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坂口恭平さんPastel展
坂口恭平さんの絵を観に
仕事帰り神田へ立ち寄った。
TETOKA
東京神田 8/23~9/6まで
この方の事を知ってからあまり時間は経っていないのだけど、今回観に行ったパステル画をはじめ、文章・音楽・編み物・畑仕事etc と多才に渡る。
お名前でググれば色々出てくると思うのでそちらにお任せするとして。
なにより、この方のヒトとしての存在そのものが好きだ。 こういう方の存在を知ると、
ああ、生きてて良かったな と思う。
世代は違うとは言え、同じ時代に生まれて、こういった現れかたを感じることが出来たことが、ものすごく嬉しい。
坂口さんに限らず、ああ素敵な方だなあと感じられる方が、最近すごい勢いで私の回りに現れる。リアルでも、ネットでも。
いや、もしかしたら前から居て、私が目を向けなかっただけなのかもしれない。
気が付かないと言うことは、自分の中では存在しないと同じ事なんだなと、改めて気付かされる。
この方のパステル画は
「絵を観てる」のではなく、坂口さんの目を通して見えた「場」そのものへ、一瞬で連れて行ってくれる。 絵の中のそれに居るのではなく、場そのものに溶け込ませてくれる。
トンネルの先や山中の途中などで
突然景色が開け、自然がいきなり飛び込んできた時の、 声になる前の 呼吸以前の
「 」という感じ。
そのものになる瞬間。
原画は
静かに 静かに
そこにいた。
画像よりも、更に静かだった。
ひとつの絵の前で立ち止まり
回りの音を遠退かせると
絵を観てるはずの私は
もうその場でその景色の中に居る。
すべての絵が
その場への扉のようだった。
なんとも言えない、幸せな時間だった。
*パステル画像はご本人のTwitterから(勝手に)お借りしました スミマセン
◇◇◇
文章はまだそんなに読めてはいないのだけど、noteもやられてる。
この中に出てくる「言葉」に関すること、
自分を通して現すということ、
時間・空間に対する感覚、
存在そのもの、生命についての感覚
どれもこれも
どうしてこの人はこんな風に言葉にのせることが出来るのだろうと感動してしまう。
頭で書くのではなく、
湧いてくるものをそのまま言葉というツールで現すということ。
まるで音を奏でるように。
そこには隠れる意図がなく、
ただその人の特質フィルターを通された
「感覚」だけが
言葉という形で現れる。
「意図」が入っていない言葉や文字は
そのままふわりと舞ってくる。
何の咎めもないので
ダイレクトに自分のナニカへ触れる。
そしてどこまでも
優しく 軽い。
8/24 TETOKAでインスタライブやられたのを
アーカイブで見た。
1時間の中に今の坂口さんが
ギュッと詰まっていた。
多種多様な事をしているという話題の中で、人の中には誰でも湧水がわいているという。(49:50秒あたり。でもその前から聞いた方が話が繋がり易い)
湧水。 分かりやすい。
そう、誰でもコポコポと湧水がわいている。
必ず。 人によってそれの現し方が違うけど。
湧いてない人はいない。
大人になるにつれ回りに落ち葉が溜まり、湧水が見えにくくなってる事はあるかもしれない。
見えなくなってるあまり、湧水の存在を忘れてしまっている事もあるかもしれない。
でも、どんな人でも必ずある。
その湧水を坂口さんはどうされてるか。
その他のお話も含めて、いったいこの人はどういった感覚で過ごしているのだろうと思っていた私には、とても楽しいライブだった。
飾り偽る事なく現れる感覚に触れる事は、好みの差はあれ心地よい。
例えばあまり好まないジャンルの人でも、その人自身がまんまで話されているトークなどは、私は聞く。 表現されるものはその時々好みがあるけれども、その人そのものはまた別物なので、ああこういった考え方をする人もいるんだなと、そのまま耳を傾ける。
坂口さんは、今回のトークライブ・文章・パステル画・音楽などそれぞれ色々な面を違う形で現されてる。 トークだけを見てる人には静寂に包まれたパステル画の面は想像しにくいかもしれないし、本だけでしか知らない人は、音楽で表現されてる面は見つけにくいかもしれない。
一人の人にも色んな面がある。
それを固定してるのは本人だけで、本当は一瞬一瞬違う。 色んな面があって当たり前だし、現し方も違っていい。
自分の中で色んな面を現せるようになると、色んな面を発見すると、自分の中でさえこんなに幾つもの違いがあり様々な面があるのだから、まわりが更に様々な違いがあるのは当たり前じゃないかと思えてくる。
ご自分の中であふれ出ている湧水を
留める事なく様々なスタイルで現し流す坂口さんのお話を聞いて、私も自分の中の湧水をどんな形であれ流したいとそう思う。
文章であれ言葉であれ絵であれ、どれに触れてもそう思わせてくれる不思議な方だ。
10月頃にパステル画集が出るという。
原画購入はも少し先の楽しみにとっておくとして、画集を手元でパラパラ眺めるのが今からとても楽しみだ。
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