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『GX』:DXデイリーワード
用語
GX(Green Transformation)
ジー・エックス
分類
サステナビリティ/環境
要約
GXはデジタル技術も活用し、環境負荷削減と経済成長を両立するための社会・企業の変革を指す用語です。
解説
GX(Green Transformation)とは、企業や社会が環境負荷を大幅に削減しながら、持続可能なビジネスモデルや社会システムへ転換する取り組みのことです。デジタル技術を活用するDX(デジタルトランスフォーメーション)の延長線上に位置づけられ、環境問題の解決と経済成長を両立させる新しい概念として注目を集めています。
身近な例としては、家庭での省エネや再生可能エネルギーの利用などがあります。たとえば、エアコンや照明をスマート家電に切り替え、必要な時間だけ効率的に稼働させることで電力消費を抑える仕組みは、GX実現に向けた一例といえます。企業の事例では、トヨタ自動車が水素自動車(燃料電池車)「MIRAI」を開発し、排出ガスゼロを目指している取り組みや、パナソニックが家庭用太陽光発電システムを積極的に推進している事例が挙げられます。
GXの背景には、地球温暖化や資源枯渇、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)の要請など、環境と経済を両立させる必要性が一段と高まっている現状があります。企業活動のみならず、国全体の競争力維持や地域社会の持続性にも関わるため、経済産業省をはじめ行政機関や産業界が協力して「GXリーグ」構想を推進しています。デジタル技術による業務プロセスの自動化やデータ活用、そして再生可能エネルギーの導入拡大を同時に進めることで、環境負荷の低減と新たな事業機会の創出を目指しています。
このようにGXは、単なる環境対策だけではなく、新たな価値やビジネスモデルを創造する点でもDXと密接な関係を持ち、組織変革や技術革新によって未来志向の社会を実現するキーワードとして期待されています。
関連トピック
GXをより深く理解するためには、カーボンニュートラルや循環型経済などの概念も重要です。カーボンニュートラルは、温室効果ガスの排出量と吸収量を差し引きゼロにすることで、国や企業の取り組みとして再生可能エネルギーや水素エネルギーの活用、CO₂回収・貯留(CCS)技術などが挙げられます。たとえば、三菱重工業はCCS技術の開発に力を入れ、発電所や工場から排出されるCO₂を大気中に放出する前に回収し、地下や海底に貯留する実証実験を進めています。また、エネルギーマネジメントシステム(EMS)を活用して、発電・消費・蓄電のバランスを最適化する取り組みもGXの一端を担います。
さらに、サーキュラーエコノミー(循環型経済)は、モノを使い捨てにする従来の仕組みではなく、製品・部品の再利用やリサイクルによって、資源を最大限に循環させる考え方です。これを推進する企業としては、ユニクロが服のリサイクル回収に力を入れ、再利用可能な素材の衣類を増やすなどの活動を行っています。このようにGXと関連する取り組みは、多様な業界・企業が同時進行で進めており、今後もさまざまな事例が生まれ続けるでしょう。
関連用語
カーボンニュートラル: 排出する温室効果ガスと吸収する量を差し引きでゼロにする考え方。国や企業の目標として掲げられる。
CCS(Carbon Capture and Storage): 排出されたCO₂を回収し、地下などに貯留する技術。CO₂削減に大きく寄与すると期待される。
サーキュラーエコノミー: 資源を無駄なく使い、再利用やリサイクルを重視する経済の仕組み。廃棄物削減に有効。