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これから投資を始めたいという人へ


おかげさまで株の運用益で生活できるようになりました。

FIRE(Financially Independence Retirement Early:経済的に自立して早期退職すること)を達成し、配当金だけでも毎月20万円(税引き後)の安定収入が得られるようになったので、10年ほど勤めた会社を辞め、現在は悠々自適に暮らしています。

FIREして以来、「投資してみたいけど、どうすればいいんでしょうか?」、という相談を受けることが増えました。

話を聞いていると、すでに証券口座を開き、そこへ入金し、あとは買付操作をするだけ、というところまでは来ているものの、あと1歩踏ん切りがつかずに立ち止まっている、ということがよくありました。(私自身も投資を始めたばかりの頃はそうでした)

日本証券業協会によると、個人投資家の数は2017年以降、右肩上がりに増えています。


日本証券業協会 個人株主の動向について


新NISAも回り出し、これからも日本では貯蓄から投資という流れが継続すると思いますが、新たに投資を始める人が増える傍らで、投資を始めたいと思いつつも実行に至らず足踏みしている人も増えていくのではないかと推察します。

そんな方々が、安心して投資の世界へ旅立っていかれるよう、僭越ながら、私が投資を始める方へお話しする内容を紹介したいと思います。




長期的にはすさまじいリターンをもたらしてくれる株式投資


世界で最も資本主義が発達しているアメリカの例を見ていきましょう。

S&P 500というアメリカの代表的な500の企業で構成される指数があるのですが(日経平均株価のアメリカ版みたいなものです)、過去30年で株価がおよそ8倍になっています。



もちろん、2008年のリーマンショックや2020年のコロナショックで株価が暴落した局面もありましたが、それを加味しても、長期スパンでは毎年7%の資産が増えてきたことになります。これが市場の平均点です。

つまり、株式投資とは、資産額を増やすことを勝ちとすれば、むしろ負ける方が難しいでしょう。

そして、何も考えなくても市場の平均点が取れる銘柄というものがあります。
後述しますが、このS&P 500に連動した銘柄が代表例です。

投資を始めるにあたって躊躇する理由は、

  1. 資産を失う恐怖

  2. 未知の世界に足を突っ込む恐怖

  3. ただ単に面倒くさい

のいずれかだと思いますが、この現実を知っていれば、1, 2の恐怖は克服できることでしょう。
ハズレ銘柄さえ掴まなければ、負けるのが難しいゲームですから。

あとは面倒くささに打ち克つかどうか。これはもう、やるだけです。

株を購入するにあたり立ちはだかる、「特定・一般・NISA」、「指値」、「成行」、「約定」といった実生活では耳にすることの専門用語が初心者のやる気を削ぐような雰囲気を醸し出していますが、このあたりはやりながら学んでいけば良いと思います。

調べるのが面倒であれば、まずはNISAあるいは特定口座で成行注文しましょう。

もちろん、株を買った直後に運悪く株価が暴落することだってあります。

しかしながら、長期的にはその後挽回してプラスになってきたことは歴史が証明しています。
ちなみに、長期投資とは一般的に5~10年以上の投資期間を指します。

重要なのは、とにかく長く投資を続けることです。

長く続けるほど、負けることは難しいうえに、リターンはすさまじいものになっていきます。
そして、長く投資を続けるためには、早く始めることが肝要なのです。


で、結局何を買えばいいんですか


次に、こうお思いになるのではないでしょうか。

ぶっちゃけ、よほどのハズレ銘柄を引かなければ何でもいいのですが、まずは以下の3つの銘柄をNISA口座(成長投資枠)で均等に購入し、定期的に買い増していくことが一案です

  1. SPDR500(1557)/ 正式名称:SPDR S&P500 ETF
    上述のS&P500に連動する銘柄です

  2. iS米国連続増配株(2014)/ 正式名称:iシェアーズ 米国連続増配株ETF
    配当金を支払うアメリカの優良企業を集めた銘柄です

  3. 上場配当(1698)/ 正式名称:上場インデックスファンド日本高配当(東証配当フォーカス100)
    日本の大手企業を集めた銘柄です。分配金の利回りが高いです

これらはいずれも東京証券取引所に上場しているETF(上場投資信託)といって、いろんな個別銘柄を寄せ集めたパッケージ商品のようなものです。
1つの銘柄で充分な分散が図られています。

個別株と買い方は同じで、いずれも日本円で購入することができます。

これまで圧倒的なリターンをもたらしてきたアメリカを主力としつつ、割安で配当利回りが高いと言われる日本株を織り交ぜることで、手堅い運用が期待できる組み合わせとなっています。

株式投資で運用益を得るには値上がり益と分配金(個別株では配当金と言います)を得る方法があります。

値上がり益とは、購入時よりも価格が上昇した株を売却した際に得られる利益のことです。

分配金(配当金)とは、企業が株主に利益の一部を分配するお金のことです。

値上がり益と分配金のどちらを重視するのかはその人の価値観が分かれます。
もちろんどちらか一方を狙うというわけでなく、両方を狙うこともできます。

投資をやっているうちに自分なりのスタイルが固まってきますので、まずは1, 2, 3の銘柄を均等に購入してみて、自分にとって何が心地よいのかを感じてみるのが良いと思います。

ちなみに上で挙げた銘柄では、

1は、値上がり益重視
2は、値上がり益と分配金の両取り
3は、分配金重視

という構成になっています。

また、それぞれの銘柄が3ヶ月ごとに分配金を支払うため、毎月ちゃりんちゃりんと分配金という現金収入が得られます。

なお、企業の個別株は定期的に決算を確認したり、将来性を分析する必要がありますので、中級者向きといえます。


で、どうやって勉強していけばいいんですか


おすすめの銘柄を挙げましたが、誰かに勧められたとしても、腹落ちして買うのはなかなか難しいでしょう。

納得感を持って投資を続けるには、自らの投資行動が誤りでないとを実感するプロセスがどうしても必要になります。

そうはいっても、この世には投資に関する情報や書籍がありすぎて、何から勉強すればよいかわからないという状態になるかもしれません。

そこで最後に、これまで何十冊と投資本を読んできた私が、特に良かったと思う3冊の書籍をご紹介します。


① 金持ち父さん貧乏父さん

不朽の名作。

本書では1980年代の米国不動産投資という時代背景がありながらも、「時代が変わっても古びない原理原則を示すお金の基本図書」と評されるとおり、最初に読むべき投資本としては最適です。


② 日本一カンタンな「投資」と「お金」の本

小手先の投資テクばかりが書かれた本であふれる中、本書では投資とはそもそも何なのか、資本主義とはどんな世界なのか、人間の心理はどのように揺れるのかといった、本質的な内容に紙面の多くが割かれています。

長期投資をするうえでの基礎固めとして読んでおきたい1冊です。
(kindle unlimitedなら無料で読めます)


③ 本当の自由を手に入れる お金の大学

投資でリターンを増やすには、運用成績を上げることよりも、投資元本を増やすことがはるかに重要になります。

本書では、投資でのお金の増やし方だけでなく、元本を増やすための支出の減らし方・収入の増やし方に関するノウハウもわかりやすく示されています。


これらの書籍は投資活動における納得感をもたらすことでしょう。

その納得感は精神的な安定をもたらします。
すなわち、日々の株価の上下動に対し一喜一憂することがなくなります。

投資とは突き詰めればリターンを得るためにリスクを取ることであり、身銭を切ってリスクを取る以上、精神面への配慮は極めて重要になります。

そして、精神的な安定こそが長期投資に繋がっていくのです。


ここで最後に投資名言を。

「投資で成功する最大の秘訣は、投資したことを忘れることである」

それではいってらっしゃいませ。


※当記事は投資に関する一般情報の共有を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。また、最終的な投資決定にあたっては、ご自身の判断でお願いいたします。

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