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シリアとアサド政権

シリアとアサド政権について、以下に説明します。

1. 背景と成立

シリア・アラブ共和国は、中東に位置する国で、1946年にフランスから独立しました。その後、軍事クーデターが頻発する不安定な政治状況が続きました。

アサド政権の誕生
アサド政権は、1970年にハフェズ・アル=アサド(Hafez al-Assad)がクーデターにより政権を掌握したことで始まりました。ハフェズは、バアス党(アラブ社会主義バアス党)を基盤とし、シリアの政治体制を強権的かつ一党独裁的に運営しました。彼は2000年に死去し、その後、息子のバッシャール・アル=アサド(Bashar al-Assad)が大統領に就任しました。

2. アサド政権の特徴

権威主義的統治
アサド政権は、以下の特徴を持つ権威主義的体制を敷いています:
• バアス党の支配:バアス党は国の政治を独占しており、他の政党活動を厳しく制限。
• 秘密警察の活用:情報機関(Mukhabarat)を通じて、反体制派を弾圧。
• アラウィ派の支配:アサド家が属する少数派宗派アラウィ派を基盤にしており、政府や軍の中枢に多くのアラウィ派を配置。

経済政策
アサド政権は国有化を基軸とした社会主義政策を掲げていましたが、2000年代以降、経済改革を進めて市場経済の導入を試みました。しかし、貧富の格差が広がり、不満が増大しました。

3. シリア内戦とアサド政権

2011年の「アラブの春」の影響で、シリア国内でも民主化要求のデモが発生しましたが、これをアサド政権は武力で弾圧しました。この弾圧がきっかけで、シリア内戦が勃発しました。

内戦の経緯
• 反体制派と政権軍:民主化を求める反体制派とアサド政権の間で激しい戦闘が繰り広げられました。
• 外国勢力の介入:
• ロシアとイラン:アサド政権を支援。
• アメリカや湾岸諸国:反体制派を支援。
• ISIL(イスラム国):内戦に乗じて台頭。

人道危機
内戦は12年以上続き、数十万人が死亡、数百万人が難民となりました。また、化学兵器の使用や病院・学校への攻撃が国際的に非難されています。

4. 現在の状況

アサド政権は実質崩壊をしましたが、今後の建て直しについて各国の協力が必要な状況です。

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