しあわせ は いま

たとえばリンゴを剥いていて
別ごと考えてるときは感じないけれど
あ　と思って
いまリンゴを剥いている　というのに
意識を向けた瞬間
リンゴの甘酸っぱい香りがふわぁんとしてくる
というのはよくあって
ああ　いま　に戻ってきたな
と　感じます

過去や未来に飛んでいて
いま　に戻ってくると

香りが急にしてきたり
味覚がより感じたり
音がよりリアルに感じたり
色が鮮やかに感じたり

そういった五感の感覚が
より深く感じるように瞬時に変わる
というのも
ひとつの目安かもしれません

いま　というものは
本当に美しいなあと感じます

今の時期は空高くから
落ち葉がひらひらと舞い降りてきて
風にあおられてクルクルしたり
ふわりふわりと飛んできたり
その様子がなんとも美しいなぁと
飽きもせずいつまでも眺めてしまいます

ケトルから出る湯気

外を歩く子供たちの笑い声

遠くゆったりと飛ぶ鳥たち

道端のどんぐり

本当に何気ない何でもない
日常のヒトコマなんでしょうが
それらが目の前で起きているという
不思議

坂道をゆっくりゆっくり上がってくる
老夫婦のおだやかさ
すれ違い様に奥様の手に
大事そうに握られていた
綺麗に紅葉した葉っぱ一枚
それを見て
私の心が穏やかになる

すれ違っただけの人だけれども
幸せをもらっています

そうとらえると

道行く人からも
ケトルの湯気からも
鳥のはばたきからも
虫の音色からも
空からも　地からも
あらゆるところから
気付いてないだけで
幸せを感じさせて貰っているなあと
感じます

それらは特別何かをしてるわけでもなく
頼まれたわけでもなく
そのままでそのようにあっただけで
それが
幸せを感じさせてくれてるのならば
つまりは
自分も特別でなくても
幸せを感じて貰っているのかもしれません

誰もかれも
特別でなくても
何が出来ても出来てなくても

それ自体が
たぶん　幸せ　なんです

それを
どう捉えるか　のチガイだけで
もとは全部例外なく

幸せ　から出来てるんです

いま　そう思えなくても
もとがそうなので
しあわせの種 は内在していて

それぞれが
それぞれのタイミングで
そうだった　と
思い出すのかもしれません

街中ですれ違った人や
何かにㇷと感じた幸せは
その種があるから反応して

あなたの幸せは
内側にあるんだよ　と

ささやいているのかも
しれません

そしてその
しあわせ　は
リンゴの香りのように
いま　です