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キツネ玉知りませんか?

敦賀譚〜はじまり〜

むかしむかし、寺の小僧さんに大切なキツネ玉を盗られた狐がいました。
名前は三狐。玉を失くして化ける事もできなくていつも泣いてばかりいました。
ある日ひょっこりと現れた狸のタキ。
狸は玉を2つ持っているからと言って、タキはタヌキ玉をひとつ三狐に貸してあげました。
玉がひとつ欠けた狸とタヌキ玉をもつ狐の旅のはじまりです。
キツネ玉を目にした瞳にはその印が刻まれると云われ、道ゆく人々の瞳を覗いたり、時には人に化けて玉の事を訊ねたりしましたが、三狐のキツネ玉は見つからないまま長い年月が過ぎていきました。
そしてある朝、幽身(かくりみ)の姿で目を覚ましたタキ。それは狸の得意な変化でしたが、今朝はどうやっても元の姿に戻れません。
そばには同じように姿なき姿で眠ったままの三狐の気配。
タキは救いを求めて彷徨い、ある夜、狸の眷属を継ぐ者達に出逢いました。幽身のおかげで畏れられ神様のように敬われたタキは、眷属達から狸おやじをお守り役に得ました。それから13年が過ぎた令和元年。
ようやく三狐も目覚め
キツネ玉を探すふたりの新たな旅がここ敦賀で始まりました。

つづく

最新のお話はTwitterで進んでいますが、 振り返れるようにnoteでまとめ記事にしています。