キツネ玉知りませんか?〜序章〜
むかしむかし
みこという名の 神様におつかえする狐がいました
でもある時 大切なキツネ玉をなくしてしまい
神様の声を聞くことも 化けることもできなくなって
ずっと 泣いてばかりいました
あるとき 一匹の狸がやってきて いいました
「わたしのタヌキ玉を一つお貸ししますから
一緒に玉を探しに行きませんか?」
狸が手から ゆらゆら輝く玉を取り出すと
それは狐の身体に すっと吸い込まれました
「大丈夫 狸は玉を2つ持っているんです」
「さぁ ご一緒に」そう言って2匹は宙返り
するとそこには二人の愛らしい巫女さんが…
「あれ?狐さん 耳と尻尾が隠せてませんよ」
「えっ⁉︎ でも…狸さんも耳と尻尾が」
「あれぇ…タヌキ玉も1つだと上手く化けられないのかな🍃にはは♪」
狸が申し訳なさそうに照れ笑いすると
狐もつられてくすくすと笑い出しました
「ふふっ わたし…まだ笑えたのですね」
泣いてばかりいた狐は嬉しそうにいいました
「私と一緒に玉を探てくれますか…」
「もちろんです⭐️タキって呼んでくださいね」
こうしてキツネ玉を探す旅が始まりました
キツネ玉を目にした瞳にはその跡が刻まれるといいます
ふたりは人里を 渡り歩いて探し続けましたが
三狐の玉の跡は 一向に見つかりません
そして数百の月日が流れた 夏の夜
三狐とタキは 疲れ果て 深い眠りにつきました
タキが目覚めたのはそれから百年余りがすぎた頃でした。
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