。
僕はHIPHOPとラップの違いも分からないくらいの素人ですが、そのジャンルでは人生乗せられたやつの方が強いという印象が勝手にあります。
この主人公が音に乗せて自分の感情や体験をぶちこんで叩きつけてドラマを見せてくれるのかなと思うと今から楽しみです。


といった感じで11作品のざっくり紹介でした。
ちょっと2月、豊作すぎない?
来月も書けたら書きます!

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