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【エンジェル・シティ】(80・米)現代の農奴 もう一つの”怒りの葡萄”である
貧乏人に泣いている余裕はない。
豚も牛も鶏も土地も全部売るのだ。
父よ母よゴメン。
いつかこの土地を買い戻す。
墓は触るなと誓約書に書いておいた。
農業ひとすじに生きてきた男ジャード。
ウェスト・バージニアから職を求めてフロリダに存在する”エンジェル・シティ”へ。
16歳の長女、14歳の長男、身重の妻、一家全員での労働となる。
ところが、”エンジェル・シティ”とは似ても似つかぬ恐るべき強制労働キャンプであった。
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働けど得られる賃金は極わずか。雇用主に騙され課される借金が加算されていくシステム。
かろうじて生きられる程度の残飯と住居。
時には殺人も行われる過酷な虐待。
何度か脱走を試みるが、現場監督からの罰を怖れる仲間の助けは期待できない。
一度堕ちたら抜け出すことなど不可能な「農奴システム」だ。
歌を歌う事も禁止。
富裕層にとって何の得にもならないからだ。
そんなことに使うカロリーが残っているなら少しでも金儲けに使え。
当たり前の事だ。無駄な事をして何の得がある?そんなことしか思いつかないから金が設けられない。
自由だ?
くだらんことを考える暇があったた働くべきだ。
それが一番自由への近道。
ここにいる限り、何か食わなくてはならない。
息をして心臓が動き、体中のミトコンドリアが何かに働きかける限り、雇用主から課される借金の方が膨れ上がるだけだ・・
「農奴」と「奴隷」とは違い、 農奴はその土地と一緒に取引きされるのだが、農業を指せ作物を奪うのが目的のため、その家族も一緒である。
奴隷は動物と同じ扱いであり、人間として扱われないため、子供も奪われ売買の対象となる。農奴には幾分、人としての権利があったため、後の民主化のきっかけとなった
何かに似ている気がする。
娘がハーレムに連れ込まれた時、ジャードの怒りが限界に達した。
やっとの思いで警察に通報できたが、妻でさえ報復を恐れ 娘は存在しないと証言。
”エンジェル・シティ”の住民は自由も、子供も奪われ、何もかも奪われ刃向かう気力など残っていないのだ。
事業者は知っていた。歌が皆の連携を保ち希望を与える不思議な力を持つことを。
頼れる味方が誰も居ない。皆が力を合わせれば何とかなりそうなものだが、誰も協力する気などさらさら無い。
ここから、ジャードの本当の闘いがはじまった。
まさに、もう一つの”怒りの葡萄”である。
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社会的な抗議行動と労働力の搾取を描いた力作。
誘拐や恐喝が労働者を強制するために使われる労働収容所、エンジェルシティに閉じ込められた移民労働者の困難を描いています。
パトリシア・スミスの小説から改作。
ポール・ウィンフィールド、ジェニファー・ジェイソン・リー、
ラルフ・ウェイトと共演。