【短編】オリンピック・デー
わぁぁっと上がった歓声、鳴り止まぬ拍手と注目を浴びている嬉しそうな表情を思う。
本来ならば、きっと多くの人があのスタジアムに詰めかけて、大歓声の中走り・飛び・打ちと様々な活躍をした選手たちがいたのだろう。
そしてそのスタジアムへ、どの競技でもいいから一つくらいは見に行けたら良いねと話した日が記憶に新しい。我が国での開催が決まった年に、ちょうど子供が生まれたのもタイミングが良いねと。大きくなった頃に見に行けば、何かしら良い経験になると思ったのだけれど。
けれどそれは国際的な流行病によって邪魔され、延期され、結局はテレビ越しの観戦と相成った。
まあ、ソレ以前に、スポーツ観戦や運動をさせようとしても上手くできない子なよで、現地にはいけなかっただろうけれど。様々な事情が重なって、過去に思い描いた未来は実現されずに10年後を迎えてしまった。思い描いた未来が来ないことなんてザラにあって、むしろそのものを迎えられる人のほうが少ないだろうとは思うけれど。まさかこんなふうになるなんて思わないでしょう。
それでも世界は少しずつ変わり、成長し、いい意味でも悪い意味でもかつてあった状態に戻ろうとする。
オリンピックは、今年も開催されるし、その時はきっと普通に観客が入り、選手たちは喝采を浴びて、精いっぱいプレイされるのだろう。そして輝くような笑顔であったり悔しさをにじませた表情を、我々は目にするに違いない。
願わくば、みんなが、この世界最大の大会を、楽しめますように。
別に、流行り病じゃなくたって、我が家みたいな事情で見に行けなくたって、それ以外にも大会が行われるうえで、邪魔になりそうな、主催者にとって頭が痛い問題はたくさんあるんだろう。
それでも。
家で一生懸命応援するわが子のためにというのは少し個人的な願いだけれど。
みんなが悔いなく楽しめる、そんな大会になりますように。
本日は「オリンピック・デー」だそうです。日本記念日協会様より。
2010年でしたでしょうか(違っていたらスミマセン)誘致が決まり、開催が決定し、楽しみにしていたのを思い出して書きました。実際にはこの目で直接見ることは叶わず、色々と制限のかかった中でしたが、それでも開催された事は良かったなと思いました。そのために頑張ってきた方々の想いが少しでも報われたなら、と。
コロナ、まだまだ猛威を奮っていますね。けれど日常は流れてゆく。5類に分類されたからといってウイルスが変わるわけではないですし、少しでも感染せぬようにと日々気をつける毎日です。
オリンピックは楽しみですが、ウイルスとのお付き合い、難しいですねぇ……。
小説を書く力になります、ありがとうございます!トイ達を気に入ってくださると嬉しいです✨