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「FIREしたので会社辞めます」と宣言した時の周囲の反応


  • どんな仕事をして

  • いつ、どこで、誰と、どれくらいの時間、どのように働いて

  • どれくらいの報酬を得て

  • どんな未来を思い描くか

会社員になると、これらのほとんど、あるいは一切を会社に握られてしまう。
入社以来、私にはそれが苦痛でたまらなかった。

そして、会社員を辞めると決意してから長らくの間、FIREを目指し生活費を切り詰め、株を買いまくってきた。
やがて資産運用による収入が安定的に生活費を超えるようになり、会社に退職を願い出た。

退職する半年ほど前から、お世話になったいろんな人に対して、会社を辞めて無職になる話をした。

その時の周りの反応が面白かった。




リアクションは3つに分かれた


世の中には3種類のタイプがいるんだなあと実感した。

  1. 労働者としての適性ありまくりの人

  2. 労働者として生き続けることに疑問を感じつつも、現状を変えようとはしない人

  3. どう考えても労働者がムリな人

それぞれのタイプごとに特徴的な反応があった。


① 労働者としての適性ありまくりの人:3割くらい


労働者として生きていくことが当たり前となっている人。

こうした人たちは組織に献身的であったし、何より楽しそうに働いていた。
自己犠牲を厭わず組織に尽くすことができるのは、素晴らしい持ち味である。

そもそも学校教育をはじめ日本の社会システムでは、こういった人を大量生産する構造になっている。
人々を労働者タイプとして開花させることは、国家としての成果ともいえる。

ただし、労働者以外の生き方があることを実感したことがない方も多く、当然、FIREなんてありえないという反応ばかりだった。

同期最速で管理職になった先輩はこう言っていた。

「ある程度の型に当てはめられた方がやりやすい」

周囲から愛され、とても仕事ができる同期はこう言っていた。

「敷かれたレールに乗っかっていないと、自分はダメになってしまう」


② 労働者として生き続けることに疑問を感じつつも、現状を変えようとはしない人:6割くらい


会社で働くことに嫌気がさしており、この先の人生に対して何とも言えない焦りや不安、モヤモヤを感じている人。

多くの人は、FIREした人間に対してとても興味を示した。
できるのであれば自分も資産形成をしてFIREしたいと言う。

だが話してみると、証券口座だけ作って株を買っていない人や、株を買っているとしても、明確な運用方針があるわけでもなく、とりあえずやってみてはいる、という人が多かった。

どっちつかずではあるが、いろんな生き方ができる可能性を持つ人ともいえる。

自ら環境を変えるほど切迫した状況ではないが、いざ環境が変わってしまえば、それはそれで生きていける。

こうした人々はフレキシブルで、様々な考え方に理解を示すことができる印象だった。

私の所属していた会社だけでなく、世の中の人々の大多数はこんな感じなのだろう。


③ どう考えても労働者がムリな人:1割くらい


冒頭のような、人生に関わる決定権を他者に掌握されることに強く反発する人。

我が道を行こうとする確固たる意志と行動力を持つ。
残念ながら、こいつらは自由人だ。

組織に依存せずとも生きていくため、すでに何らかの行動に移している。

例えば、FIREのために毎月の収入を計画的に投資に回すような行動を取っていたり、副業の延長で会社を創ってしまったり。

彼らにとって、労働者としての生き方はまったく魅力的ではなく、むしろ時間の浪費であるらしい。

組織人である場合は、自身のありたい姿と会社が求める姿が一致していればめちゃくちゃ成果を出す一方、組織や上司との価値観が相容れなければポンコツ化したり干されたりする厄介な存在でもある。

そして、そもそも集団行動に向いていない。
こういう輩は組織から排除されるか、自然といなくなっていく。

なお、①と③の人間同士では話がかみ合わないことが多い。
どちらも極端であり、見ている世界や価値観が違いすぎるため、お互いが相手のことを宇宙人に見えてしまうだろう。

実際、私が上司にFIREしたので退職します、と告げた時にも、「え、こいつ何いってんの?」という具合に、上司はポカーンとしていた。

相手がどのようなタイプなのかを察知することは、成立しないコミュニケーションを避けるためにも重要である。


どのタイプの人たちも、社会は必要としている


有史以来、人を使う側と人に使われる側がいるという世の中の構図は大して変わっておらず、それぞれの側に遺伝子レベルで適応した人たちが一定の割合でいると思えてならない。

株をやっているとつくづく思う。世の中には2種類の人間がいる。

  • 他人を使って収入を得る人

  • 他人に使われて収入を得る人

この世界では前者を資本家、後者を労働者といい、それぞれの立場は対極である。

ただし、明確にどちらかに分かれるというわけではなく、どちらの側面も持ち合わせている人も多い。

  • 国家や組織、君主を支えるために忠実に仕事をする人

  • のらりくらりやっている人

  • 既存の型にはまらず、リスクを取って新たな世界を開拓していく人

もちろん、人はあるタイプとしてずっと固定なのではなく、その時々によりタイプが変わることもあるのだが、それぞれが絶妙な割合で存在しているからこそ、世の中が成り立っている。

もしかすると、そこには黄金比があるのかもしれない。




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