四問四答の話
「闇の眷属の出現音が聞こえますね」
「あれ凄い方は本当にすごいからなあ。ビジネスじゃないからこそ書けるものが有るんかな?て気がする」
「まあお金は人間性を疎外しますから、ある種当然かも」
四問四答というのは中国古典文学作品「遊仙窟」に表された「性交渉へと至るまでの四ステップ」を指します。
「遊仙窟」はざっくりいうと「旅行中の男が仙女をヤリ捨てる話」です。これが岩波文庫に収録されているから不思議だなあと思わんでもないですが、文学史上後世への影響とかが結構あるらしく学問的には貴重なようです。
私が尊敬する中野美代子先生も著作でこの作品の構造を歴史的な変遷の中で論じていらっしゃったりしましたが、私はそんな大層なことはできないので、あくまで文章表現上の事柄にだけ言及します。
(この著作じゃなかったかもです。覚え間違いなら申し訳ない)
先ほど「性交渉に至るまでの四ステップ」と言いましたが、具体的には「手、口、胸、秘部」にこの順で触れる各回ごとに「触れていいですか?」と聞き、「いいですよ」と答えてもらうことです。
「いちいち受け答えするのはムードがない」というご意見をお持ちの方がもしいらっしゃいましたら、ぜひノクターンノベルズの下の作品をお読みいただきたいです。
https://novel18.syosetu.com/n1914iu/
甘すぎますか? 前にお話しした通り私は砂糖中毒なのでお口に合わなかった方はご容赦を…
因みに、以前紹介した夢枕獏作「おにのさうし」二話目「紀長谷雄 朱雀門にて女と争い 鬼と双六する語」は私にとっては四問四答を最も官能的に表現している文章です。
「遊仙窟」では男が問い女が答える形がここでは女が問い男が答える(正確には「触れていいですか」ではなく「触れたい・吸いたいですか」)形になることや順番が若干前後するなど違いもありますが、幾度も繰り返し問答することがじわじわと互いの積極性を駆り立てていく情景がいかに「そそる」かが素晴らしく表現されていると思います。
うろ覚えで申し訳ないのですが、ゆうきゆう氏の「モテるマンガ」にも「抵抗の少ない行為から段階的に問答を繰り返して先へと進む」話は述べられていた記憶がありますね。
まあ、かの有名な(?)「紅茶で学ぶ性的同意」に則ることも悪くないっていう話になるのかな?
山田詠美さんの著作に出てきた「ノーミーンズノー」が凄く印象に残っている人間なので、割とそこは凄く重視するのです。
「もうこの中二病フレーズやめないか?なんだよ闇の眷属って」
「それはわたしのPCで”ちゅうにびょう”が厨二病と変換されないことより大事ですか?」
「…お前が大事じゃないっていうんなら大事じゃない気がしてきた。」
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