【短編小説】ロゴマークの日

「マッキ、アディドス、ナイク、……へーこれもロゴマーク?」
「そうだよ、ちっさいこ抱っこしてるおかーさんだからイメージしやすいでしょ」
「解りやすく図案化したもの、だっけか」
「そう。このマーク持った人が妊婦さんって解りやすいけど、リアルすぎてグロいのは一般に受け入れられないだろうし、こんなかんじの可愛い絵柄になったんじゃないかな。あくまで私のイメージだけど」
「うん、いや、確かに、たまに断面図っていうか、妊婦さんを横向きにして半分に切った感じの、お腹に赤ちゃんがいる絵をみるけど、アレちょっと怖いんだよね」
「でしょ」
「色んなのあるねぇ…、こっちは……んん、たぶん、読み方こう?だよね?」
「ああ、うん、たぶんそう」
「なんかさ、たまに、絵柄化すること優先しすぎて、読みにくくなってるのある」
「あるある、ラーメンの麺を文字っぽくさせたいのかなーとか、イメージは伝わるけど、でも店名が正しく認識されないと駄目じゃないかなとかね」
「それそれ」
「まぁ、そんな訳で、そういう可愛くとか一般受けしそうとか、わかりにくくなってないかとかに気を付けつつ、新しいロゴマークを考えないといけません。ハイ、見てないで自分たちのを考えるよ」
「無茶いうなよー、デザイナーさんとかに頼もうよー」
「頼むの自体はアリだけど、でも大まかな希望位は考えなきゃいけないでしょ。ふわっとでも考えてるものを伝えないと、まったくイメージと違う!ってなっちゃったらやり直しになるし、折角考えてくれた相手さんにも失礼だよ」
「うう…ハイ…。でもさ、私らのイメージって何?」
「うーん……空飛んで荷物運ぶ訳だし、鳥とか?」
「ゆうても中身の私らロボットだよ?ふつうにロボットにしたらよくない?」
「いや、こんなごっついロボットをマークに入れたら引かれるでしょうよ」
「実際初めてのお客さん引いてるもんね」
「いいの!リピート率100%なんだから!雨の日も風の日も嵐の日もお届け可能!しかも完全防水、完璧です!って売り文句なんだし、この位の装備は必要最低限でしょ!」
「私らのイメージを正しく伝えるのに可愛くは無理があるとおもう……」
「なんとか考えよ?」
「んー、じゃあさ、運ぶのがロボット云々じゃなくて、荷物を包む感じにしたらいいんじゃ?完璧にお荷物を守り通してお運びします、なんだし」
「おお!それいい!ナイスアイデア!よし、デザイナーさん探したらそれでお願いしよう」
「そうしよう、私らの外見には特に注視しないようにお願いして、仕事内容だけにしよう。ありだよねそれも」
「もち」
「んじゃ、そゆことで。午後の配送いってきまーす」
「ほーい、豪雨と暴風だけど気をつけてねー」
 パカっと開いた腹部に依頼された荷物を入れてはみ出したりしてないか確認してからきっちりフタをする。
「ん。そっちもよろしく」
「おけー、がんばる」
 二重扉を開けた先は、叩きつけるような雨風と、暴風によって飛んできた葉や木の枝がそこら中に散乱している。
 行ってきますと告げたロボットは、そんな天気をものともせずに、颯爽と飛び立っていった。


 30分クオリティです、細々した部分への突っ込みは是非スルーをお願いします。

 本日は「ロゴマークの日」だそうです。日本記念日協会様より。

 沢山のロゴマークがあり、それらはどれも自分たちを一目みて理解してもらえるような、また覚えてもらえるような簡略化したものがほとんどです。よく社名と共に並んで表示されているそれは、とても分かりやすいですし、マークだけ見てもお店のイメージやブランドイメージが沸くので、知って覚えてもらうのにいい方法ですよね。
 SNSのアイコンもそんな役目をはたしているように思います。私のアイコンの「ぺ」はお絵かきアプリで直筆?の「ぺ」です。印象に残るかなと。ただ、正しく私を表現しているかというと、そうではない気がしてきました。ロゴマークって難しい…。アイコンはまた少し役目がかぶっているようで違う部分もあるのでしょう。個人的解釈ですし、深く考えていないので、とっちらかってしまいました。
 わかりやすい、知ってもらいやすい、覚えてもらいやすい、という意味で、現代ではロゴマークは各企業、ブランド、団体さんにとって必須なのかもしれないな、と思ったのでした。

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