腕立て禁止
コロナであまり出歩けなくなって、体を動かす時間が減った。
近所に走れる環境はあるけれど、どうもランニングは苦手で続かない。どこか目的地があるなら何キロでも歩けるけど、同じところを回っているのは耐えられない性分らしい。
しょうがないので、家の中で筋トレをしようとした。しかし逆立ちだとか腕立て伏せなど、床に手をつく動作をすると肘が痛くなってしまい何度もできない。
ある時、ママ友がヨガのインストラクターになるため、教える練習台になってということで、Zoomを通じて何回か生徒として教わってみた。
「過伸展になりがちだから気をつけてね」と何度か声をかけられた。関節の正常な稼働範囲より余計に曲がってしまうことらしい。
インターネット越しだとそれが具体的にどんな感じかわからないし、向こうも体を触って教えられるわけじゃない。そういうこともあるんだなあ、と思っていた。
しばらく前から胸痛があった。場所的に怖かったので内科と乳腺外科にかかったけれど、皮下組織・内臓系の異常ではないことは確認した。
(詳しくは以下の記事)
残る原因は整形外科方面である。
胸は痛いに違いないが、肩から脇の下から胸の中央付近まで、全体的に痛いとも言える。左腕を強い勢いで引っ張られたら、ポロッと取れそうなあたりである。手羽先から手羽元くらいまでだろうか。鳥ではないからどうだろうか。
だめでもともと、胸の痛みと肘の痛みの両方を見てもらおうと整骨院に行ってみた。異常無しだったら、肋間神経痛ということにして、辛くなったら痛み止め生活だ。
すると、猿腕とルーズショルダーであるとのことだった。猿腕とは腕が外側に向かって反り返っている状態、ルーズショルダーとは肩関節が緩くなっている状態ということだった。
いずれも関節の靭帯や関節包など、関節をホールドしている部位が、生まれつきや怪我によって、あるいは子供の頃にうまく鍛えられなかったり面白がって変な風に曲げていたりした場合に、緩くなってしまうことで起こるそうだ。
残念だが、この部位は直接鍛えることはできないらしい。靭帯やらはこのまま使うしかないが、その周辺の筋肉を鍛えて、関節に正しい可動範囲を覚え込ませることで対応しようということになった。
猿腕は右腕の方がひどく、ルーズショルダーは左肩の方がひどかった。左は腕を上げることすら体をうまく使えていないようなので、左腕〜胸全体がしんどいのもこれが原因の一つかもしれない。
体の動かし方、使う筋肉の部位の再教育を行うことで、胸の痛みがなくなったらラッキーだ。どうなるかわからないけど。
とりあえず、現状で肘に負担をかけると関節炎になる恐れがあるということで、腕立てなど手をつくトレーニング類はお預けになった。
そもそも腕立てをしてはいけない体であった。ショックだ。
自分の関節の正常な可動範囲がわからないということすらわからなかった。無理させているのに気づかないから、痛くなるのは当たり前である。それにしても痛いのでやめよう、という判断をしなかった自分の頭も不思議だ。
自分のことはわからないというけど、心理的なものはともかく物理的なことくらいはちょっとわかりたい。自分と仲良くなりたい。