STAGE ルポ
STAGEに出ない方のきっとろんどん
山科連太郎です。
昨日ゲネプロを観に行ったのでその感想を書きます。
フライヤーに書かれている前情報では、
・15年前に女子高生が3人行方不明
・男たちが久しぶりに集まった
・教育実習生が置き手紙を残している
・男たちは山奥の廃劇場に向かう
これくらい。
私の人生において行方不明になった知り合いはいないが、もし近しい人が近しいうちに消えたら忘れることはないだろう。
しかし15年も経てば、自然と口に出すこともなくなる。
ただ当時の仲間たちで集まったら誰かが話題を口にすることは十分にありえる。
そしてそこに、山奥の廃劇場なんてあったら?
行ってみようと言い出すやつはいるだろう。
(私なら行かないが)
そうして廃れたSTAGEへ向かうところから
『STAGE』の物語は進んでいく。
この先は是非、今夜から始まる旧四季劇場で見届けてほしい。
廃劇場とまではいかないが、劇団四季が使わなくなった劇場がぴたりとハマる脚本。
都市伝説や心霊とは、人が立ち入らない地に誰かが当て書いたエピソードがひとり歩きして広まり土着する。
井上が書く物語は、旧四季劇場への当て書きであり、辻褄合わせや伏線が見事で、もしかしたらこの『STAGE』は見た人たちによって札幌に残されるかもしれない。
魅力的なキャストが演じる消えた女子高生、成長した男たちはリアルで、脚本に説得力を授ける。
もしかしたらこんなこともあるかもしれない。
無いとは言い切れない。
という感想を抱くだろう。
それこそがオカルトなのだろう。
人の数だけある霊感に訴えかける。
オカルト、都市伝説、心霊と綴ったのはどれも私が感じたものであるが、決してホラーではなかったので、怖いものが苦手な方も安心して観てほしい。
都市伝説が生まれる裏側には優しさや悲しさすら隠れていることもあったりするのかなと私は思った。
その点では微かにハートウォーミングもあったような気もする。
初めて外から観るきっとろんどんは非常におもしろく、観終わった時にブラボー!!と声に出してしまう程だった。
感染対策もきっちりとられていたので安心して週末の予定に加えてもらいたい。