最近、思うこと・・・。
「株式やそれを売買する市場も身近になって、バイアウト案件なども良く、ニュースで見られるようになりましたよね。」
「東芝のような、ある意味”国策”を扱ってきた企業までがそのようなニュースに出るようになったな・・・。」
「株式会社化して、株を市場に開放するということは、大きな資金を持っている”何か”がその気になれば、常に、バイアウトされる可能性はありますよね。」
「まあ、そうじゃが、会社自体が安定していて、安定した業績があり、投資家への配当などもしっかり出せてれば、そうそう上手くはいかないものじゃよ、本来は。」
「最近は、でも、投資専門のファンドとか、”もの言う株主”なんて人たちが出てきましたよね。」
「そじゃな。企業の買収・吸収・合併なんてのは、明治以後、第二次大戦前くらいまででも、結構あった。今、大河ドラマで、渋沢栄一をやっているけど、渋沢自体がそのことを否定していないかった。バイアウトされて、より企業価値が高まり、株主にとっても利益が増えるなら!じゃけどな。」
「そういえば、渋沢の愛弟子の一人とも言うべき、東急財閥の五島慶太さんなんて、バイアウトはお家芸で、”強盗慶太”なんて、呼ばれておられた時代もあるとか?」
「まあ、しかしな、その頃の買収は、東急財閥として、それをより大きくし、価値を高めようと言う意図がまだあったな。」
「今は、ちょと変質してきていると・・・・・・・。」
「うん、個々のことは知らんけどな、東芝とかな。ちょっと前は、雪国まいたけとかスシローとか、他にも、最近は、ぞろぞろとある。」
「どう違ってきているんですか?」
「A社が、内部的な揉め事とか、代替りとか、まあ、個々のケースは色々よくわからんことも多いけどな、とにかく、派閥が割れて内紛状態にあったりするとわかりやすく、やられることがある。」
「一方の勢力にツケけ込んで、その勢力の代表者に、Cファンドが『資金協力しますので、この際、バイアウトして非上場化し、あなたがオーナー社長になってしまえば、わかりやすいですよ。あなたのやりたいようにできます。』などと、言ってくる。」
「あー!敵との覇権争いに必死だと、”罠”に気がつかない!!!」
「敵にも、別のファンドが食い込んで似たような提案をしていたりする。」
「うわ、傍目には、ファンド同士、裏で繋がってたりしている匂いまでありますよね。」
「ま、それでじゃ、そのCファンドは、ペーパーカンパニーBを作って、その自己資金はとりあえず、だす。そして、買収資金は借り入れて、大きな資本として、A社の株式のバイアウトに使う。」
「だいたい、どのくらいの比率なんですか?」
「場合によるけど、例えば、1000億はBが自前で用意して、その上積み借り入れ資金は、3から5倍、もっとかもしれん。」
「3倍としても、3000億、借りてくるわけか?」
「で、その借金は、Cファンドではなく、Bカンパニーじゃな。そこにつける。」
「まあ、すったもんだあっても、バイアウト成功したとするじゃろ。」
「で、非上場化した後は、会社にとっての重大な出来事とかあっても、IRすら出す必要はないですね。」
「株主自体は、Cファンドが送り込んできた新取締役連中が、大半を独占している。」
「借金は、Bカンパニーか?」
「そう、それでな、A社とBカンパニーをその上で、合併させる。」
「すると、新A社ができますね。借金も、新A社のものか?」
「それで、株式は、Cファンドからきた連中が大半。」
「こう単純化して書いてくると、素人でもそのきな臭さがわかるじゃろ?」
「非上場のうちに、旧取締役など、古い連中は、放逐!」
「何しても、説明責任がないですもんね。」
「もともと、覇権を争って、喧嘩してた連中は、もう、見る影もなかったり、放り出されて、何してるかわからなかったりになる。」
「まあ、高値だった頃に株式売っちゃった人だけは、少し、利益出てたかもね?」
「ま、そうじゃけど、もう、もともとのA社、そして、新生”新A社”とは切れてしまっているな。ま、手元に残った資金で、何か立ち上げられれば、まだ、幸いじゃな。」
「で、新A社は、Cファンドの実質は支配下に完全に置かれる、か!?」
「で、実質借金漬けになってるけど、新生A社は、『様々な問題を克服して、新たに蘇ったA社』感満載で、新規上場となる。」
「新規上場時のIPO資金は、新取締役連中がほぼ独占じゃよ。新A社の借金の返済になんか当ててくれない。新役員たちは、頃合いを見計らって、持ち逃げのように、本社Cファンドに戻ってしまったりする。元のA社の株は、もう、0円じゃよ。非上場時に資本として、召し上げられるからな。投資と融資の違いは、ここらじゃよな。融資も投資も、会計学上の記入は借金じゃが、融資はそう簡単には、チャラにならないが、投資は”自己責任”の名の下に、非上場すれば、紙切れになる。最近は、紙も残らんか!デジタルデータのみ!10年くらい前のJALの時のことみなさん、覚えてるかな?」
「実質な財務内容の極端に悪化している新A社は、それをまずは返すために、社員一丸となって働かされたりするわけっすね。」
「新規上場の時、IPO価格で買った顧客も会社の価値が著しく毀損している事実は、だいたい知らされないまま、なんとなく気分で買わされる。」
「そういう案件のIPO株は、だいたい、IPO価格が天井で、あっという間に、半分、1/3 などになって、数年後は、1/10 などになり、見る影もなかったりするなぁ。」
「まあ、こういうファンドは、そういう”ギャップ”のある会社を鵜の目鷹の目で探しているので、東芝あたりは、カモがネギと鍋と出汁を持って、ウロウロしているようにしか見えんじゃろな?!?」
「いわゆる金融緩和で、資金自体は、ものすごい額、だぶついてるのに、実態の経済は、どこも不況で、まともな投資するところが全然、ない!」
「確かに、設備投資だの会社の純拡張だのは、やってる場合じゃないですね・・・。」
「潰れていく会社が多いくらいじゃからな。」
「銀行と直にでも間接的にでも関係の深いファンドには、余ったお金がたくさんあるのに、使いどころがなく、企業業績はなかなか上がらんのじゃよな。」
「なるほど、財務や経済の官庁や銀行も、間接的には”グル”みたいなもんかな???」
「そうなんだよね、ニュースに出るときは、ファンドの方が”正義の味方”みたいに書かれてたりするからなぁ〜〜。」
「まあ、書いてる記者さんは、わかってないんでしょうけどね。言われるままの方向性に沿って、文章だけをあげる。」
「まあ、経験しないことは書けない!っていうようじゃ、プロの物書きじゃないけどな!www」
「兆を超える額、動かせるファンドなんて、今では、ゴロゴロと・・・。」
「KKRなんてのが東芝案件でも出てきてるな?これはタチの悪い巨大ファンドの一つじゃよ。外資。日本の公務員共済組織のことじゃないよ、投資に出てくるKKRは!wwwwwwww」
「CVCなんかは目じゃないってくらいですか?」
「そうじゃ!CVCから身を守るつもりで、KKRを頼ったりすると、仔犬に噛まれそうだからって、トラに抱きつくようなもんじゃ!」
「KKRばかりじゃないと思うけどな。東芝、今は、内部で色々争ったりしていて、その上部組織の連中、本当に、株式市場やファンドの恐ろしさが解ってないのかも?って思わせられる。」
「前社長の車谷さん?大人しくやめてしまったけれど、そういうことか、むしろ、ファンド側に堂々と回って、買収の暁には、復帰?」
「そういう口約束のような気がするなぁ・・・。」
「しかし、そんなに甘くないのでは?っと。」
「まあ、運よく、口約束守ってくれても、会社は実質ガタガタじゃけどな。まあ、彼は、そうなっても、社長報酬下げないじゃろうけどな。眺めるに東芝の現取り締まり役の人たちって、上に行くほど、あんまりそういうことに無頓着でも、いい報酬得られてた人たちじゃからなぁ・・・・・・・」
「天下りに近い人たちとか、銀行からの出向者とか、綺麗なもの見て、お役人の決めた計画に、忠実に従ってれば安泰だったのですね。」
「まあ、そうしていればよかったけど、それでは本業が傾いてきたときに、どうしようもなくって、こういうことに巻き込まれる。」
「切り売りされたキオクシア(元々の東芝の半導体部門)の時も、そうでしたよね?」
「ま、な。まあ、ここでは、東芝単体のことは、細部をよく知らないから、言っているつもりはないけどな、なんとなく、大きなバイアウトスキームを説明するのに、例として、解りやすいかと挙げただけじゃよ。」
「カリスマ経営者の没後の派閥争いとか、これからも増えそうですね。」
「金だけ持ったファンドは、常に虎視眈々と狙っている。」
「赤ずきんちゃんと狼みたいですか?」
「まあ、ねえ。上場している芸能事務所とか、カリスマCEOがお元気なうちに、MBO(マネジメントバイアウト)して、後進にキチンと”暖簾分け”しておいたほうがいいかもな?言われてみればそう見えなくもない動きもちらほらあるし。」
「実際、非上場化したプロダクションとか、結構、ありますね。それ以外でも、穏便に分社化したり・・・。」
「昭和の頃は、一部上場はただのステータスだったけど、いまでは、トラやコヨーテ、豹などのいるサバンナをフラフラしている人に例えても、ってくらいじゃよ。」
「地道が一番」