映画を観ているように

中野さんのセッション後、瞑想の質が上がる。

自分の意識がすべてを映し出していること、すべてが自分に内在していることが、イメージとしてあらわれていく。

そして、他人の中にも実は誰もいないということがわかる。

いまここ以外、何も存在しない。

ゲームのRPGのように、画面から消えたキャラクターは存在しない。

でも、そのキャラクターがいる場所へ戻ると、時間の経過やそのキャラクターの設定が再現される。

沈黙の中で、その事実がありありと浮かぶ。

「ほんとうのことって、静けさの中にあるんですね」

そういうと、中野さんは「いい表現ですね」とほほ笑んでくれた。

今まで外側から知識を引っ張っていた。

本や動画、人からの話。

でも、自分の内側を意識して、静けさの中にいると、すべてが自分の内側にあったことに気づく。

もっというと、「外側(本など)から得た知識」も全部自分の中にあった(自分の意識が本という媒体を作っていた)。

そのことを実感していると、中野さんが「普段は思考があれこれ湧いてくるけれど、本当のことって静かなんです」とつぶやいた。

自分たちはスクリーンに映し出された存在にすぎない。

中野さんも、プロセスの中にいる私を導くキャラクターとして、私の意識が映し出した存在であり、自分自身。

自分に嫌味を言ってくる上司や同僚も、気にかけてくれる友人たちも。

すべて自分の内面の反映に過ぎない。

彼らの中には誰もいないし、宇宙の意志の表現が彼らを私を動かしているだけ。

外の景色も子供たちのはしゃぎ声も、車のエンジン音も鳥のさえずりも、すべて私の意識の中にいて、宇宙の表現の一部。

ほんとうの悟りは、日常の中にある。

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