見出し画像

『ウェルビーイング』:DXデイリーワード

用語

ウェルビーイング(well-being)

分類

社会/ビジネス

要約

心身ともに良好な状態を保ち、生きがいや幸福感を高める概念。近年は企業戦略にも活用。

解説

ウェルビーイングとは、単に「健康である」だけでなく、心や生活環境、社会的つながりなど多方面で良好な状態を指す言葉です。たとえば「十分な睡眠をとり、仕事や趣味、家族との時間をバランスよく過ごせる状態」がイメージしやすい例です。世界保健機関(WHO)の定義でも、肉体的・精神的・社会的に満たされた状態を重視しており、昨今は企業が社員のワークライフバランスメンタルヘルスに配慮する取り組み(健康経営など)にも反映されています。

企業の具体例として、富士通はテレワークやフレックス制度を充実させることで社員が働きやすい環境を整え、ウェルビーイング向上を目指しています。また、Googleはオフィス内にリラックススペースや無料のカフェテリアを設置し、社員が心地よく働けるよう工夫を凝らしています。これらの取り組みは生産性やエンゲージメント向上につながるとされ、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進と同様に、組織の成長において注目されるキーワードになっています。

近年はオンラインで受けられるメンタルヘルス相談サービスや、AIを活用したストレス度合いの測定ツールなどが登場し、ウェルビーイングの概念はデジタルヘルス分野でも活用が進んでいます。例えば、FitbitApple Watchのようなウェアラブル端末で睡眠や心拍数を測定し、自分の健康状態を数値化・可視化するサービスも一般的になりました。こうした動きは、従業員の健康を企業がデジタル技術で支援し、仕事の効率と満足度を高めようとする取り組みを後押ししています。

関連トピック

ウェルビーイングが注目される背景には、社会全体の価値観の変化があります。従来は「仕事優先」の風潮が強かった日本においても、コロナ禍を機にリモートワークやオンライン会議が普及し、「心身の健康」と「仕事の成果」を両立させる重要性が再認識されました。これにより、クラウド・コンピューティングを利用した在宅勤務環境の整備や、オンライン研修、バーチャルチームビルディングなど、多様な働き方が模索されています。

また、社員のウェルビーイング向上によって、組織への定着率やモチベーションが高まり、長期的なコスト削減やイノベーション創出につながるという報告も増えています。たとえば、米国ではサイボウズのようにフレキシブルな勤務形態とチームコラボレーションツールを活用する企業が増え、社員のエンゲージメントと生産性を向上させています。これらの動向は、DXの視点から見ても企業や社会が持続的に成長していくための大きな要素となっています。

関連用語

  • ワークライフバランス: 仕事と私生活の調和を保ち、両方を充実させる考え方。

  • メンタルヘルス: 心の健康状態を指す。ストレスや不安のケアも含む。

  • 健康経営: 企業が従業員の健康づくりを経営戦略として推進する取り組み。

  • エンゲージメント: 従業員が組織や仕事に対して持つ愛着心や主体性。

  • デジタルヘルス: ICTやスマホアプリなどを活用し、健康管理や医療サービスを提供する領域。

  • クラウド・コンピューティング: インターネット上のサーバーを利用してデータ処理やストレージを行う仕組み。

外部参照リンク


いいなと思ったら応援しよう!