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WOWOWドラマ、ぴぷるを観ていました。

このドラマ、なにげなく観はじめたんですけど、面白かったです!w

私は、理系の出身ではありますが、認知科学、脳科学や情報科学系の学問は、全くの素人です。専門家としての興味もありません。その他、科学技術やそれを進歩させる数値計算、数値解析なども全くの素人で、AI(人工知能)や自己学習プログラムといった専門分野にも、プロとしての興味は全くありません。それを前提に、ドラマの鑑賞感想文として書いております。また、あんまり調べて、書いてませんので、記憶間違いによるミスがあるかもしれませんが、感想文なので、お赦しくださいませ!<(_ _)> (それとなく注意していただければ、事実誤認は、謝罪の上、きっちり訂正します。よろしくです!)

最初の観始めは、”AIはどこまで人間に近づけるか?”的なNHKスペシャル的な興味から、書かれたお話なんだろうな?と思っていました。しかしながら、そんなことはすでに過去のものとなった未来社会のさらなる深層へ潜り込むお話でした。

AIを考えることは、人間の自我、自意識、感情といったものの由来を考えることにフィードバックします。そもそも、他人の頭の中や心の奥を直に見ることはできませんよね。でも、なんか、他人の行動を「今は、彼女は感情的になっているから、落ち着いたら」とか「ノッてきたから、いい雰囲気のまま、押し切ろう!」とか、他人のことを自分のことのように判断して、あまり不思議には思いませんよね。これは、真面目に考えると不思議なことです。心理学や認知科学では、最新の研究があるのでしょうが、よく知りません。(誰か教えてください。)

非常に進化したAIの行動が、その瞬間、異様に見えたり、すごく逆に不合理に見えたりしたとき、人はやはり「このAIは、”なんか、バカだな!?”」と思ったり、「”今、感情的になっているから仕方ないよ”」って思ったりやっぱりしそうな気がします。実際、もう、20年も前に、AIチェスプレーヤーの「ディープ・ブルー」という選手がいて、当時、人間の世界チャンピオンだったカスパロフと何度か”番碁”で対戦しています。1997年の段階で、AIが勝っており、その後、もう、チェスでは、人間はAIに歯が立たなくなっていると思います。

このとき、カスパロフは、

「(AIに)なんか、新たな種類の”理性”””感性””知性”を感じた。」

というような感想を漏らしています。一見、「そんな手でいいの?」とか、「へー?」というような手が実際に出てきて、しかし、局面が進んでいくと「なるほど!?」と思わされることが度々、あったそうです。そして、手合いを重ねると、そこに、人間の方が勝手に、その行動に知性や感性、理性を感じるようになる、と。

人と同じような成り立ちの”自我”が芽生えなくても、行動から、そこにある種の”理性””知性””感性”を感じるような行動が取れるようになれば、人間の側から、それを区別する手段はなくなるのです。よく、人間に近づきすぎるとAIは気持ち悪くなる、と言われますが、それはAIだと知っていることからくる”prejudice”だと思われますよね。すっごく進化して、食事や睡眠すらも自然にとる(ふりをできる)AIがいたら、全く違和感も、何もないはずです。それを区別する手段は、人の側の認知機構にはないはずです。人の心の奥底を完全に読める超能力者なら、別ですが・・・。

そういう意味で、(人の側から、”感情”や”理性”、”知性”を兼ね備えているように見えるという意味での)”自我”や”自意識”は自然に芽生えるはずです。

こないだ、ちょうど将棋の棋聖戦がありましたよね。話題の藤井聡太7段が、「神の手」を26分で指して、話題になっていますね。(3一銀!w)これを最新のAI将棋プレーヤーが、4億手読んだ段階では気がつかず、6奥手読んだ段階では最善手に挙がってきて、それを26分で気が付いた藤井さんはすごい!って。

これ、話題のされ方が逆ですよね。 渡辺明棋聖が、図らずも漏らしたように、見た瞬間「あれ?これは長くなるなぁ!」ってね。つまり、藤井聡太さんではなく、隠れたところにいる”誰か”と指している設定(AIとすら知らせず、在野の天才棋士という設定で指してもらうとかすれば、(そういう設定の漫画ありましたね、囲碁ですけど、ヒカルの碁でしたっけね?))で、この手が出たら、渡辺さんは、「あれ?びびったのかな?長くなるなぁ」と思ったはずで、で、その後、十数手で敗勢になった瞬間、カスパロフと同じように”なんか新たな知性”というか、”感性”を感じたはずです。AIは、ものすごく進化すれば感性を持てるのです。少なくとも、人間の側から区別できないという意味では。

なので、ね。AIの最善手に26分で気づいた藤井聡太さんを褒めるのではなく、タイトルをいくつも保持しているプロ棋士が、知性や感性、理性を感じるような行動をAIが取れるまでになっていることに驚くべきです。

ぴぷるの感想に戻りましょう。さらに、今から、10年後っていう設定ですよね。物語の設定では、自爆プログラムがあらかじめ設定されていたということになっていますが、これ、なくても、もっと人間っぽいウエットな行動を取るように勝手に学習して、膨大な計算して、行動するようなAIはできているかもしれませんよね。実際にドラマでは、ぴぷるちゃんが、何かを強く学習したことを示唆するために、目の色が赤くなって、少し進化した音がなって、レチタティーボのように、主題のインスト曲がだんだん強く流れるように演出されています。ドラマでは、今の現代の聴衆が納得するために、このような演出は必要でしょうが、実際には、もっと静かに進むはずで、で、もう、人間には区別できないはずです。深山楓博士の感情的な行動から学習し、十分な量の猛烈な計算量の計算をしたぴぷるちゃんは、最後の時に、深山楓博士と同じ行動をとります。”人間”と”十分に学習し、滑らかに行動するAI”は、区別できないのです。少なくとも、摘木くんは、もう、相手を機械だとは思っていません。区別できないのだということを強く、示唆しています。

トータリーに面白く鑑賞できました。酒井監督は、女性らしいちょっとした物語をそこここに挟み込んで、愉しかったし、全体としてもバランス取れてて、で、俳優さんたちも静かに熱演していました。この物語の登場人物中、最も人間らしくまともで、真面目で、ウエットなのは、実はAIのぴぷるちゃんなんでした!ってオチまで付いています。逆にいうと、人間を含む生物は、自分たちで感じているほど、ウエットな存在ではないのかもしれません。少なくとも、学習したことを活かせず、計算量も足りないので、バカなことをしょっちゅうしてしまうんですよね!www

%%%気がついたら加筆・修正するかも知れませんが、とりあえず公開しましょう!w

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