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「最近面白かったものって何かありますか?」という質問の正解を探す/井上

noteを完全に2週間以上放置していた。もはや不定期更新ってことで良いのではないか。最近はもっぱら働きまくりつつ映画・芝居・ドラマ・本・ゲームを嗜みまくっている。このままでは自称脚本家になってしまう。もうなっているかもしれない。ただ働きまくっているせいかなんだかんだ忙しい気はしている。結局金が無いと人と会う約束も躊躇してしまうのだよ。早く財力を回復させたい。

敬語を使わないで文章を書いてみたらエッセイっぽくなるかなと思い立って試してみた。結果、エッセイっぽくなった気はするが、自分の想いを吐露している感が際立ってしまったように思えて超恥ずかしい。そもそも想いを吐露することは恥ずかしいことだと自分は思っているので、そういう想いがふんだんに詰め込まれた文章や創作物を観ると「なんて恥知らずだ」と思う。隠して隠してそれでも少しだけ垣間見える本心、みたいな奥ゆかしいやつの方が自分は好きだが、世の中的には曝け出した本心みたいなやつの方が好きっていう人の方が体感的に多い気がする。というよりどちらかと言うと曝け出すのが好きって奴が多い気がする。露出狂みたいな解放感みたいな気持ち良さがあるのだろうか。そういえば度々「もっと本心を曝け出したものが見たい」のような講評を創作物の審査とかで目にした気がする。いやらしい。言う側と言われる側の諸々のバランス次第ではセクハラと言われかねない気がしてきた。敬語を使わないで書き始めたことを後悔してきているが、もうここまで来たら意地でも最後まで敬語を使わないで書く。

ここまで書いて分かったこと:恥ずかしがりながら本心をチラ見せするような作品が一番ウケるのかもしれない

ここ十年余ずっと苦手な質問がある。「どういう芝居を作っているのですか?」と「最近面白いものって何かありましたか?」だ。前者は盛った。十年は経ってない。どちらにも共通しているのは『何かセンスを試されていそう』ということだ。

どういう芝居を作っているか?という質問に対してのアンサーが用意出来ていないのは自分の怠慢な気もするので取り合えず置いておく。前提として自分の中に「コメディやってます!」って言う奴ほど面白く無さそうな人間はいないという偏見が根付いてしまっているのが問題だ。そもそも作風はコメディなのだろうか。あとコメディと認めたら笑いが起きなかった時の逃げ道を失うので断定したくない及び腰な気持ちもある。最近は「ちゃんとストーリーがあって割と人とか死ぬようなタイプの話を書いています」と答えている。これは全く正解だと思っていない。早く正解を見つけたい。

そして後者。この質問は訊かれるたびに毎回答えに詰まってしまう。もちろん質問する側の気持ちは分かる。自分も色々な人の好きな映画を訊くのが好きで、なんなら毎回メモしている。「その人これ好きなんだ」と思いながら書かれている映画をちょっとずつ消費していくのが楽しかったりする。
だからこそだ。だからこそ自分がなんと答えればいいのか悩んでしまう。しかも相手にハマりたい場合、合いそうなやつを言わなくちゃとか思ってしまう。

先日「7 days to end with you」というゲームをプレイした。目が覚めたら全く知らない言語を話す人の家にいて、だんだんと言葉を覚えてコミュニケーションを取っていくというゲームだ。初めて言葉を覚える赤子だった時の気持ちを再体験できるような感覚が面白く感じて、メンバーの山科に勧めてみたら、知りたいと言う気持ちが全く起きなくて面白くなかったと言われた。このゲームはゲームデザイナーズ大賞というゲームのグッドデザイン賞みたいな企画で2位だったので、俺は思ってないけど山科のセンスはノーグッドデザイン賞ってことになってしまうんだなと心の中で解釈した。俺は全然そんなこと思ってないのだけど。ただ、これ旧知の山科だからまだいいけど、初対面でこうなったら関係が微妙になりそうって思った。

気取ってるとも思われたくないし、かといって面白くない奴だと思われたくも無い。だからといって、「〇〇は割と面白かったですよ」なんて、ちょっと保険をかけて答えると、偉そうだし良く見せようとしている感が出てしまったような気がして、自己嫌悪に陥りそう。そのすべてを覆す絶妙な答えを『最近』の中から見つけなければならないのだ。これは大変な難問だ。

個人的には映画のマリオもシン仮面ライダーも怪物も面白かったけど、多数の人が観ているであろう故予期せぬ論争が起きてしまいそうで気軽に出すのは躊躇してしまう。往年の名作を紹介する戦法は『最近』というワードで封じられている。となると、絶対に相手は観ていなさそうで、今観るには多少の物理的なハードルのあるマニアックな映画を面白そうに粗筋紹介するのが正解なのだろうか。ただ、妙に面白そう過ぎる紹介が出来てしまって、相手が妙にやる気になって数多ものハードルを乗り越えて観てしまった時に、そこまで面白くなかったと思われる可能性もなくはない。となるともう、素直に面白かったものを言うのが良いのかもしれない。ならもっと観なければ。そして面白いものを見つけなければ。そう思って何かに追われるように色々見たり聴いたりプレイしたりしている。論語も全て読んだ。それは仕事でだけど。

そんな井上が最近面白かったのは『Vampire Survivors』。めっちゃ安い。400円くらい。包装のプチプチを潰す快感みたいなゲーム。ただ全くストーリーは無い。ただただ時間が奪われるので人にお勧めする訳にはいかないが、無茶苦茶面白い。これも正解だとは思わない。

ここまで敬語を使わないで文章を書いていたら段々と癖になってきた。自分にも露出狂の癖があるのかもしれない。次回書く時も敬語を使わないかもしれないし戻すかもしれない。写真は近所にあったので見に行ったビッグモーター。では。

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