マガジンのカバー画像

記念日短編小説

38
記念日をテーマとして書いている短編小説です。
運営しているクリエイター

#小説

【短編】引いて、返して、また後で

ざぱーんざぶーん 立ちつくす足元まで 迫りくるのは冷たい子達 ざぱーんざぶーん 浸ってゆく…

ぺん
3か月前
12

【短編小説】なにやろう?自由研究の日

 どうしようどうしようどうしよう。  えっだって何したらいいの?  ケイちゃんはセミを捕ま…

ぺん
4か月前
17

【短編】スイカの日

 ぷぷぷっと口から黒い粒を出す。行儀が悪いってママに叱られそうだけど、でもこれもスイカの…

ぺん
4か月前
13

【短編小説】人間ドックの日

 しょっぱなに血を抜かれてからの、身長、体重、それから腹ン中を見られたり、冷たいジェルを…

ぺん
4か月前
11

【短編小説】3分で何をしよう

 ビビビビビと横にした左手に縦にした右手をくっつけた特徴的なポーズから放たれるビームが、…

ぺん
4か月前
10

【短編】最高のゴールを目指して

開けた視界は真っ青 白と青のコントラストが目に染みる 一瞬後には緑の中に二本の道筋 僕らを…

ぺん
4か月前
9

【ショートショート】ピアノの日

 ポン、……ポン、……ポン、ポ、ポン。  決して軽やかとは言えない音が窓の向こうから聞こえてくる。この近所は密集した住宅地だから、どこの家から聞こえてくるのかはわからない。んーでも方角的には駅の方、かな。何件か先にちっちゃい女の子いたかも。いやまてよ、その向かいには同い年位の男の子もいたような。別にちっちゃい子とは限んないよね、中学生くらいの子もいるし、おばちゃんもおじちゃんもおばあちゃんもおじいちゃんもいる。  結論として、誰が弾いててもかまいやしない。  ピアノを始めたん

【ショートショート】江戸切子の日

 とくとくと注ぎ入れられる透明な液体からは強い酒精の香り。とくとく、は言い過ぎかな。とく…

ぺん
4か月前
17

【短編小説】シーザーサラダの日

『しゃっきしゃきのれたすとー』 『シャキシャキのレタスとー?』 『ぴかぴかのみにとまととー…

ぺん
4か月前
28

【短編小説】涙の日

ぼろぼろ ほろり はらはら ぽろ ぼろぼろと零れ落ちる涙は 美しいとはとても形容できない だ…

ぺん
4か月前
15

【短編小説】それは確かな煌めき

 ちかちかと儚く煌めくものだとばかり思っていたそれらは、今私の頭上で力強くキラキラと瞬い…

ぺん
4か月前
16

【短編小説】露天風呂の日

雪景色もいいけれど 霧雨だって悪くない ぶるりと震えながらよりも のんびりできるのは今の方…

ぺん
5か月前
33

【短編】住宅デー

「ここ、コンセントあった方が良さそう」 「キッチンはアイランド?それともカウンター?」 「…

ぺん
5か月前
13

【短編】オリンピック・デー

 わぁぁっと上がった歓声、鳴り止まぬ拍手と注目を浴びている嬉しそうな表情を思う。  本来ならば、きっと多くの人があのスタジアムに詰めかけて、大歓声の中走り・飛び・打ちと様々な活躍をした選手たちがいたのだろう。  そしてそのスタジアムへ、どの競技でもいいから一つくらいは見に行けたら良いねと話した日が記憶に新しい。我が国での開催が決まった年に、ちょうど子供が生まれたのもタイミングが良いねと。大きくなった頃に見に行けば、何かしら良い経験になると思ったのだけれど。  けれどそれ