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昔の恋がモチベーションになってる話。

昔、友人が言っていた。
「後悔なんてしたっていい」

今思えば、ねじれた人だったなと思う。
でも、当時のわたしには衝撃だった。
そして、その言葉を思い浮かべると昔の大きな後悔を思い出す。

もうはるか昔になったけど、一目惚れした人には彼女がいた。
でも、その人のことを少しでも知りたくて友達になった。
おそらくわたしの気持ちに気づいていながらも、彼女の話を包み隠さず話してくれた。
私の気持ちを利用することもなく、拒否することもなく、ただ彼女への一途さを見せてくれた。
それがわたしには新鮮だった。
自分も含む出会った人の中で、そんな人がいなかったから。
その彼女思いなところが益々好きだった。
彼の言葉やセンスも好きだった。
報われることはないとわかっていたけど、人生で初めてきちんと面と向かって告白をした。そして、きちんと断られた。
しかも、その断り方も素敵だった。「彼女のことが好きです」って。
真っ直ぐでいいなぁと思った。そんな彼の彼女にも憧れた。

しばらくして彼女と別れたと噂で聞いた。
理由はわからないし聞く気もなかった。
わたしはわたしを好きだと言ってくれる人とお付き合いをしていたからだ。
彼のように誠実な恋愛とは違う、沼みたいな恋愛だった。
そして、ひどい別れ方をした少し後にその一目惚れの彼と遭遇した。
わたしの連絡先が変わっていることを彼が知っていた。
ということは連絡をくれたということだった。
気がつくと彼はわたしのことを好きになってくれていた。
もちろんお付き合いすることになる。
あの憧れの人が彼氏だと思うだけで、冬の寒さも感じなかった。
彼に会いに行くというだけでキラキラしていて、
自分が地面から何センチか浮いているような気分だった。
そして、彼の好きな自分になりたいと思った。
それが仇となった。
わたしの頭の中の彼ばかりを見ていた。
背伸びをしたり、思うように動けず言葉も出なかった。
完全に自分を見失っていた。
そして、ある日「思っていたのと違う」と言われた。
それは彼が思うわたしと違ったのだと受け取った。
彼もイメージの中のわたししか見ていなかったし、それを上回ることはなかったんだと思う。
これまたひどいお別れをした。一瞬で色が消えた景色すら覚えている。
その後も彼とまぁ色々あるわけだが、ずっとわたしは後悔をしている。
それは彼が好きだという未練ではなく、自分を出せなかったことだった。
自分を出せたところで結果は同じだったと思う。
でも本当の自分を出した上で振られたわけではないので、後味も悪く、それはもう長い間引きずった。

今でも時々その後悔を思い出す。
たぶん二度と会うことはないけど、少しでも見返せたらと思うとそれはモチベーションになる。
あの頃の自分に報いたい。


今年こそは痩せようと思う。

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